【子ども】「自分にはこれができる」があれば|22年6月|大学生の宮澤秀斗さん
「挑戦」をキーワードに、自分が大切にしていることを教えてくれた宮澤さんに、今度は参加者から質問をさせてもらって深めていく。宮澤さんが大人クラスで話している間に、子どもクラスは質問の準備からスタート!
全体のお話はこちら
付箋に書き出して、拡散
お手玉でちょっとブレイクした後、1枚の付箋に1つずつ質問を書き出していく。1人でお話を振り返って、自分と向き合う時間であると同時に、あれもこれも聞いてみよう〜と考えを広げていく時間でもある。
みんなで交流して、集中
たくさんの質問を考えた後は他の人の考えたものと並べ、比べてみる。共通点を見つけたり、違いに気づいたり。最終的には、分類して並べ替えたものに見出しをつけてまとめる。たくさん広がった質問を集中させる時間。
もう慣れたもので、オンライン参加の子に愛想を振り撒きつつ、見やすいように貼り直してまとめたり、お互いの質問を見て思い出した質問を付け足す子も。
大切にしたいこと
神戸シュタイナーハウスも9年目、いつも、この拡散と集中のリズムをものすごく意識しながら授業を作ってきた。身体を動かした後にお話を集中して聞いて、作品を仕上げるのが一つのパターンでもあった(授業のリズムについて、詳しくはこちらのマガジンをどうぞ)。
ここ1年は中学生のハローワークという新しい企画としてやってきて、ゲストに来ていただくことがメインの活動だ。身体を動かしたり歌ったり作品を作って表現する時間を取ってしまうと、本質から外れてしまう。それでもやっぱり、意識の持っていき方としては拡散と集中のリズムは守りたい。
中高生たちは流れをすっかり掌握しているので、実は私の出番はほとんどない。多分、いなくても自分たち進めていくんじゃないかな。いなくてもいい、というのも私にとっては嬉しいことの一つ。あんなに小さい頃から付き合ってきたけれど、もう子どもじゃないんだもんね。繰り返しつつも緩やかに、小さな小さな階段を一段ずつ上がってきた。最後まで、いろんなことにこだわってここまでやってくることができて、私としてはとても満足。
これだけは伝えたい
外国の文化のこと、具体的な勉強方法や受験のこと・・・質問コーナーは、時間が足りないくらいだった。宮澤さんの話しやすい雰囲気もあり、予め考えておいたもの以外に新たな質問が出たり、宮澤さんの方から逆に質問が返ってきたりして、お互いの話をじっくり聞く時間に。
そんな中、宮澤さんから「これだけは話しておきたい」と最後に紹介してくれたのが「自己肯定感」の話。
いつも「自分にはこれができる」を大切にして、自信を持って欲しい。もしも自信を失って自己肯定感が下がっているなら、思い切って、1回逃げる。それで、自信を取り戻せそうな場や得意なことを見つけて、自己肯定感を取り戻す。「自分にはこれができる」があれば、また頑張れる。
24時間戦うことが美学だったり「逃げちゃダメだ」と自己暗示をかけたりしていた世代とは、まるで考え方が違う。未来を拓いていく世代の言葉には説得力しかない。私もこの言葉を胸に刻んで生きていくわ!と思った。
ポジティブさを胸に
そのうちに、中学生も高校生もなんだかエネルギッシュな雰囲気になっているのが感じられた。「ポジティブって伝染するのかも」という宮澤さんの言葉通り、後で合流した大人もみんなやる気に満ち満ちている。
いつもクラスの最後に唱えている詩の中にある、私を目標へと導き、真の私にしてくれる5つのこと。
・しっかりとここに立つ
・確かな歩みを進める
・温かなまごころを育てる
・希望を持って行動する
・すべての考えを信頼する
これを具体的なエピソードにして文章に書き表したら、今回の宮澤さんのお話になるんじゃないかな。終了後、ささやかなプレゼントと共に詩を書いたカードを参加者の皆さんへ贈りながら、そんなことを感じていた。
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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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