【身体の健康】シリーズ Vol.5 「日々の睡眠は ”布の温泉” :安眠体験談」 前編 (No.0064)


 昔から肉体労働や立ち仕事ばかりだったので20歳そこそこで既に睡眠に興味が湧いていました。
マッサージなどのお金や手間のかかる疲労への対処は生理的にも合わないため、もっとシンプルな方法をと探した結果が眠ることだったのです。

当時、低反発ブームがあったため、私もドンキ・ホーテで1万円くらいの低反発マットレスを買いました。
アルバイトの私にはなかなか充分な価格でしたが、長く使えば充分に元が取れると考えたのです。

しかし、使った方ならおわかりでしょうが、これは酷いシロモノでした。
完全に失敗しました。

まるでマシュマロのようにシットリとした粘りのあるクッションのおかげで、起きても自分の形の跡が残るほどの独特なものでした。
その何処までも沈んでいく感覚は確かに面白く、自分の背中の形にビッチリとハマったままの睡眠は他では経験できないものでした。

ですが、そんなのもわずか数日で終わりを迎えます。
マシュマロのようなクッション性はすぐにヘタり出しました。
粘りが無くなり、ただのクッションになってしまうのです。

また、この材料は熱いと溶けるように柔らかくなり、寒いとガチガチに固まる性質があります。
ですから、冬場は自分の体温でジンワリと溶けていく感覚がありましたが、気温が上がりだすとコンニャクみたいにダランと溶けたままになります。
横になっても何の抵抗も無く身体がただ沈んでいくだけです。
ある程度の支えがあって安定した寝姿を確保できるのに、抵抗が全く無いので底付き感が生まれ普通の布団より寝苦しくなりました。

そして残念なことに、これは凄まじく湿気を持つのです。
一切の通気性がありませんから、寝汗も凄くて、暖かくなる季節というか、真冬以外は全く使い物にならないほど暑くて耐えられないものです。
スポンジと接触してる肌の部分は寝汗とスポンジの熱で不快感が酷く、汗疹も出来ます。

ですが、干すことが出来ないのです。

何故なら、まず物凄く重いことです。
普通の物干し竿なら折れかねない程に重いです。男でも持って移動させるのは苦痛です。
何しろ、コンニャクのようにダランとしているので凄く持ちづらいのです。
独特のスポンジ素材なので紫外線に当てると変色したり劣化もしかねません。

そして何より、耐久性がありません。
これだけ重たいのに耐久性が全然なく、すぐに重くて湿気のこもるダラけたスポンジに変わります。

さらに腹の立つことに大変捨てづらいものでした。
物凄く重いのですが、腰が一切ないので立てかけたりも出来ないしまとめることも難しかったです。
強引に折りたたみガムテープで巻いて固定した記憶がありますが、それでもダラリと垂れ下がり、粗大ごみに出す日までうっとおしかった記憶があります。

同じように低反発枕も結局無駄でした。暑くて寝られたものではありませんでした。


その後も寝具はいくつも失敗を重ねつつ色々調べたりしました。

また、眠るスペースを工夫して狭いアパートを快適に過ごそうとも考え、ロフトつきのアパートでロフトを寝室にしたこともありました。

しかしこれもまた経験した人はおわかりでしょうが、最悪です。

絶対にしないことをオススメします。


普段は気にしている方は少ないでしょうが、日本の木造建築は隙間があったりしますが、最近の家は密閉性が高いのでそのままでは風が通りません。
そのせいで、実は「酸欠」になるのです。

どの家でも、アパートでもそうですが、定期的に窓を開けて換気することが必要です。
しかし、このロフトというやつは風が通りづらく酸欠になりやすいのです。
やや大げさかも知れませんが、酸素は比重的に重いので下にたまりますので、必然的に上に存在するロフトはどうしても酸欠になりやすいのです。

やったらわかりますが、ロフトで寝ると喉をやられます。咳が出たり寝苦しかったりするのですが、それは空気が濁りやすく酸素が薄くなるためだと思います。
ちなみにその理屈で言うと二段ベッドの上階も当てはまりますが、実際に二段ベッドも上の段は悪い空気で呼吸器がやられやすいです。

きちんと換気をしたり、下から扇風機などで空気をかき混ぜるなどすれば違いますが、それを常に365日続けるほど几帳面な人ならば、ロフトで寝るなんて生活はしないでしょう。


このような事を貧しい生活の中でコツコツと続けていった結果、いくつかの事に気づきました。

1:換気が大事。
2:寝具は敷布団、もしくはマットレスが全て。
3:上にかけるものは殆ど何でも良い。
4:枕が大事は嘘。枕なんて結局一番安いパイプ素材が完璧。

と、いったことに気づきました。


後編につづく


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