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ケトジェニック・ダイエットのリスク⁉

フィットネスブームに伴い、某大手パーソナルジムの低糖質ダイエットが流行り出した頃から“ケトジェニック・ダイエット”というダイエット法も雑誌や書籍等で目にする機会が多くなりました。

ケトジェニック・ダイエットとはどのようなものなのか、どのような人に向いているのか、どのような目的で開発されたのか。

副作用は?根拠はあるのか?実際に瘦せるのか?そんな疑問をこれから紐解いていきます。

●【ケトジェニック・ダイエットを語る前に】


“ダイエット”という言葉を聞くと多くの方々が“痩せること”やその過程のことだと思うはずです。

しかし、“ダイエット”とは「食事方法」という意味で、“ダイエット=痩せること”ではないということをまずは念頭に置きましょう。

太る食事もその人が意図してその食事方法を選択していれば、ダイエットだと言えます。

それでは、ケトジェニック・ダイエットについて見ていきましょう。

●【ケトジェニック・ダイエットとは】


ケトジェニック・ダイエットは簡単に言えば、超低糖質・高脂質ダイエットのことです。

通常は食事で食べた炭水化物が体内でブドウ糖に変わり、脳をはじめとした体中の組織でエネルギーに変わります。

しかし、ブドウ糖の不足が続くと代わりに脂肪からケトン体が作られ、ブドウ糖の代わりのエネルギー源になります。

そのため、脂質の利用効率が高まるということで、最近、注目されているのです。

●【体重減少のメカニズム】


人間が生きていくためのエネルギー源は、ブドウ糖(グルコース)や体内に貯蔵されるグリコーゲンが大半を占めます。

しかし、ケトジェニック・ダイエットに切り替えるとブドウ糖や筋肉や肝臓に貯蔵されるグリコーゲンが枯渇します。

体内の糖質が枯渇すると一時的に“飢餓状態”に陥ります。そのタイミングで脂肪からのケトン体の合成が高まり、脂肪をエネルギー源とする状態になるのです。

脂肪からケトン体を生成するのを誘発させる食事方法がケトジェニック・ダイエットになります。

ケトン体が急増するとインスリン値は低下し、脂肪細胞から脂肪が解放されると考えられています。

脂肪細胞から解放された脂肪はグリセロールと脂肪酸に分かれ、肝臓に送られ他脂肪酸が※ケトン体に変換され、体液循環で脳やその他の組織に運ばれてエネルギーに変わります。

※ケトン体=β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称

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●【ケトをする前に必ず確認すべきリスクについて】

リスクを上げる前に、ケトジェニック・ダイエットはどのくらい炭水化物を制限するのか。

この量については人にもよりますが、総摂取カロリーの5%以下に抑えなければいけません。

例えば、一日の総摂取カロリーが2000kcalの人だと炭水化物の量“25g/日”が上限になります。

これを実際に遂行しようと思うと食べる野菜の種類や量、調味料にも気を付けないと簡単に超えてしまいます。

そして、ケトン体をエネルギーとして利用する体になるには、平均2~3日かかり、毎日のエネルギー消費量や摂取量によって変わります。

本来であれば、ブドウ糖をエネルギー源している体は、ブドウ糖に対する反応が物凄く良いので、ケトジェニック・ダイエットの効果を続けて得るには、その期間は炭水化物が5%以下になる食事に徹さなければいけません。

つまり、「チートデイ」を設けることができないと考えてください。

ケトジェニック・ダイエットとは強引に“飢餓状態”まで一時的にもってくる方法なので、ケトン体の利用が高まるまでの期間に、副作用が生じます。

主な症状:頭痛、疲労、不機嫌・イライラ・憂鬱感などの気持ちの
     落ち込み、吐き気・嘔吐、空腹感、虚弱、便秘

これらの症状は総称して“Keto Flu”と呼ばれ、ケトン体のエネルギー利用が高まる前によく見られる症状です。

●【ケトジェニック・ダイエットの主なエビデンス】


最近になって、よく聞くダイエット方法ですが、ケトジェニック・ダイエット自体は1920年代から研究されており、多くのエビデンスが存在します。

ケトジェニック・ダイエットの始まりは1921年にRussel Wilderという博士が神経障害のてんかん発作を防止する目的で開発されました。

その後、研究が進み、血糖値が下がり、インスリンの感受性が向上することから糖尿病患者の食事に用いられたり、減量効果に注目が集まったりしたのです。

しかし、共通して言えることがどのエビデンスも短期的な研究であり、長期的なエビデンスがありません。

●【まとめ】


ケトジェニック・ダイエットがとても素晴らしい減量方法のようにとり扱われていますが、その内容について、ある程度把握してからやるやらないの判断をすることをお勧めします。

“Keto Flu”以外の症状としても身体が酸性に傾くことや体臭がきつくなること、肝臓等の臓器や消化管に負担がかかることも考えられます。

ケトジェニック・ダイエットが気になる人これから行う人は、上記のことを今一度考慮してやるかどうか検討してください。

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