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児童書の傑作『ズッコケ三人組』を寝る前に再読中

私は『ズッコケ三人組』シリーズが大好きだ。

と言っても、よく読んでいたのは小学生の頃

調べてみたら特設サイトがあった。

ちなみに、昔ドラマもあったらしい……!
全く知らなかった。

先月から再読していて、今ちょうど18作目の『驚異のズッコケ大時震』まで来たところ。

どういうところが好きなのか、今日は少し書いてみようかと。

※ 内容のネタバレあり

再読し始めた理由

読み返し始めた理由は、「昔すごく好きだった本を読み返してみようかな」と思ったから。

他にも『モモ』『ソフィーの世界』などを最近読んで、感想をnoteに書いている。


これは数年前からやっている
「好きなことを、なるべく自由にやってみる」
という試みの一環だ。

お金のためでも成功のためでもなく、ただ自分の素直な感情に従っている。

子ども時代に、周囲の大人の
「こうしなさい」
「こうしたほうがいいよ」
に従いすぎて、自分の意思がよく分からなくなっていた実感があって。

大人になった今、あえてやってみているのだ。

「こうなりたいから」「役に立つから」
じゃなく、単に
「気になるから」「また読みたいから」
読んでいる。

完全に娯楽だけど、読んでいると楽しくて少しホッとする。


特に印象的な7冊(18巻までで)

今回読んでみて、特に印象的だった巻はこの辺りかなぁと。

『あやうしズッコケ探険隊』

無人島にたどり着いた際
「えぇ、そんな感じで1週間も子どもだけで生きられるの? 一体これからどうなるん?」
と、恐ろしさを感じた。

自分なら「いつ助けが来るのか分からない中」で正気を保てる気がしないので、面白さよりも不安感が勝ってしまったようだ。

でも昔読んだ時にはそうじゃなかったと思う。良くも悪くも「普通の大人」になってしまったんだなぁ……と実感した。


『ズッコケ財宝調査隊』

最初のエピソード(戦時中の話)がめちゃくちゃ良くて、伏線として効いている。「真相は闇の中」というまとめ方も素晴らしい。

「お宝は意外と、周囲が思い描くような物ではない」
というのも超リアルで。

「ダムの底に沈んだ村」
が人間社会の光と闇を映し出すモチーフとして生かされていて、上手い!


『ズッコケ山賊修業中』

一緒に攫われた大学生男子の決断を、ボンヤリながらも覚えていた。

今読んでも、
「確かに『現代で一般に思われているような幸せ』が皆にとっての幸せになる、とは限らないよなぁ」
と思う。

ハカセが言う「神様の役割」が非常に興味深くて、宗教というものの興味深さと薄気味悪さを感じた。

実際にありえそうな絶妙なラインを描いているのがいい。信じている人が多ければ、地方自治体や政府すらも操れるのかもしれない。

「もしかして……?」とうっすら思わせてくれる結末、尊敬しかない。

『花のズッコケ児童会長』

私のお気に入りキャラ・ハチベエが大活躍する回。彼のダメさと素敵さがよく表現されている。

弱き者に寄り添ってくれるズッコケ三人組シリーズの真骨頂!
何かができない人、事情がある人、万人に好かれづらい人、……世の中には色々いるから。「他者への想像力を持ちたい」と再確認させられる。

結果として選挙の結果がめちゃくちゃリアル、というのもまた面白い。

同じクラスの美女・陽子もステキ。クラスの女子キャラたちが生き生きしていた回だった。


『ズッコケ宇宙大旅行』

再読していて、戦いに行くまでの助走部分が短いことにびっくり。
そして敵の描かれ方がリアル過ぎて少々気持ち悪い……

最後の終わり方も良い。すごく「ありそう」な感じがするから。

宇宙人的な存在がいたとして、私たちが想像もできない姿形をしているんじゃないかな?


『謎のズッコケ海賊島』

私にとっては、下手な幽霊の話とか恐怖体験実話よりもよっぽど怖い。
暗闇、昔の実話っぽい噂、帰り道が分からなくなる不安……そういったものが混ざり合った根源的な恐ろしさを感じた。

カタカナで書かれた日本語も、私にとっては怖い感じがするのかも。
瀬戸内の海賊も完全なる作り話ではなく、実際にそういう時代があっただろうからなぁ……(倭寇とか)

お宝が見つかった後の所得計算とか、大人になってから読むと現実的で面白い。宝には夢が詰まっているけれど、たとえ見つけたところで思ったような富は得られないんだと思う。


『ズッコケ文化祭事件』

読み始めるまで忘れていたものの、この劇中劇のことはうっすら覚えていたようだ。個性的な女三兄弟のストーリーで、客席で見たらさぞ面白いだろうと思わされる。

劇の大道具・音声・演出に凝るところもワクワクさせられる。もしかしたら私の「舞台の裏方への憧れ」は、この本によって増強されていたのかもしれない。


お気に入りキャラは?

ハチベエ

三人組の1人で、超元気な男の子

ハカセもモーちゃんももちろん嫌いではないけれど、ついハチベエに好意を持ってしまう。

子どもの頃は大人しい性格だったため、自分にない行動力を持っていて羨ましかったのかもしれない。

「趣味はいたずら」というような子どもらしい子どもに、どうしても憧れるんだと思う。


安藤圭子

クラスの女子の中でも登場回数が多い子。気が強く、ハチベエとよくケンカになっている。

『ズッコケ文化祭事件』で演じた悪い女社長役がカッコよかった!


荒井陽子

クラスで1番の美貌を誇る女子。成績優秀でリーダー格的な存在でもある。

『花のズッコケ児童会長』では、児童会長選挙を途中辞退したのに開票時20票以上集めるなど、ファンも多い様子。


クラスの女子・宅和先生など

上記2人以外にもクラスの女子は何人も出てくるが、皆個性的で可愛い。

男子なら、ちょっと変わっている徳大寺邦光くんが良いな。(文化祭で劇の総指揮・演出を担当した子)

担任・宅和源太郎先生の優しさも好き!
こんなに生徒の力や自主性を重んじてくれる教師って、なかなかいないと思う……

あと、ハチベエの両親の大らかさも良くて。「親として、かくありたい」と思わされる。

タエ子姉さん(モーちゃんの姉)は、好きという訳ではないがよくキーパーソン的な動きをしてくれるから貴重な存在。


群像劇が好き!

このnoteを書いていて気づいたが、私はどうやら群像劇的な物語が好きなようだ。

単に人がたくさん出てくれば良いわけではなく、登場人物が多いのに皆それぞれ個性にあふれていて、
「この場面にこのキャラがいたら絶対こう言うだろうな」
と簡単に予想できるような描かれ方をしている作品だ。

漫画で言えば
『シャーマンキング』『黒子のバスケ』『鋼の錬金術師』『銀の匙』『Dr.STONE』『正反対な君と僕』、……
あたりだろうか。


『ズッコケ三人組』シリーズにも、中心の3人だけでなくそれぞれの家族やクラスの子どもたちがよく出てくる。

それぞれの巻で数人ずつだけど、それでも「モブ」的扱いではなく1人の人間として色々な面が描かれる。

……そこが好きだ。

『ズッコケ三人組』は読後感が大好きなので、読むと必ず幸せな気分になれる。
よって、夜寝る前の読書にピッタリ!

ありがたいことに、まだシリーズは半分以上残っている。これからも楽しみに読んでいこう。

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