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FP&Aを主題とした書籍を出版します。

今月(2022年7月)、中央経済社から書籍を出版することになりました。

「管理会計担当者の役割・知識・スキル ービーンカウンターからFP&Aビジネスパートナーへの進化ー」

これは、私が大学院博士課程の4年間の間に研究を重ね、博士論文にまとめたものです。研究書として牧誠財団の助成金をいただき、中央経済社から出版することができました。研究書ではありますが、大学の管理会計研究者だけではなく、企業の経理・財務・経営企画、事業企画・事業管理などの方々にも読んでいただきたいので、読みやすい書籍となっています。

書籍の内容は次の通りとなっています。Amazon等で購入できるようになっています。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4502428116/honnoinfo-22/

第1章 本研究の背景と目的 

  • 海外先進国では、CFOが全社の経営管理・管理会計を担当しているのが通常である。

  • 日本企業では、管理会計を担当する一つの部門がない。経理・経営企画・事業管理等、さまざまな部門で担当されている。CFOがいても、経理財務しか担当していない場合が多い。これは、海外先進国では見られない日本の特徴である。

  • 日本企業にCFOを置き、経営管理・管理会計を総合して担当させると、利益率を始め、企業価値向上に貢献できるのではないか。

第2章    管理会計担当者(FP&A)についての概念整理

  • CGMA、IMA, AFPなど、海外には管理会計担当者を支援する団体があり、管理会計担当者の社会的地位を高めている。そのような団体が発行しているガイドなどを参照して、管理会計とは何か、管理会計担当者(FP&A)の役割は何かを紹介する。

  • 管理会計担当者(FP&A)のためのコンピテンシーフレームワーク

  • 米国企業のFP&Aの活動事例

  • P&Gのファイナンス部門の役割、組織、キャリア育成、などの事例

  • ビジネスパートナーの役割の定義 → 予算管理をするだけが管理会計業務ではない。計画段階から入り込み、中計・予算を決め、それを実行して達成する。さらに事業の日々の意思決定の質を高めることが期待される。

第3章 日本企業の管理会計担当者の役割と海外先進国との比較

  • 海外文献をもとに米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアにおける管理会計担当者のビジネスパートナーとしての役割変化を概観した

  • 日本企業の管理会計担当者はだれか?

  • 日本企業における、CFOが管理会計全般を掌握していないという特徴は、海外先進国の中でも特殊な状況であることがわかる。

第4章 日本企業における管理会計担当者(経理財務・経営企画)

  • 日本企業の経理財務部門の特徴と実例を挙げる。日本企業の経理財務部門はコントロール機能を持たない。海外のようにビジネスパートナーの役割を果たそうとしても、組織・権限の状況から難しい。

  • 日本企業の経営企画部門の特徴と実例を挙げる。経営企画部門は日本独自の組織であるが、それはどのように作られたのか。現在の経営企画部門が持つ課題は何か。

第5章    管理会計担当者の役割変化を促進・阻害する要因

  • 海外では、1990年代に管理会計担当者(経理)が、ビジネスパートナーの役割に変化し始めたと言われている。その契機はなんだったのか。海外論文より事例を紹介する。事業環境の変化、業績の落ち込み、経営者・CFOのリーダーシップ、管理会計担当者本人の事業に貢献しようとする意欲の高まりとスキルの向上などがある。

  • 日本企業でもそのような契機が起こった場合、日本でも管理会計担当者のビジネスパートナーとしての役割変化は起きるのであろうか?そもそも事業部門に会計専門家でない計数管理担当者が多くおり、経理担当者は事業に入り込めないという日本だけの特殊事情をどう克服すればよいのだろうか。

第6章    日本企業の管理会計担当者の役割・知識・スキル,貢献知覚

  • 日本企業に対して行った質問紙調査の結果を考察する。日本企業の主に経理・経営企画の方々に対する調査結果である。

  • 日本企業の管理会計担当者の役割に変化はみられるのか?

第7章 事業部門の管理会計担当者を対象とした調査

  • 日本企業A社は、事業部門の管理会計担当者をFP&AとしてCFO組織に含める組織改革を行っている。A社の管理会計担当者の役割変化は起こっているのか?A社に対して前章と同じ調査を行った。

第8章    本研究のまとめと今後の課題

  • 本書のまとめとなる。日本企業においても、事業業績の向上に貢献する意欲を持つ管理会計担当者がいることがわかっている。

  • 実際にCFOの下に管理会計担当者をまとめ上げ、事業を理解してビジネスパートナーの役割を果たすFP&Aにするための6つのステップを提案する。

    1. トップによる明確な目的の設定

    2. 企業の経営管理組織変更

    3. 管理会計担当者の組織・人材育成

    4. 管理会計担当者の役割の明確化

    5. 効果的で効率のよい計画・業務プロセスの整備

    6. トップ・CFO組織の継続的コミットメント

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