現状打破を望むけど、現状維持。
「お前はこうだから、ダメなんだ!もっとちゃんと考えろ!」
うるさいなぁ。人のことお前って呼んじゃいけないって習わなかったのかなぁ。
企画書を提出したら、テンプレートだの、新しくないだの、そしてマニュアル通りを避けたら、尖りすぎてるだの、もっと相手のことを考えろだの、意味がわからない。人を蔑む勉強しかしてこなかったのではないだろうか。よくもまぁ、怒った顔ばかりを見せることできるよなぁと思いながら、「すみません。」と申し訳なさそうな顔をしておいた。今なら主演女優賞でも取れるのではないだろうか。
この怒鳴っているタコ親父の向こうに見える景色は、とてもいい天気で、余計にウンザリとしてしまう。
どうしてこうなった。
学校という囲いから外に出て、もう3年ほどか。
将来も何も考えてなかった私は、適当に就職して、適当に毎日を過ごしている。
そして、適当な給料に高い健康保険と年金と奨学金の返済を毎月こなしている。
そのために働いている事実に気づいたけれど、現状維持を望むなら、転職もせずただひたすら決まった作業だけをして、ずっとこのままで働いていたい。でもそれも出来ないから、どこかで強い意志を持った私に生まれ変われる日を夢見ている。
自分のデスクに戻った私は、深いため息をつきながら、今日は定時に帰れるだろうかと考えていた。
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お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。