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帚木蓬生「沙林 偽りの王国」を読んで

こんばんは。たまった下書きの読書感想文をアップ(汗)2日前に大量アップしようとしていたのに、半分もアップできず(汗)
やっと続きをサクサクとアップしていきます。出来ればたまった下書き、
今日一掃したい(汗)

やはりため込みはよくないですね。
帚木蓬生さんの香子を読み終わって、ふと手に取りました。ちょっと見るとタイトルを見てわからなかったが、サリンの話だったので、読んでみようと思ったのでした。
オウム事件の当時、私は大学生で(年齢バレバレですね💦)94年というと
大好きなF1のアイルトンセナが94年5月。その直前にルワンダの大虐殺、95年1月に阪神淡路大震災があり、同じく95年3月に地下鉄サリン事件。といろいろあり94年、95年はよく覚えていたのもあり、軽い気持ちでこの本を読んでみようと思ったのでした。

内容 ポイント

作者は医者だったということもあり、医学的な内容満載。長野松本市のサリン散布、そして地下鉄サリン事件、オウム真理教への捜査などの際に、警察から医学的助言を主人公が求められ、という内容。オウム真理教への捜査過程で、いろいろな修行中に信者を殺していることがわかってきたら、医学的に可能なのか、というような判断も警察から求められたり。

製造しようとした毒ガス
サリン、VX、イペリット、ホスゲンを製造

銃を製造することを試みる。
自白剤や LSDの製造、ボスリヌス菌、炭疽菌の培養。

松本サリン事件は、裁判官の宿舎をねらった。
当時オウム真理教は裁判中で、判決が出る直前。自分たちに不利な判決が出ることが濃厚だったので、裁判官の殺害を目的にサリンをまく。

感想

サリン事件当時、ニュースをたくさん見て、自分では理解したつもりになっていたが、自分の中で事件の全体像が全く理解していなかった模様。
ワイドショーやテレビ番組にも出演していたオウムの人たちは、なんとなく覚えている。

オウム事件について、この本を読みながら思い出した。教団内で修行として行っていた様々な修行中での殺人の医学的な見地。
修行という名の拷問で死んだ証言が出てきた際の、医学的な見解。
オウム事件に関しては、あまりにも衝撃的な事件だったので、医学的に見る前に思考停止してしまっていた。
サリンなどの毒ガスに関しても、どんな症状がでて、患者が来た場合の救急対応、対処方法など、小説内に対応マニュアルを作成しているのだが、とても興味深かった。
病院内での対処方法、どういう点がポイントなのか、医者、看護師、救急救命師など立場の違う人たちからの視点を加えてのマニュアル作成。
様々な立場、味方、視点が違うと見えるポイント、要所、足りない部分が洗い出されるところが、いろいろな事柄についてもいえるのだろうな、と思いながら読み込んでいました。

小説、というよりは、オウム事件について改めてその恐ろしさを思い出し、実感した小説でした。

読んでとてもよかったです。オウム事件の時、生きていた人も、全然事件を知らない人にもおすすめします。

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manami
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