貴舩 和也(キフネ カズヤ)

■山口県岩国市生まれ ■不妊治療を経て3児の父 ■不妊治療の経験を通して感じた課題を解…

貴舩 和也(キフネ カズヤ)

■山口県岩国市生まれ ■不妊治療を経て3児の父 ■不妊治療の経験を通して感じた課題を解決すべく、ウェルビーイングに関する情報を発信

最近の記事

【ぼっちへの備え #3(全3回)2030年、テクノロジーと孤独の未来図】

前回までで、「ぼっち化社会」の実態とその影響、そして対策について見てきました。最終回となる今回は、この問題の根底にある構造的な課題と、「ぼっち化社会」の先にある未来について、さらに踏み込んで考察していきましょう。 「ぼっち化」を促進する社会構造1. 労働環境の変化まず注目したいのが、労働環境の変化です。総務省の労働力調査によると、非正規雇用の割合は2021年時点で約37%に達しています。 ※出典:総務省「労働力調査(詳細集計)」、URL:https://www.stat.g

    • 【ぼっちへの備え #2(全3回)】メンタルヘルスがヤバい!"ぼっち化"が日本を蝕む

      前回は、SNSの普及と孤独感の関係、そして日本社会における「ぼっち化」の実態について見てきました。今回は、この「ぼっち化社会」がもたらす具体的な影響と、それに対する対策について深掘りしていきましょう。 「ぼっち化社会」がもたらす影響1. メンタルヘルスの悪化まず最も懸念されるのが、メンタルヘルスへの影響です。厚生労働省の調査によると、社会的孤立は抑うつや不安障害のリスクを高めることが分かっています。 ※出典:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査の概況」、URL:https:

      • 【ぼっちへの備え #1(全3回)】SNSの罠:つながりすぎて孤独になる日本人

        皆さん、こんな経験ありませんか? LINEの既読スルーに胃が痛くなったり、Instagram のフォロワー数に一喜一憂したり。そう、私たちは今や、スマホの中の人間関係に振り回されているんです。でも、ちょっと待ってください。本当の「つながり」って、こんなものだったでしょうか?今回は、日本社会で進行する"ぼっち化"の実態に迫ります。SNSの普及で、私たちはますます「つながっている」はずなのに、なぜか孤独を感じる。この矛盾した状況の裏に何があるのか、データを元に紐解いていきましょう

        • 【ゆとり教育を再考する #3(全3回)】未来の教育モデル - AIと個別最適化が変える学びの形

          これまで見てきたように、日本の教育には機会均等の問題が存在します。しかし、テクノロジーの進化が、この問題に新しい解決策をもたらす可能性があります。 特に注目したいのが、AIを活用した個別最適化学習です。 例えば、米国のKnewton社が開発したAI学習システムは、生徒一人一人の学習パターンを分析し、最適な教材を提供します。このシステムを導入した大学では、数学の成績が平均15%向上したという報告があります。 ※出典:Knewton URL: https://japan.

        【ぼっちへの備え #3(全3回)2030年、テクノロジーと孤独の未来図】

          【ゆとり教育を再考する #2(全3回)】教育格差の実態 - 家庭の経済状況が学力に与える影響

          前回、日本の教育における重要な課題の一つが「教育の機会均等」にあることを指摘しました。今回は、この教育格差の実態をより詳しく見ていきましょう。 OECDのPISA調査(2018年)によると、日本の生徒の学力と家庭の社会経済的背景との関連性は、OECD平均とほぼ同程度です。 ※出典:OECD, PISA 2018 Results (Volume II): Where All Students Can Succeed URL: https://www.oecd.org/pu

          【ゆとり教育を再考する #2(全3回)】教育格差の実態 - 家庭の経済状況が学力に与える影響

          【"ゆとり教育"を再考する #1(全3回)】ゆとり教育の意外な効果 - PISAデータが示す真実

          「ゆとり教育で日本の学力は落ちた」 この「常識」、実は完全に間違っているかもしれません。OECDが実施しているPISA(国際学習到達度調査)のデータを見てみましょう。 2000年(ゆとり教育開始直後)と2018年(ゆとり教育世代が15歳の時)を比較すると: 読解力:522点 → 504点 数学的リテラシー:557点 → 527点 科学的リテラシー:550点 → 529点 ※出典:OECD, PISA 2018 Results (Volume I): What St

          【"ゆとり教育"を再考する #1(全3回)】ゆとり教育の意外な効果 - PISAデータが示す真実

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #3(全3回)】若者の期待に応える - 企業が今すぐ始めるべき5つの施策

          これまでの2回で、若者の離職率の実態や、エンゲージメントの現状について見てきました。今回は、企業が若い世代の期待に応え、エンゲージメントを維持・向上させるためにどのような施策を取るべきか、具体的に見ていきましょう。 全国就業実態パネル調査2024のデータを参考にしつつ、若者が「すぐやめる」ように見える背景には、以下のような要因があることがわかりました: キャリアの不安定さ 将来への不安 仕事の満足度とのギャップ 柔軟な働き方へのニーズ 成長への渇望 これらの要因

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #3(全3回)】若者の期待に応える - 企業が今すぐ始めるべき5つの施策

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #2(全3回)】エンゲージメントスコアが明かす世代間ギャップ

          前回は、若者の離職率が実は昔とあまり変わっていないという意外な事実を見てきました。今回は、「エンゲージメント」という視点から、日本の働き方の課題を探っていきます。 まず、エンゲージメントとは何でしょうか? 簡単に言えば、従業員の仕事に対する熱意や愛着のことです。エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して積極的で、組織の目標達成に向けて自発的に行動する傾向があります。 Gallup(ギャラップ社)の「State of the Global Workplace: 2024

