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スティーブのひとりごと

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『スティーブのひとりごと』は、毎日の生活の中で「これは語りたい」と思ったことを、メンバーそれぞれの新鮮な言葉でお届けします。Steve* Magazineは、クリエイティブカンパ…
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記事一覧

「上司と食事会に行ってきた。」

こんにちは、アシスタントの伊藤と持永です。広報の兵頭さんのご友人である桑折さんのご自宅にお招きいただき、みんなでご飯を食べながら親睦を深める会に参加してきました。若手が在籍する五島チーム、木村チームの計9名で、世界各国の料理を堪能してきました。 リモートでのコミュニケーションが多くなった中、こうしたリアルでの食事会は貴重です。このような場で上司たちがどのように振る舞うのか、まだまだ社会人経験の少ない私たち2人は、いい匂いを嗅いでお腹を鳴らしながらも、目を光らせていました。。

大学で教えてくれないことは、東北の居酒屋が答えをくれる。 1時限目「完璧の正体とは」

 夕方から霧雨が降り続いたせいか、いつもはギラギラすぎる数多のネオンが、キラキラくらいには柔らかく見えた。まるで『銀河鉄道の夜』に書かれている夜空に浮かんでいるかのような心地よさを覚えながら霧の中を進むと、なんと、銀河の旅を夢見た小説の主人公、ジョバンニが正面から近づいて来るではないか。一瞬驚いたが、良く見ると単に銀河のようなスーツに身を包んだ客引きの店員だった。  仙台市・国分町。古くから東北一の繁華街として栄えたこの街の、稲荷小路と呼ばれる細い路地。派手な看板が多い国分

丸森時間差遺産 第9話「あたりまえの鉄道」

 ガタンゴトンッ。ガタンゴトンッ。心音のように繰り返す心地よいリズムを感じながら、窓の外を眺める。新車両に切り替わっても変わらない、どこか懐かしいボックスシート。気のせいか、周りの家族連れや若者、おじいちゃんおばあちゃんも穏やかな表情に見える。みんなどこへ行くのかな、なんて想像しながら、久しぶりに乗った電車の魅力を改めて味わっていた。  「あぶきゅう」の愛称で知られる阿武隈急行との出会いは小学生の頃。シンプルな白い車体に描かれた青と緑のラインに一目惚れ。どこを走っていても絵

丸森時間差遺産 第8話「新春初詣ドライブ」

 忙しかった一日。永遠に続きそうな仕事を何とか無事に終えて車で家へ帰る途中、冷え込んできたなと思ったらヘッドライトに白く光るものが反射した。雪である。僕は暗闇をふわりと舞う雪を見ながら、祖父と初詣に行った日のことを思い出した。  昔、野球でキャッチャーをしていたという大柄な体格のイメージとは似つかわしくない、柔らかな物腰の祖父が僕は大好きだった。18歳となり車の免許をとってからは、よく祖父をドライブに誘っていたのだが、断られた記憶が無く、いつも喜んで時間をとってくれた。悩ん

丸森時間差遺産 第7話「ある散歩の想い出」

 休日にはよく散歩をする。と言うと、周りの人たちから「車ではなく?」と聞かれることが多いのだが、テクノロジーがいくら進化したとはいえ、歩いている車は未だに見かけない。散歩はまだまだ人間だけの特権のようである。散歩。それは、変化し続ける景色との出会い。そして、それを共にする家族との会話など、さまざまな発見がある特別な時間なのだ。  歩く車は冗談だが、確かに移動という効率性から考えれば車は便利である。寒い日は暖房を、暑い日はクーラーを。子どもがゲームをしていようが機嫌が悪かろう

丸森時間差遺産 第6話「受け継がれる蕎麦」

 最近、筆甫へよくドライブをする。理由は今年新しく出来たそば屋、清流庵である。筆甫地区の美しい自然と川のせせらぎと、運が良ければカワセミの美しい鳴き声を聞きながら、石臼挽き&手打ちの美味しいそばを楽しめる。付け合わせの天ぷらも最高だ。新鮮な野菜を中心に、揚げたてを塩でカラッといただくも良し。出汁の効いた蕎麦つゆに浸してジュワッといただくも良し。滑らかな喉越しのそばとの相性も完璧。締めに成分が溶け出したとろみの強い熱いそば湯で身体を温めた後に、店を出て感じる凛とした森の空気がま

