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【子ども】卒業

ついに、この日を迎えてしまった。
一番上の学年は中学2年生。シュタイナー学校でいえば、小学部を卒業する年。
今の思いを書いてみようと思う。


卒業おめでとう

小学校で担任をしていた頃の私は、卒業式も含め学年末の日にはいつも涙が止まらなくて、
「また会えるやん」
と子どもに励まされたり笑われたり。そのくらい、自分のクラスの子が大好きで、私の一部で、別れは辛いものだった。

それなのに、神戸シュタイナーハウスの卒業といえば、結構あっさり。
1回目の卒業回は今の中学2年生。私も子どもたちも、
「じゃあ、またね」
と手を振ってお別れ。いつもの笑顔のままで、涙もなし。
2回目の卒業回はコロナで実施できず。お手紙を書くので精一杯だった。
3回目の卒業回も、
「来年度はオンラインでね~」
と、さらにあっさり。

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いずれも、一人一人のことを思い浮かべて詩を書き、絵とともに写真立てに入れて贈り物を作った。今までの感謝の気持ちと、未来を応援する気持ちを込めて。クラスの最後には、その子のことだけを想って詩を唱え、部屋が言霊でいっぱいになるのをイメージして、贈り物を渡す。
そのときに思うのだ。寂しくはない、と。

学校での学年末の別れは、まだ彼らと一緒に過ごしたかったのにそれが叶わなくなってしまうことへの寂しさが、気持ちの大半を占めていた。それがここでは、子どもたちが十分に成長したのを感じることができて、もう私の手を必要としなくなっていくのがわかっている。こんな喜ばしいこと、他にあるだろうか。そう、卒業回は私がセンチメンタルに浸るためのものじゃない。彼らの旅立ちをお祝いする、明るいもの。

これからは私ではなく、私の言葉が彼らの側にいるだろう。
そして、同時に思う。私もそろそろ卒業なのだと。私を育ててくれた彼らから、私が卒業するときなのだと。

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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。
小学校教員を経て、現在は放課後等デイサービスで障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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