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【ぼっちへの備え #2(全3回)】メンタルヘルスがヤバい!"ぼっち化"が日本を蝕む

前回は、SNSの普及と孤独感の関係、そして日本社会における「ぼっち化」の実態について見てきました。今回は、この「ぼっち化社会」がもたらす具体的な影響と、それに対する対策について深掘りしていきましょう。

「ぼっち化社会」がもたらす影響

1. メンタルヘルスの悪化

まず最も懸念されるのが、メンタルヘルスへの影響です。厚生労働省の調査によると、社会的孤立は抑うつや不安障害のリスクを高めることが分かっています。
※出典:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査の概況」、URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf

特に若者世代において、この傾向が顕著です。就職氷河期世代の研究でも明らかになっていますが、社会的なつながりの欠如は、長期的に見て個人の幸福度や生活満足度を大きく低下させる要因となります。


2. 経済への影響

「ぼっち化」は個人の問題だけでなく、経済全体にも大きな影響を与えます。PwCの報告によると、孤独や社会的孤立は労働生産性の低下や医療費の増加、さらには消費の減少などを通じて、経済に深刻な影響を及ぼしています。
※出典:PwC「孤独・社会的孤立に係る統計、言葉の定義と社会的影響力」、URL:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/social-isolation.html

これは、「ぼっち化」が個人の問題を超えて、日本経済全体の足かせとなっていることを示しています。


3. 社会の分断

さらに深刻なのは、社会の分断です。「ぼっち化」が進むと、異なる価値観や背景を持つ人々との交流が減少します。
これは、社会の多様性を損ない、偏見や差別を助長する可能性があります。実際、内閣府の調査によると、社会的孤立度が高い人ほど、他者や社会に対する信頼度が低いという結果が出ています。
※出典:内閣府「令和3年度 社会意識に関する世論調査」、URL:https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-shakai/index.html

対策:「つながり」を取り戻すために

では、この「ぼっち化社会」にどう立ち向かえばいいのでしょうか? いくつかの視点から考えてみましょう。

1. デジタルデトックスの推進

まず提案したいのが、「デジタルデトックス」の推進です。SNSやスマートフォンから意識的に距離を置く時間を作ることで、リアルな人間関係を見直す機会を作ることができます。
総務省の調査によると、デジタルデトックスを実践している人は、そうでない人に比べてストレスレベルが低く、生活満足度が高いという結果が出ています。
※出典:総務省「令和2年度情報通信白書」、URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd123200.html

2. コミュニティの再構築

次に重要なのが、リアルなコミュニティの再構築です。地域や職場、趣味のサークルなど、face to faceの関係性を築ける場を意識的に作っていく必要があります。
例えば、経済産業省が推進する「地域未来牽引企業」の取り組みは、地域コミュニティの活性化と経済発展を同時に目指す良い例と言えるでしょう。
※出典:経済産業省「地域未来牽引企業」、URL:https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html

3. 教育システムの見直し

長期的な視点で見れば、教育システムの見直しも重要です。単なる知識の詰め込みではなく、コミュニケーション能力や共感力を育む教育が必要です。文部科学省も「社会に開かれた教育課程」を提唱していますが、これをさらに推し進め、学校を地域コミュニティの中心として位置づける取り組みが求められます。
※出典:文部科学省「社会に開かれた教育課程の実現」、URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm

「つながり」の質を問い直す

ここまで「ぼっち化社会」の影響と対策について見てきましたが、最後に一つ重要な視点を提示したいと思います。
それは、「つながり」の質を問い直すということです。確かに、社会的孤立は問題です。しかし、ただやみくもに「つながり」を増やせばいいというものでもありません。むしろ、私たちに求められているのは、「質の高いつながり」を築く能力ではないでしょうか。質の高いつながりとは、お互いを深く理解し、支え合える関係性のことです。それは時に衝突や摩擦を伴うかもしれません。
しかし、そういった過程を経て初めて、本当の意味での「つながり」が生まれるのではないでしょうか。

まとめ:個人の意識改革から社会変革へ

「ぼっち化社会」の問題は、個人の努力だけでは解決できません。社会システムの見直しや、価値観の転換が必要です。
しかし同時に、一人一人が自分の「つながり方」を見直すことも重要です。SNSでの「いいね」に一喜一憂するのではなく、リアルな関係性の中で自分の価値を見出す。そんな意識改革が、ひいては社会全体の変革につながっていくのではないでしょうか。
次回は、この「ぼっち化社会」の先にある未来について、さらに踏み込んで考察していきます。


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