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #2(全3回)】エンゲージメントスコアが明かす世代間ギャップ

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #1(全3回)】"すぐやめる若者"の実態 - データが語る意外な真実

          「最近の若者はすぐ辞める」なんて言葉、よく耳にしませんか?特に経営者や人事部門の方々にとっては、頭の痛い問題かもしれません。でも、ちょっと待ってください。本当にそうなんでしょうか? 今日から3回にわたって、この「すぐやめる若者」説について、データを使ってじっくり掘り下げていきたいと思います。 まずは、退職率のデータから見ていきましょう。 厚生労働省が2023年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2020年3月卒業者の3年以内離職率は、大卒で32.3%、

          【若者と働き方の真実 ~データが語る3つの視点~ #1(全3回)】"すぐやめる若者"の実態 - データが語る意外な真実

          【ワークライフバランス指数 #5/5】日本型ワーク・ライフバランスの未来

          これまで、日本のワーク・ライフバランスの現状、その歴史的背景、世界の先進事例、そしてテクノロジーの影響について見てきました。これらの知見を踏まえて、日本型ワーク・ライフバランスの未来像を探ってみましょう。 ※参考 OECD Better Life Index 変わりゆく日本の労働環境まず、日本の労働環境が大きく変化していることを認識する必要があります。 人口減少と高齢化 日本の生産年齢人口(15〜64歳)は2020年の7,449万人から、2040年には5,978万人に減

          【ワークライフバランス指数 #5/5】日本型ワーク・ライフバランスの未来

          【ワークライフバランス指数 #4/5】テクノロジーとワーク・ライフバランス:両刃の剣か?

          デジタル技術の進歩は、私たちの働き方を劇的に変えつつあります。特に2020年以降、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に普及し、多くの人がテクノロジーを駆使した新しい働き方を経験しました。しかし、このテクノロジーの進化は本当にワーク・ライフバランスの改善につながっているのでしょうか?今回は、テクノロジーがワーク・ライフバランスに与える影響について、プラスとマイナスの両面から考えてみましょう。 ※参考 OECD Better Life Index テクノロジ

          【ワークライフバランス指数 #4/5】テクノロジーとワーク・ライフバランス:両刃の剣か?

          【ワークライフバランス指数 #3/5】世界のワーク・ライフ・バランス先進国に学ぶ

          前回までの記事で、日本のワーク・ライフバランスの現状と、その歴史的・文化的背景について見てきました。今回は視点を変えて、ワーク・ライフバランスが優れている国々の事例を見ていきましょう。彼らの取り組みから、日本が学べることは何でしょうか? ※参考 OECD Better Life Index ワーク・ライフバランス先進国とは? まず、「ワーク・ライフバランス先進国」とは何を指すのでしょうか。OECDのベター・ライフ・インデックスによると、ワーク・ライフバランスの評価

          【ワークライフバランス指数 #3/5】世界のワーク・ライフ・バランス先進国に学ぶ

          【ワークライフバランス指数 #2/5】なぜ日本人は働きすぎ?その歴史と文化的背景

          「働き方改革」が叫ばれて久しいですが、日本人の長時間労働の習慣は一朝一夕には変わらないようです。前回の記事で見たように、日本の労働時間はOECD諸国の中でもトップクラス。でも、なぜ日本人はこんなにも働きすぎなのでしょうか?今回は、その歴史的・文化的背景に迫ってみます。 ※参考 OECD Better Life Index 明治維新からの「追いつけ追い越せ」精神日本の「働きすぎ」の起源は、意外にも明治時代にさかのぼります。1868年の明治維新以降、日本は急速な近代化を

          【ワークライフバランス指数 #2/5】なぜ日本人は働きすぎ?その歴史と文化的背景

          【ワークライフバランス指数 #1/5】まだ、日本のワークライフバランスは世界に水をあけられている

          近年、「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をよく耳にします。しかし、日本の労働環境は本当に改善されているのでしょうか。 今回は、OECDの最新データを用いて、日本のワーク・ライフバランスの現状を世界と比較し、その課題と可能性について考察してみましょう。 ※参考 OECD Better Life Index  日本人の長時間労働の実態まず、注目すべき数字があります。OECDのデータによると、週50時間以上働く「超長時間労働者」の割合は以下の通りです:

          【ワークライフバランス指数 #1/5】まだ、日本のワークライフバランスは世界に水をあけられている

          【世界幸福度レポート #5】認知症と幸福度: 予防と共生のための新しい視点

          こんにちは! 「認知症になったら、幸せな人生なんて送れない」 そんな風に思っていませんか?確かに、認知症は怖い病気です。でも、最新の研究によると、認知症と幸福度の関係は、私たちが思っているよりもずっと複雑で、希望に満ちたものなんです。 World Happiness Report 2024の最新データを元に、認知症と幸福度の意外な関係、そして私たちにできることを探っていきましょう。 ※参考 World Happiness Report 2024 意外な発見:幸福度が高

          【世界幸福度レポート #5】認知症と幸福度: 予防と共生のための新しい視点

          【世界幸福度レポート #4】高齢者の幸福度: インドの事例から学ぶ

          こんにちは! みなさん、「人生100年時代」って言葉、よく聞きますよね。でも、長生きすれば幸せになれるんでしょうか? 実は、この疑問に対する興味深い答えが、インドの高齢者を対象にした最新の調査で明らかになってきたんです。World Happiness Reportの2024年版に掲載されたこの調査結果、なかなかビックリする内容なんですよ。 ※参考 World Happiness Report 2024 インドの高齢者、意外にも幸せ?まず、調査結果の概要から見てみましょう

          【世界幸福度レポート #4】高齢者の幸福度: インドの事例から学ぶ