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〈詩を降りる〉


わたしが詩を降りる?

いや詩語がわたしから離反し剥がれ落ちてゆく?

その瞬間さえも厭わず、耽溺するように

見えなくなる視界に眼を凝らす

発語が同時に結語であるような

言葉の因果は、

あらかじめ詩語の運命(さだめ)とも

されていたはず

かって

美を席巻した

有数の

言葉の骸が

散乱し

腐乱する

花びらの重畳を

踏んで

明日は

麗しい

樹と水と鳥のくにへ

帰る

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