日々の暮らし

春から一人暮らしを始めた。

自分の暮らしをどう整えていくか、どうしたら自分が家でのんびり気持ちよく過ごせるか、ということが最近のテーマで、そのための出費は妥協しないことを決めた。

あまり好きでない家具を一度買うと、使い続けるのも捨てるのも莫大な労力がかかることは、亡くなった祖母の家を片付けている時に嫌というほど思い知らされたので、入念にシミュレーションを重ね、飽きずにずっと使うことのできるものを考えて買う。これがなかなか楽しい。

給料一ヶ月分が吹き飛ぶような家具も買ってしまった。が、自分にとっては日々が格段に楽しくなったし、働く意欲が湧く結果になるとはおもってもみなかった。バカ高い買い物をするために貯金をするたのしみも生まれたし、節約できることはできるだけしようと思うようになった(というかしなければもはや生活が成り立たない…)。自炊をするようになって体も健康になった気がするし、服や日用品をダラダラネットショッピングで買うことも無くなった。厳選されたものに囲まれて過ごすのは、日々に程よい緊張感を与え、心が満たされている気がする。

最近はニュースを見ると気持ちが辛くなるような内容ばかりで、少しテレビとは距離を置いている。「悪しき物語に対抗するには、善き物語を立ち上げていくしかない」というようなことを村上春樹が言っていた。善き物語ってなんなのか、厳密にはわからないのだけれど、今の自分は「歴史と文学」なのではないかなと思う。高い買い物(ブランド品など)は、そのものが持っている歴史が深いことが多い。多くの人から愛されている、大事に扱われてきた歴史があるからこその値段、そう思うと少し気持ちが凛とする。もちろん安くていいものもたくさんあるけれど。

そんなわけで昔は全く興味なかったブランド品を少しずつ集めていくことを生き甲斐として、働いている。ハイヒールももこさんがテレビで「お金はないけどシャネルはある」と言っていたけれど、それが一つの指標になっている。ものを雑に扱うのではなく、一生をかけて手入れしながら長く丁寧に使っていくことで人生も丁寧で洗練されたものになるような気がするから。私だけの力では気持ちがめげそうになるから、憧れの物の力を借りて。そういう気持ちにさせてくれるのならば、ブランドを買う意味があると思う。

ちゃんと生きるための蓄えもしつつ、でも適度に豊かに暮らすために、頑張るぞー
借金だけはしないように、、自戒も込めて。

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