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#ドラマレビュー

連続ドラマW 事件 (全4話)

原作者の大岡昇平さんは「裁判所と裁判官によって判決が違うのでは、裁判自体も偶然的な“事件”ではないか」という思いを「事件」というタイトルに込めたとの事。 主人公の菊池自身を被告人に重ね合わせて見ているような感覚を覚えました。裁判の結果は色々な思いはあるでしょうけれど、被告人の隠された秘密には気づいていると思うんだよね、だから当然心配で心配で仕方がない気持ちもあるんじゃないだろうか。その重い秘密を抱えたまま刑期を終えて、死んだ姉の妹である妻と、その子供のもとに戻り、幸せに暮ら

連続ドラマW 東野圭吾「さまよう刃」

WOWOW開局30周年記念。犯罪小説史に残る、東野圭吾、170万部超えの問題作を連続ドラマ化。彼の行動は是か非か。すべての者に突き付けられる、現代日本の罪と罰。 映画版、韓国リメイク版共に観たので、ドラマ版も鑑賞。 観る方によってさまざまな感情を抱き、思う所があるでしょう。 私は個人的に、ドラマ版が一番丁寧に描かれていると感じながら観ました。 竹野内豊さんの演技も素晴らしかったです、1シーンでは恐らくOK出るまでもがき苦しみながらむせび泣くシーンを撮ったと思うのですが、まる

ブラックペアン

原作:海堂 尊 「新装版 ブラックペアン1988」(講談社文庫)と言う事で、この雰囲気なんかどこかで・・・調べたら『チームバチスタの栄光』の著者でした、なるほどね。ただ作り方は日曜劇場のせいなのか、半沢直樹や下町ロケットをかなり意識した印象を受ける。 しかし、二宮さんがとても上手くて、まぁもともと芝居が上手い方だなと感じていたのですが、この作品での役がかなりいい感じなんですよね、気張らずサラッと演じてる、それでいてどこか愛らしさがあって。 内容としてはスリリングさはあまり

向こうの果て

松本まりかさんを使えばなんとかなるだろうって言う、彼女頼りな印象も受けたが、確かに彼女だから出来た画面とも言える。とは言え、毎回、松本まりかと言えばこの演技と言う感じもするので、逆に松本まりかに物語を寄せた様にも見える。 煙草をくわえる2秒ほどのスローで、口元を歪ませて煙草を下唇から少ししゃくれ気味にくわえ込むような品のない吸い方が素晴らしかった。 暴力シーンではヒールのつま先が当たらないように、ローキック気味に蹴っていたのは残念だった。しかも割と綺麗なフォームのローキッ

イシナガキクエを探しています

こんな番組テレ東でしかできないんじゃないか?と思う程の作品。 投げっぱなしではないが投げっぱなしにも感じる。 明確な答えが出ないので、考察が必要になって来るのですが、 この手の作品に慣れていなければ苦痛となり、途中で止めるでしょう。 慣れていても、引き込まれるけれど結構辛い。 徐々にヒントが出てくる感じはたまらなくぞわぞわしてくるのですが、それもやはり自分で考察するからこその怖さであり、なんとなく見ていたら訳が分からない拷問のような作品。 この薄気味悪さ、個人的に嫌いでは

この動画は再生できません

Amazonプライムで、ずっとエラーで『この動画は再生できません』と書かれていると思い、しばらく放置していた作品。 聞けば会社の同僚も未だにエラーだと思って観ていないとの事で笑いました。 さて、この作品お笑い芸人さんがドーンとビジュアルとして出ているので、クソつまらないと思いきや、これがドラマにしては圧倒的に面白い。最初に言っておきますが『心霊現象』を期待して『怖がりたい』と思うのなら手を出さない方がいい。 もちろん心霊的な要素はありますが、この作品の面白みは『紐解き』で

正体

不自然さに違和感を感じる事は多々あれど、一本筋の物語としてはとても面白く観られました。 テーマが冤罪なので、主人公の行動が何を意味しているのかが分かりやすいけれど、別に謎解きではなく、行く先々で人助けをして行く主人公の最後の大逆転を願う作品です。 全4話ですが内容はとても充実していて、一気に楽しめるテンポの良さも魅力です、そしてなにより亀梨さんの演技が素晴らしい。

5人のジュンコ

誰が犯人なのか、真実は? 王道的な展開だがグイグイ引き込むチカラがある。 恐怖支配される者、復讐者、嫉妬・・・ 全員不幸で暗い画面と展開なのに先が気になって仕方がない。 不幸不幸不幸不幸不幸不幸不幸、不幸のデパートです。 劇中で出てくる一言で謎に気が付いてしまったのは自分として失敗。 でも気づかせてしまう一言を出す方が悪い(笑 松雪泰子さん、小池栄子さんと言う好きな女優さんが揃っており、画面にとても説得力があるのに、ミムラさんがひっくり返す程の大きな波を起こし、他の女優さん