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【コラム】シュタイナーも最初は若者だった

よく「シュタイナーはこう言ってます」っていう言い方をしたり聞いたりします。何かを理解したい時に「シュタイナーはどう言ってますか?」とか。

別にシュタイナーに限らず、自分の好きなタレントさんとか尊敬する人とか、カリスマ的な学者とかの言葉を手掛かりに、モノゴトを理解しようとする姿勢。

今日参加していた、とある講座で、ワーグナーの音楽についてのシュタイナーの見解を、シュタイナーの若い頃と、晩年との言及で比較してみていました。

そしたら。
若い頃と晩年とでワーグナーに対する見方が真逆に変わっていたのです! 「シュタイナーも最初から全部見通せてたわけじゃないんだ~」と、ちょっと嬉しくなりました。

なんか、初々しいわ~(^^)。

10年20年経てば、時代背景も変わるし、自分も成長する。カリスマ的な人が20歳の頃に何かを言っていたとしても、60歳でも同じことを言ってるかというと、当然、変わってくることもあるはずで。

カリスマの人の言葉って鵜呑みにしやすいから、「カリスマだって、年を重ねたら成長する。カリスマだって、時代と共に変わりゆく」と知っておく事は、自分なりに考えるのに役立ちそうです。

かと言って、「ここが変わってる」と見下して、カリスマを批判することで自分を賢そうに見せていると、必要なことまで全部受け止められなくなってしまう残念スパイラルに入ってしまいますが。

カリスマだって赤ん坊の時からカリスマなわけではないのですから。カリスマだって成長するのですから。

とは言え、「自由の哲学」は、30歳くらいで書いて、55歳くらいで改訂版を出した時に、「丁寧に読み直してみたけど、ほとんど変えるところがなかった」と、序文に書いてたなぁ。

各章の最後にいくつか補足が書き加えられてたけど、それも、「前の表現だと誤解されやすかったから、もうちょっと丁寧に説明するね」というスタンスで、内容は一切変わらない、と。

やっぱり、すごいわ。

すごいけど、そのシュタイナーの言葉でさえも、「成長と共に変わる事がある」というのが、新鮮で初々しかったから、ご紹介したかったのでした。特に、言葉の断片だけ切り取って鵜呑みにしそうになった時、立ち止まって自分で考えるために、思い出したい事実です。

何か心に響いた言葉があれば、いったんその言葉を、シンパシーを持って受け入れて自分の身の回りの経験と重ねて咀嚼してみて、その後で「じゃあ、このケースはどう?」って、立ち止まって発展させていくスタンスを取りたいものですね。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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神戸シュタイナーハウス
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