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きっと君とは付き合えないから

私は付き合っていなくても幸せだと思ってた。

もちろん付き合える保証も自信も全くないから私が勝手に思っているだけなんだけど。

お互い特別な存在というわけではないし、いい人紹介してよって言い合うし、ただ居心地が良くて特定の相手がいない寂しさを忘れさせてくれる人というだけ。

その範囲に収まっていたかったし収まっていてほしかった。


その条件として、性別を感じさせないことは何よりも重要だった。

もちろん恋バナをする中で男と女としての意見は出てくるし、そもそもある程度の寂しさを埋めることができている時点で異性として認識してはいるのだけど、

彼の前で女を出したら今まで築いてきたフラットな関係を超えてしまうし、向こうが男を出してきても同じことだった。

あんなに頑張ったのに、あっけなく男と女になりかけてしまった。


いや、そんな大したことは起きてないんだよ。

ただ向こうがたくさんくっついてきて、恋人繋ぎしてきて、頭撫でてくれて、帰り道でずっと手繋いでただけ。

それでも、何も起こすまいとしていた私(私たち?)にとってそれは確実に「変化」で。酔っているときも酔いが覚めてからも恋人と言われたら納得する距離感だった。


それでも私は彼に告白しようなんて思えないし、好意を匂わせることもできない。

それほど既に居心地が良くて大事な人になってしまっていた。

それに、好意なんてなくても嫌いじゃなければスキンシップなんてできてしまうものだということはさすがに理解している。

少なくとも私は限りなく好きに近い感情を持っているから受け入れたけど、向こうがどういうつもりだったかなんてわからないしそこに好意がなかったとて責めるべきことでもない気がする。

とにかく私には彼との関係に波風が立ちかねないことをする勇気はない。今あるささやかな幸せを、永遠に続くかどこかで完全に終わってしまうか、というような極端な関係性に落とし込むくらいならこのまま名前のない距離感でぼんやり過ごしていられればいいと思う。


と言うくせにLINEの返信が遅くて勉強に集中できなくなってこんな記事を書いていることには触れないでね

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