見出し画像

西洋絵画の見かた 画家の事をちょっと知ると美術館に行くのがグッと楽しくなる〜ゴシックからロココ編〜

今回は私の愛してやまない美術について書いていきたいと思います。私の母は油絵画家で若い頃は銀座で個展を開いていました。私自身も、母の影響で子どもの時から画集を見て育ち、私の表現は絵ではなく歌や物を書くことですが、趣味としてイラストを時々書いたり、絵画鑑賞に行きます。そんな私が今回美術史に絡めて、画家をご紹介していきます。

はじめての絵を見る時は前情報も無く、その印象を感性で感じるのがいいと思いますが、その後、画家の生きた背景や美術史を学ぶと絵を深く知れて楽しさが増すと思います。

知識だけだとつまらないけど、経験に学びが重なると造詣も深くなりますよね。

今日はゴシック期からロココまで。

まずゴシック期に活躍した画家といえば、
Giotto di Bondone (ジオットディボンドーネ)
絵画と言えば宗教画だった時代、因習的で保守的な芸術感を少し出て、宗教画でありながらも、人間味の感じられる絵を描きました。

その後のルネサンスは14世紀から16世紀、1400年ぐらいから1600年ぐらい、日本だと室町、安土桃山、江戸時代の徳川幕府が始まる前までぐらいですね。

Jan van Eyck (ヤンファンエイク)
筆遣いが細やかで、油や樹脂、希釈剤など、テンペラでは不可能だった技術を改良して確立した先駆者です。特に、溶き油を
通常よりも薄くしたことによって、油が早く乾き、色を何度でも重ねてぬれる。下の色と上の色が絶妙な具合で混ざり、パレットでは混ぜ合わせられない透明感を出して描きました。

みなさんご存知のSandro Botticelli (サンドロ・ボッティチェリ) がこだわった、線がもたらす効果と奥行きの無い二次元的な空間、そして、ギリシア神話がテーマというのも当時は新しかったようです。みなさんもご存知の貝の中に裸のビーナスが佇む、ヴィーナスの誕生や春を意味するプリマヴェーラは、奥行きがなく二次元的にわざと描かれています。

ボッティチェリとは真逆にあの有名な(Leonardo da Vinci) レオナルドダヴィンチは陰影を大切にした事で有名です。輪郭線を描かないスフマート技法というのを使っています。実際に人間が物を見る時、そこには輪郭線という物は存在しないですよね?そこに注目したダヴィンチ、物が存在する事を色の変化だけで表現することがリアルだと感じたわけです。
そして、彼はダヴィンチコードなどでも描かれていますが、解剖学にも長けているので、筋肉や骨格、顔の表情筋など、描写が細かいです。ウィトルウィウス的人体図は有名ですね。

レオナルドはPerfectionst、完璧主義者だったため、現存する絵画は15点ほどしか無いと言われています。そのうち最も有名な最後の晩餐とモナリザ、一度でいいからこの目でみてみたいですね〜。私はまだ見たことがないです。レオナルドに関しては他にもお話ししたいことがありますが、今日は美術にとどめておきます笑

そして、Tiziano Vecellio (ティツィアーノ) 油彩技法に優れた画家の1人です。ウフィツィ美術館に多く所蔵されています。国立西洋美術館にも一点だけありますね。常設の方に。
彼の考案したモデルのポーズは後々、ゴヤなども影響を受けています。

オランダの寓意画家、ブリューゲル。見た物を見たままではなく、想像の世界から小人のような人物を線画で書いたブリューゲルは、バベルの塔、7つの大罪など、説話集や聖書から題材を得ました。特に民衆が道徳を学べるような教訓的な物を選んでいたようですね。1525〜69年、織田信長の頃ですね。
そして、スペインのエルグレコ。伝統的な宗教画や、肖像画を独創的な感性を使って、ありえない形と色彩で感情的に描きました。時々、絵の中に不思議に光を放つ部分があり、そちらも見どころです。

Renaissanceのあとはバロック・ロココ。17世紀から18世紀。徳川幕府突入です。

フランダースの犬にも登場するルーベンス、裸体の色づきが美しいです。例え、模写が彫刻であっても彼が描くと息が吹き込まれます。想像力に長け、かつ技法も持ち合わせています。

ベラスケスは宮廷画家として優れていました。写実描写の天才。貴族は、よく美化して描かれる事を望みましたが、でも彼はそういった要望に屈することなく、その人物を美化せず、あるがままに描きました。

オランダから2人の画家を紹介します。
レンブラントはその絵の中に人間の内側も描きました。自画像も多く描いていることから自己分析も好きだったんじゃ無いかなと思います。彼の描く人物は表情が豊かです。

もう1人、ヤンフェルメール。フェルメールはレンブラントとは対照的にテーマや物語性、解剖学などには無関心。ただひたすら目に映ったものを描きます。構図には一工夫していて、光は左側、背景には家具という物が多く、まだ存在しない写真のような切り取り方をしています。また、構図をとるためにカメラオブスキューラを使用したと考えられています。

最後に、ロココから1人ご紹介、ジャン・オノレ・フラゴナール
彼の描く絵は華やかで、官能的。愛と性を独特な色遣いで表現しました。ブランコに乗りながら、片っぽの靴を放り投げ、スカートが翻る女性を見つめるキューピッド像や男性たち。今にも動き出しそうな躍動感と心躍るシーンです。

彼は肖像画、風景画、どちらも描き、パステル、水彩、エッチング、グワッシュなど多くの手法で様々なテーマの作品を描きました。彼は私の好きなブーシェにも入門しているので、影響を受けています。

次回はロマン主義、印象派について書けたらいいなと思います。

NYでフリーランスのライターと日本語の先生をしています。どこまでも自由になるため、どこにいても稼げるようなシステムを構築しようと奮闘中。