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問題を起こしても、解決できない現場

先ほど、私のところにある営業担当が訪れ

 「昨日、お客さまからクレームがあって」

と言われました。えぇ、まさに先ほどの話です。何事かと思って聞いてみたら、ある技術部署のチーム6~7名ほどが準委任で常駐開発しているプロジェクトで、立て続けに

 ちょっと画面開けばわかるような不良

をテストで検知できないままリリースしてしまったみたいで、当社の開発そのものに対する信頼が揺らいでいるということでした。実際、現場のお客さま担当者からは

 「リーダーを替えてくれ」

と言われているらしく、仲立ちしている商社の部長から、

 「…とユーザーから言われているんだけど
  (御社としてどうするつもり?)」

と突かれているようです。


そもそも、品質保証を行う部署(私1人しかいませんが)にそれを言われても、ソフトウェア開発の進め方そのものが悪いという問題に対して、私の立場が解決してあげることでは無いし、そうしてあげる義理もありません。開発の進め方(プロセス品質)を見定め、見直すのはエンジアニリングを行うものの務めであり、責務です。

なにより、開発することを生業としている技術部門の上司や先輩が、「開発とはこうあるものだ」と言うことを、まともに指導してこなかったからこそ、そのリーダーは『プロジェクトリーダー』と言う役割を与えられていながら、まともな進め方をすることなく、自己満足の域を出ないテストばかりで、お客さまに迷惑をかけているわけですから、まず、その技術部門の中で対策を立て、人材を育成し、組織力を向上させるべきでしょう。

開発の現場からかれこれ10年も離れた私に丸投げして良いものではありません(まぁ、大抵のことでは負けてあげる気もありませんが)。

なにより、プロジェクト予算の取扱いとして課題が残ります。


たとえば、売上1億のプロジェクトがあったとします。
利益は…そうですね10%見込んでいるとしましょう。

そんな中で、問題が発生しました。

しかし、"原価"がつく生産部門では一切解決しようとしませんし、上司も動こうとしません。挙句、営業や品質保証などの間接部門に「対応窓口」や「解決」を丸投げしたとします。そこで、私や営業が解決のために東奔西走し、旅費・経費込みで1000万を消費したとします。

ですが、私の原価はあくまで間接費なので、プロジェクト予算からではなく、会社の資産から支払われることになります(まぁ、私のいる会社はそういうものなんだそうです)。

すると

 ・生産部門の管理職は、問題解決能力が育たない
  (何する人なの?偉そうに踏ん反りかえってるだけ?)
 ・窓口や解決にかかるコストが、プロジェクト予算から消費されない
  (それで利益率が高ければ、評価が高くなるっておかしくない?)

と言う状態になります。しかも、他部署が解決してあげるので現場のメンバーも「悪いな」とは思っていても、自分たちの知らないところで勝手に解決されてしまっていて、既存の開発の進め方を改善しようとしなくなります。直接、上長から指示や命令がないためです。


ですが、営業が顧客窓口になっていて、今回のクレームも営業担当者にきているようです。来週早々にでも、お客さまに事情をお伺いに行くそうですが、そこには十中八九、生産部門の管理職は同行しなさそうです。

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つまり、図にするとこんな感じの立ち位置関係になってしまっている、ということです。いや、おかしいでしょう。これで私がまた解決すれば、技術部は余計なコストを掛けずに済み、プラス収支で終わるだけです。そうなれば、また無能な管理職の評価が上げられ、出世していくことになります。

数値目標しか見ない企業なんて、みんなそんなものですよね。昨今の郵政の不祥事を見ていればよくわかります。

こんなの社長が引責辞任しても、「ノルマ(数値目標)」しか見ない人と体質を何とかしない限り、永遠に改善はできません。

数値目標しか見ない/見れない企業なんて、「お客さま」を

 金づる

扱いにしかしていないということですし、結果として企業としての信用を落とすだけですし、そんな人間を「他人(多くの部下)の人生」の上に立たせるなんて、気が狂っているとしか思えません。

そんな技術部門のためには働いてやりたくはないなぁ…
問題を解決してあげても、お客さまのためにはならないなぁ…

と、いつも思います。

11月1日に一度辞意を表明し(その後いったん取り下げ)ましたが、こういうことを簡単にしようとする会社だからこそ、居たくないんですよね。社員のためにも顧客のためにもならないからです。一部の経営者と高位管理職層の私物化のために道具にされることを、これ以上許容して良いとは到底思えないんです。

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Takashi Suda / かんた
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