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落葉集

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2023年7月の記事一覧

デカルトの『方法序説』を高校生の時以来、数十年ぶりに読んで、これは、勉強の哲学だと思った。いや、明らかにそうしたことが書いてあるのだが、当時はそうは読めなかった。勉強のことが書いてあるのは分かっていたが、説教臭い本だと一蹴したと思う。今読むと、正に、方法、が書いてあるのが分かる。

世界を私事として掴むこと、それに入ること、

酒に酔って酒の蘊蓄を語るAIが出現したとしたら、相手として認めてやってもいいと思わなくもない。

村上春樹の『騎士団長殺し』を全編audibleで聞いたが、大変濃密な経験だった。聞くというのは、朗読者という他者が介在することで、彼の声や朗読の速度、そして読まれる時間に掴まれることなのだ。拘束されると言ってもいい。そのことは読解にも影響する。こちらの勝手な解釈が入り込めない。