丸森時間差遺産 第5話「棚田にて深呼吸を」

夕暮れの国道349号線。大学での授業を終えて自宅へと車を走らせる途中、思い立って寄り道をした。阿武隈川沿いの側道を坂道に沿って3分ほど登ると、日本の棚田百選・農林水産省選定のつなぐ棚田遺産にも選ばれた「大張沢尻の棚田」が現れる。長い時間をかけて、複雑な地形を試行錯誤しながら開拓して生まれた、人々の努力の結晶である。  見晴らしの良い駐車スペースに車を停めて、秋風が吹き抜ける新鮮な空気を思い切り吸い込んだ。夕陽に照らされ階段状に連なる田んぼを埋め尽くす黄金の稲穂。久しぶりに訪

丸森時間差遺産 第4話「風呂上がりの夜風」

  僕は熱い風呂が好きだ。理由は恐らく幼い頃の記憶、建て替える前の実家が五右衛門風呂だったせいかもしれない。当時住んでいた家は台所が土間になっており、祖母と母が夕食の支度をしている隣で、お風呂を沸かす係だった僕はよく薪を焚べていた。徐々に太めの焚き木へパチパチと火を育てていきながら、時々アルミホイルで包んださつまいもを一緒に入れたりして、沸きたての熱い風呂に入った後に、出来立ての甘い焼き芋と冷たい牛乳を喉に流し込みながら、縁側で夜風に当たるのが大好きだった。  そんな風呂好

丸森時間差遺産 第3話「全力で走り抜けた公園」

 僕は全力で走っていた。とはいえ、太宰治の小説『走れメロス』のように親友との友情を守るためではない。先ほどスーパーで受け取ったレシートが風で飛ばされたため、追いかけていただけである。30mほど先で追いついて無事に回収したが体力は消費した。昔は追いかける側ではなく追いかけられる側だったのになと、息を切らせながら30年以上前のことを思い出していた。  実家には昔、コロという犬がいた。名前の由来は当時僕が夕食時にコロッケを食べているときに思いついたからで、マグロを食べていたら「ト

丸森時間差遺産 第2話「時をかける赤い橋」

 夜寝ていると息苦しいことがある。今夜も金縛り……ではないので安心してほしい。寝相の悪い我が子の足が僕の顔に乗っていただけ。いつものことである。家族で一緒に寝ている場合、自分の寝ている範囲を越えないようにという暗黙の了解があると思うのだが、そんな大人の常識で作り上げた境界を軽々と越えて来る息子の自由な本能に感銘を受けるとともに「境界を越える」というキーワードから、ふと、脳裏に丸森橋の思い出が浮かんだ。  丸森町には大きな橋が2つある。2012年に完成した556mの丸森大橋。

丸森時間差遺産 第1話「小高い駅のホーム」

 1996年。18歳の僕は進学のため、仙台で念願の一人暮らしをすることになった。すでに荷物は新居となるアパートに送っており、一人暮らし前としては最後の実家での夕食。この漬物の味ともしばらくお別れだなと、白菜の味を噛み締めていた。最後の晩餐ならぬ最後のばあちゃんの漬物である。お湯1に対してウイスキー3ほどの濃いめのお湯割りが好きだった父からは、丸森からでも通えるだろうとしつこく説得をされたが、故郷への未練1に対して都会への好奇心9という濃いめの自立心に溢れていた僕は「自分の足で

「ロンドンのクリスマス2022」

こんにちは、アートディレクターの黒田です。今回も日々の生活の中で見つけた「ホントにロンドン」な話をお届けしていきます。 第4回は、ちょっと振り返って、ロンドンで過ごしたクリスマスのお話。 コロナの影響がまだ強かった昨年に比べると街に出ている人も増え、今年は随分と賑わっていたのが印象的でした。人の往来が増えたのももちろんですが、ワールドカップと時期が重なったのもあるかと思います。夕方になるとSOHOあたりは人が密集して、時には身動きが取れないほど、たくさんの人で賑わっていま

「デザインの博物館」

こんにちは、アートディレクターの黒田です。今回も日々の生活の中で見つけた「ホントにロンドン」な話をお届けしていきます。 第3回は、The Design Museumのお話。 ロンドンの博物館といえば、The British MuseumやThe National History Museumなどが有名ですが、ここはそれらとは少しタイプが異なる「デザイン」に特化した博物館なんです。 無料の常設展のタイトルは「Designer Maker User」です。20世紀以降の様々な

「ロンドンの落書きトンネル」

Steve*アートディレクターの黒田です。現在ロンドンからリモートで働いています。ホントです!今回も日々の生活の中で見つけた「ホントにロンドン」な話をお届けしていきますっ! 2回目のPostは、グラフィティ・トンネルを見てきた話。 最近は夏らしく天気も良いので、友人とマーケットでお昼ご飯を食べて、ぶらぶら散歩をしていたところ…何やら怪しげなトンネルを発見!夜だと少し薄暗くて近づくのが怖いような雰囲気でしたが、まだまだ明るい時間だったので行ってみることに。Google Ma