見出し画像

[生理学] 発熱のメカニズム

前回の[生理学]では高体温について書きました。

今回は発熱について。

何で熱は上がるの??

という点で書いていきます。

発熱のメカニズム

“細菌感染などにより発熱がおこり体温が上昇”

これは破壊された細菌の菌体成分が、
発熱物質(外因性発熱物質)として作用するため。

外因性発熱物質
→微生物(病原菌)・産生物(毒素等) 

白血球からも発熱物質(内因性発熱物質)が放出されます。

内因性発熱物質
→サイトカイン∶IL-1・ IL-6・TNF・CNTF・MIP-1

炎症などに際しては、組織の破壊産物も発熱物質として作用し、
発熱物質は血流に乗って視床下部に達し、
最終的な発熱物質であるプロスタグランジン E2(PGE2) を遊離し、
これが体温調節中枢のセットポイントを上昇させる。

セットポイント


体温調節中枢(視床下部)の体温のレベル設定
→体温がそのレベルになるように調節される。

設定レベルより低い場合
・震えなどで熱産生を増加させる
・皮膚血管の収縮で熱放散の減少

設定レベルより高い場合
・皮膚血管の拡張や発汗
 →熱放散が増大
 →体温が低下
 

生体の反応

セットポイントが上昇すると、
それまでの体温では相対的に低すぎることになり、
体温調節中枢は体温がセットポイントに来るように調節を行う。

寒気(悪寒) → 震え → 熱産生を増加(戦慄)
→ 皮膚血管収縮 → 熱放散減少(顔色が悪くなる)

体温がセットポイントに達すると、これらの症状は消失

解熱

これまでの流れとは逆です。

発熱物質の消失や解熱剤の投与によってセットポイント低下
 
すると、体温はセットポイントよりも相対的に高いため、
発汗や皮膚血管拡張にて熱放散が増加して体温が低下します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?