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2-1*営業時代から現在までのファッション| 2章 都会の生活で感じた現代の問題点ーなぜ現代の服装は無彩色のコーディネートが多いのか|ニューロマン都会編

 私は営業職時代、黒やグレーなどの無彩色を組み合わせたスーツの着こなしに何の疑問も感じていなかった。休日にカラフルな色のワンピースを着る時もタイツや靴や鞄は黒で統一することが基本であり、お洒落だと思っていた。

しかし、高度経済成長期の文化全般に興味を持つようになると、当時のファッションに比べて現代では黒やグレーといった無彩色のコーディネートが多い事に気付いた。

当時のファッションで黒が頻繁に登場することは無く、代わりに使われているのは有彩色×有彩色の組み合わせまたは有彩色×白の組み合わせであった。

私は2011年頃より60年代~70年代のファッションを参考に、安易に黒を着ることを封印して有彩色と白を中心としたコーディネートを実践するようになった。

実践をはじめて最初に購入したのは白い服や小物であった。服を効率的に着回すために必要だったからだ。
色彩は大きく有彩色と無彩色の二種類に分類され、さらに有彩色は色味や明度・彩度により詳細に分類される。有彩色同士の組み合わせには様々な配色の法則が存在するので、手持ちの服だけでは着回しが難しい。一方、無彩色は明暗のみで構成されているため、無彩色同士はもちろん、どんな有彩色とも合わせることができる。

最初の1年間で白いアイテムを買い足して一通り着回しが出来るようになると、翌年からは春らしい色、夏らしい色など、季節ごとに身につけたい色について考えるようになった。

洋服の柄にも季節感を取り入れるようになり、春は桜、梅雨は傘模様、秋はコスモス、ススキなどの柄を身につけたり、浴衣や着物に対しても関心が高まった。

また、外出先の雰囲気を意識したコーディネートをするようになり、事前に情報を調べた上でテーマを持って服を選ぶようになった。黒を封印しただけで、これだけコーディネートの幅が広がり、日常に対して自らをファッションで彩り意欲的に愉しむ意識が増していった。

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