【大人】いや、その前に折れるでしょ?|2022年3月|漫画家の藏丸先生
「諦められないのは真剣にやってないからだ」「うまくいかなかったらガラッとやり方を変える方がいい」「ちゃんと失敗を積み重ねろ」など、数々の名言が飛び出した蔵丸先生のお話。大人クラスでは、その話と自分とを重ねて、いろんな質問や意見が飛び出しました。
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「何でもやってみたらいいよ」という元気な話を聞いたので、「私はうまくいかなかったらいちいち折れます。どうして折れなかったんですか?」という質問が出た。「いや、ホントに何度も折れましたよ。真剣にやったら何度もやめたくなって、一度でもそれをひっくりかえせなかったらその時に終わってました。気持ちも病んで。その時は、捨てたつもりの家族とか友達とか仲間とかにめちゃくちゃ助けられました。今やっとこの状態にいるので、“どうにか生きてたらなんとかなる”っていうのを今後の作品にも出していく予定なんで、やっぱり何でも経験だなと思います」。
誠実に答えてくださる蔵丸先生の話をきいていて、ふと「あれ? 折れるのが怖いどころか、失敗しそうだったら挑戦しないで済ませちゃうことが多いよね?」と思い当たる。八方ふさがりの状態ではチャレンジすら出来ないから、挑戦できることがあるのは、まだまだ序盤戦。
「いや、でも絶体絶命のピンチに見舞われたら、自分の知らない自分が出て来てビックリするということがあるでしょ? 自分でもそんな戦い方をするんだな、と驚いたりして」と、自分のたくさんの失敗例やちょっとの成功例を楽しそうに話してくださる。「ボク自身、ストックをたくさん持ってるわけじゃないので、これからの自分に期待するという感じです」。だからこそのチャレンジ、という意味もあるのだとか。
挑戦に関する話は圧倒的なインパクトを与えてくれたが、漫画に関してもいろんな質問があったので、印象に残っていることをいくつかご紹介しよう。
Q 漫画って好きなテーマで好きなように描けるもの?それとも編集さんの指導が入るの?
A プロならシロウトや編集者の意見を聞くべきじゃない、って言う人もいるけど、ボクは結構、信頼しています。何か誰かがひっかかったということは、何か良くなるヒントがあるはずなので。
編集や友人から言われたことを、鵜呑みにするでもなく無視するのでもなく、言った人が「やられた!」って思うくらいには自分なりの答えを出して返したいです。
Q 漫画を描く過程で一番好きな時間は?
A 実は、書き直しの時間が一番好きなんです。ネームのダメ出しとか、単行本になる前に少し変更が許されている状態とか。とびぬけた才能があるわけじゃないので、いろんな人に読んでもらって、意見を聞いて、さらに良くなるためのヒントをもらっています。一人じゃたいしたところにいけないので。
Q 漫画以外の仕事を受ける上で大事にしていることは?
A その仕事をしたら、どんな経験値が自分に残るのかな?何が学べるのかな?ということを考えます。
Q 究極、読者に何を届けたいですか?
A 周りの人が誰も興味を持ってくれないような何か好きな事があって、「そこまでマジにやるのはダサいよな」と思ってる人がいたら、その人の背中を押したいです。こんなマニアックな漫画を描いて、こんなことにこだわってるヤツがいるんだったら、オレもやってみようかな、って思ってくれたら嬉しいです。
あれこれこちらから質問しているうちに、逆に蔵丸先生から「シュタイナー教育の芸術的に教えるって何ですか?」「どうやって算数を教えるんですか?」「みなさんが漫画を選ぶきっかけって何ですか?」と、逆方向の質問タイムに。
私たちの活動に興味を持ってくださるのも嬉しいし、どこからでも吸収してやろうという真摯な姿が随所に表れていて、「こういう人が成功して行く社会は、まだまだ捨てたもんじゃない!」と応援したくなりました。
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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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