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あなたは今日「真実」を選んだか?【映画から考える理想郷#3】
こんにちは、Studio Topitaです!
私たちは理想郷を本気で「想像」「創造」するサークルと称し、毎月テーマを決めて語り合い、議事録をアップロードしています。
ぱっと聞いただけでは「?」かもしれませんので、どうぞ是非、自己紹介をご一読いただきたいです。
(常連さんは、いつもありがとうございます!)
Studio Topia 2月
第2回「あなたは今日「真実」を選んだか?」
映画というフィクションをきっかけに、社会について想像し、理想を考えてみたい。
その思いから、映画を元に語り合っています。
今回は、1999年に公開された『マトリックス』を鑑賞し、話し合ってみました。20年前の映画ではあるものの、仮想現実、メタバース、VR、真実と幻想、自由…などなど、今まさに私たちの生活に大きく関わるテーマであり、今見ても変わらず面白いことは、みなさんも承知のことと思います。
一方で、技術が進歩し、あの世界が現実味を帯びた時代だからこそ思うことがあるのも確か。
『マトリックス』の世界の違和感、そしてそこから考える、今の世界に必要なものを考えてみました。
あらすじ
ニューヨークの会社でしがないコンピュータプログラマーとして働くトマス・アンダーソンには、裏世界の凄腕ハッカー“ネオ”というもうひとつの顔があった。ある日、“ネオ”はディスプレイに現れた不思議なメッセージに導かれるまま、謎の美女トリニティと出会う。そして彼女の手引きによってある人物と接見する事になった。その人物とは、電脳世界ではもはや伝説と化しているモーフィアスという男。モーフィアスは“ネオ”に告げる。この世界は現実ではない、と……。
議事録
あなたは「真実」を選びますか?
『マトリックス』を観たことがある人なら、誰でもつい考えてしまう2択。
「赤い薬を飲むか、青い薬を飲むか」。
赤い薬を飲めば、違和感を感じている現実世界の「真実」を知ることができる。一方で、青い薬を飲めば、「真実」を知ることはなく、元の生活に戻ることができる。
「真実」は気になるけれども、それが果たして幸せに繋がるかどうかはわからないし、だったら今この生活を続けても良いし、でもやっぱり真実って気になるし…と迷ってみたことのある方も多いのではないでしょうか。
今回のStudio Topiaも、このお決まりの質問からスタートしました。
そして、みんなで悩みました。笑
知的好奇心を抑えられずに真実を知ってみたい一方、それがどれだけ悲惨なものかもわかりません。さらには、「真実」だと目覚めた世界もまた「真実」の世界か分からない可能性もあります(胡蝶の夢、ですね!)。その時、真実を求めることには、どれくらいの意味と価値があるのでしょうか。
一方で、先週の記事↓ではありませんが、「真実がない」と言われる時代だからこそ、逆説的に真実を求めてしまう時代だという指摘もされました。
我々は毎日選んでいる
さて、そんなふうに「赤を飲むか青を飲むか」と突き付けられると悩む我々ですが、実を言ってしまえば、毎日「赤か青かを選んでいる」のではないか、という話にもなりました。
日々生きる中で、「赤(真実を知る)青(真実を知らない)」のどちらを取るかを迷うことがある、あるいは、そこに「赤と青の選択肢」があることを知りながら知らないふりをしているか、そういったせめぎ合いがある、というのです。簡単な例で言えば、残酷な真実を知ることになるとしても、テレビをつけてニュースを観てみるか、見ないことにするか、それともその選択肢があることすら知らないふりをするか、などが挙げられるかもしれません。
もちろん、どちらが正しいと言い切ることはできず、ずっと同じ色ばかり飲み続ける必要があるわけでもありません。ただ、実際のところ、毎日選び続けているのかもしれませんね。
今日は何色の薬を、どれくらい飲んだでしょうか。
秩序vs自由
さて、そのようにして日々選択をしている我々人間ですが、その中でも特にどちらを取りやすいか、という傾向があるように思われます。『マトリックス』の中では、真実を知り、自由を目指そうと一貫して進みつづけるネオらと、一方でマトリックスを保守し続けようとする者もいるわけです。
『マトリックス』の世界では、ネオらが良い目的を持った人々と描かれるわけですが、現実世界に翻って考えた時、それは果たして完璧に良い人々といえるでしょうか。例えば、今生きている世界が仮想現実だとして、それを良しとする人もいる中、「こんな世界はおかしい!」といってぶち壊しにくる人がいる状況です。
どちらが正しいかはまたしても言い切れず、言ってしまえば「どちらも大事、何事もバランスですね」ということなのですが、とはいえその対立は非常に大きく、何もしなければ無意味に争いが生まれかねません。
会では「完璧な理想郷に住むことに意味はない。理想郷を目指し続けることに意味がある」という、このStudio Topiaの理念ともいえる言葉も出てきましたが、まさにどのようにして理想郷を目指し続けるのかを考えたいところです。次回以降の課題となりそうです。
まとめ
今回は、『マトリックス』の中から、テーマを取り出して順番に話していくような形になりました。
今回いちばん盛り上がったと言っても良いのは、「秩序を守ろうとする人も、秩序を良しとしない人もいる」という話。その対立があるなかで、どのようにして良い社会を目指していけるのか、という話でした。
次回は、保守とリベラルが対立するような映画を見ることで、その答えに近づいて行きたいという話になりました。
面白かった意見
・メタバースの世界に住んでみたい!
『マトリックス』みたいに超人的な能力を使えるなら丸ごと体験したい!!
・資源に限りがない仮想現実で、人はどうなるか?
現在、地球環境保護や労働力不足、など多くの社会問題が叫ばれ、SDGsなどが重要視されているが、もしもメタバースの世界になり、資源に限りがなくなったら人はどのように行動するのか?いけいけどんどんに戻るのか、一度染み付いた倫理観は変えられないか。
→なんだかんだ、一度倫理観が壊れた後、元に戻りそう。
・「間違い」という概念は無くなってはいけない
多元的真実が叫ばれる時代。誰の言っていることもある視点からは正しい、と思われるようになると、「これは間違っている」と確実に言い切ることもできなくなってしまうのかもしれない。例えば、人を欺くことも「とある視点からは正しいことだ」と言われてしまうのか。それでは良くないと思う。
編集後記
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は『マトリックス』を鑑賞し、話し合ってみました。
20年前には夢のようだった技術も、今や当たり前、現実味のあるお話になっていることに、とても驚きました(とはいえ、公開ごろに生まれているので、当時のことは覚えていませんが!)。
そして、その世の中で起こりうることが、まさに今起こるかもしれず、それについて色々と思いを巡らせてみると、案外考えなければいけないことってたくさんあるのでは?と思わされました。
今回「メタバース」など仮想現実に関しては、記事から落ちてしまったところも多いですが、またどこかでじっくり話し合いたいものです。
今回は主人公たちの行動に難癖つける部分もあり、「物語にケチをつけるな」というご意見もあるかもしれませんが、まあ物語は物語として楽しみつつ、時にはクリティカルに向き合いつつ、理想の社会を考えて行けたら良いなと思います。
『マトリックス』は言うまでもない人気作で、お気に入りの映画だという方も多いのではないでしょうか?感想やご意見、ぜひコメントお待ちしています☺️
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Studio Topia 2月テーマ「映画から考える理想郷」
第2回「あなたは今日「真実」を選んだか?」
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