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なぜなぜ分析した結果はそのまま終わらせず、再発防止対策から水平展開へ

なぜなぜ分析を行うにあたっては次のようなことに注意して、なぜなぜ分析を再発防止対策から水平展開に結びつける必要があります。

なぜなぜ分析は所詮PDCAの「C」です。

「C」だけでは何も改善できません。仮の目の前に生じてしまった問題自体を解決することができても、問題を起こす要因そのものを解決しない限り、

 いつでも
 どこでも
 だれでも
 何度でも

同じ問題は再発することでしょう。

①再発防止対策につながるまで「なぜ」を繰り返す。
 必ずしも5回(5Why)にこだわらなくてもよい。

②逆にいえば、再発防止対策につながらない場合は、
 なぜなぜと追究はしないということである(時間と労力のムダ)。

③再発防止対策にとどまらず、水平展開につなげていくことが必要である。

③までできて初めて組織としての効果があらわれることでしょう。

自分だけ、自チームだけという意識が蔓延していると、自分自身のノウハウもそうですが他人や他チームが培ったノウハウも共有されることはありません。対岸の火事とタカをくくっていた問題を自分自身が発生させて、より致命的な損害を出してしまうことにもなりかねません。

問題(problem)は…いえ問題だけでなく、成功についてもできるだけ水平展開を行い多くの人たちと共有し、自らが体験した内容からマイナス要素となりうるものをほかの人にも起こさせないように取り組むことは組織に対する貢献度が非常に高いものとなります。

ここで、再発防止対策とは次のようなことを言います。

 ・発生しないように改善し、再発をさせなくする。
 ・発生してもすぐわかるようにする(目で見る管理、見える化の導入)。

また、なぜなぜ分析を行うにあたっては次のような不適切な「なぜ」に注意しなければなりません。

①原因追究ができない不適切な「なぜ」は除外する。
 たとえば、政治・経済など他責に関わるようなこと。

②正常からずれていること、異常(いつもと違うこと)な「なぜ」は除外する。

③人間の「心理面・精神面」についての表現はできるだけ避ける。
 根拠の伴わない「気になる」などは用いない。

たとえば、「忙しかった」「イライラ(クヨクヨ)していた」「考えごとでボーっとしていた」などといった人の感じ方や感情面に原因を求めようとする人がいた場合は、

→「なぜ」の矛先(方向)を、機械/設備、環境、手順、基準、ルール、
 情報/管理などの人に依存しない仕組みに向ける。

→どうしても人間関係について言及せざるを得ない場合には、
 事実を確認(検証)し、具体的な行動を取りあげる。

 ようにする必要があります。

個人の感じ方や感情を中心に据えた問題は、分析することができません。

あえて分析するとしたら、

 「そういった個人の感じ方や感情を優先するような人を
  重要なポジションに採用する人事制度にこそ問題の原因がある」

と断じる必要があるということです。

そうしなければ、人事制度の穴を突いてまた同じような発想をする人を採用する可能性が残ります。これでは再発を防止することができません。このことが徹底できない人は、まだなぜなぜ分析をする実力が不足しているということになります。

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Takashi Suda / かんた
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