【離職の申し出はある日突然に...】チームの”人事課題”を改善するためにやるべきこと
チームが”成果を出す要因”はいろいろあります。
その成果を出す要因として、独自の人事的・組織的なプラットフォームを構成しておくことは必要です。チームが成果を出すプラットフォームがあれば、その仕組みの下でメンバーに動機を提案し、意欲の方向性を示すことができます。
これが「現場の人事デザイン」 によって 「現場の人事力」を創造するということです。
チームには多様な人事課題があり、問題が起こり得ます。
例① 人事考課の課題
例えば、人事考課の課題の例で考えてみましょう。
人事部から管理者に 「考課を記入して何日までに出すように」 と指示があります。
管理者としては、「その考課基準と考課フォームは、現場の実態に即していない」と感じ、「そのような考課をすること自体が、日頃、経営者が”一人ひとりを大切にしろ”と言っていることとも違う….」とは思うものの、期日までに記入して提出します。
こうした場合、 一人ひとりの仕事の実態に即した仕組みに人事考課を組み替えていれば、毎期の考課に悩むことなく、 むしろ日々の観察力は高まります。そして、結果としてマネジメントも良くなるし社員にもフィードバックしやすくなります。
また、社員は日々の仕事と人事考課がつながっていることを実感するため、考課ポイントの方向に向かって行動することに意味を見出すのです。
次に、別の例でも考えてみましょう。
例② 社員の離職
例えば「社員の離職」についての課題です。
中堅社員から離職の申し出があるとします。その報告がトップに行くと、「 コミュニケーションを充実させるように」と、社長室や人事部から指示が出る。 コミュニケーションについて、トップが 「たまには飯でも食べながら話せ」という指示を出すと、現場に届く指示は”義務的”に「最低月1回の食事会」となります。
そこには肝心な「コミュニケーションの中身としてどうあるべきか」はありません。大事な人材が”コミュニケーションのズレ”で辞めるという指摘をされても、管理者にはそれを改善して定着させる方途が見えないのです。
この場合は、管理者のためにコミュニケーションに関して”方向付け”がされていれば、まずはそれを活用することができます。
それがなくても色々な先輩や上司に聞くことはでき、多様なアドバイスをもらうことはできるでしょう。それはそれとして意味がありますが、本来コミュニケーションについて経営的に方向付けが何もなく、管理者に一任していることが問題なのであります。
離職の申し出はある日突然です。
離職の申し出は以前と違って100%翻意はありません。定着を図ろうとしても「また辞めるのではないか」と不安になって言うべきことも言えなくなります。
コミュニケーションを通じたモチベートの”理解と仕組み”があれば、 それを活用しながら社員の持っている課題に対して対応することができるため、 離職の可能性は下がります。
現場は無策ではなくなるのです。 部下は、 管理者の無策を見ているのであり、 その無策が会社そのものの無策に見えるのです。 「そんなことはない」 と人事部が力説し、 経営層が個別に話をしても社員には何となく通じないという感触は否めないのです。
社員へのごまかしはききません。本腰を入れて向き合うタイミングであるということです。
「強くて優しい会社 ―人と組織の潜在能力を活かす、現場の人事デザイン」
クロスメディア・パブリッシング
(著者:弊社代表 末永春秀)
本書より抜粋。
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