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【大人】歌、呼吸、音の響きを味わう

本を読んだり、話し合いをしたり、ワークショップをしたり、毎月いろんなことをして楽しむ大人クラス。声の響きにフォーカスした時のことをご紹介します。歌や呼吸、あいうえおなど、いつも無意識にやっている単純なことが、こんなにおもしろくなるなんて!

宇宙語みたいな歌にひたる…

最初は、歌をひとつ教えてもらいました。聞いたことのない、宇宙語みたいな響きの、スウェーデン語の伝承歌。4パートで輪唱していると、透明なバリアに守られた空間が私たちを包んで立ち上がっていくようです。メロディーもリズムも言葉も、耳で聞いて歌ってみる。歩きながら、何度も歌う。

日本語や英語の歌だと、意味が気になりますが、まったく知らない言葉だと、響きそのもの、歌うことそのものがとても心地よい経験になります。幼い頃、意味もわからず聞こえてきた、そのままの歌詞で歌っていた時代の、あの感覚を思い出しました。

呼吸は、吐くことから始める

続いて、安心できる暖かい空間の中で、瞑想にもつながる呼吸を意識してみました。ゆっくり吐いて、自然に吸う。「リラックスしすぎて眠くなってきた」という人もいました。いや、寝ないで~(^^)。全身をリラックスさせつつも、意識は呼吸に集中します。

不安や迷いを吐いて、清らかさを吸い込む。怒りや打算を吐いて、輝く光を吸い込む。…吸い込む、というよりも「入ってくる」が正解かもしれません。まず吐くことから始める、という順番にも意味がありそうです。自分の指先の隅々まで光が満ちて、今度は自分が光り出します。

しばらく自分の呼吸に集中してから、適宜浮かんでくるいろんなイメージをそのまま語り、1人ひとりが感じたイメージを共有しながら、そのイメージを思い浮かべつつ一緒に呼吸していきます。

例えば、自分が中心にいるイメージなら、自分を中心にする光の同心円が、少しずつ広がって、部屋を越え、屋根を越え、六甲山を越え、日本を覆い、アジアに広がり、地球を越えて…。天と地の真ん中に、自分がいる。虫や獣だった時代の過去から、果てしない未来へと続く悠久の時間の真ん中に、今、自分がいる、というような。一人ひとりのイメージの違いも新鮮でした。

たっぷりと呼吸しているうちに集中してきて、日常レベルのがちゃがちゃした意識に戻るのが惜しいほど、心地よく感じました。

「あいうえお」の「え」がかわいそう

続いて「あいうえお」の気分を味わってみます。広がる「あ」。朝日や地平線のイメージ。光の「い」。天使の階段に手を伸ばして太陽へ。前に進んでいく「う」。追い風を受けて抵抗する「え」。盾で自分を守ります。最後に、包み込む「お」。全てを含んで調和する世。

「あいうえお」の気分を味わって動いていると、「“え”だけ、かわいそう」という声が。確かに。「ブロック~!」って感じですね。「“え”は周囲を対象化して意識的に捕らえるので、小さな子どもには教えない」とお話くださる方がいて納得です。母音を意識しながら、自分の名前をはじめ、いろんな言葉を音にして味わいました。

クレヨンの線で「あいうえお」

続いて、クレヨンを持って、「あいうえお」の気分を直線を4本とマルで画用紙いっぱいに動いてみます。それだけの事なのに、思いがけず、5人とも違う絵になりました。写真を残していないのが残念ですが、ビビッドな線でタテヨコナナメのきっちり8等分に分ける人、虹のような色でふんわり動く人、画面上で嵐のように何度も何度も動いて全体を塗りつぶす人…。その時の気分も反映します。

その絵の真ん中にレムニスカートを二つ組み合わせた自分を置いて完成。違う日に描いたら、また違う絵になるでしょう。

静かに集中する時間を大事にしていると、シンクロが増えたり、大きなものに見守られてる気がすることが増えていくように思います。あまり効果を期待せず、淡々と、でも継続的にやってみて、気づくことがあれば、またシェアしましょう!

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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