手を差し伸べることの連鎖『かがみの孤城』
辻村さん作品2作目は本屋大賞受賞作『かがみの孤城』です。
読み始めは「あれ、ファンタジー?入りにくいかも、、」という印象でしたが、
読み進めるにつれ、登場人物の繋がりの種明かしに驚きつつも感動でき、後編は1日ですぐに読み切ってしまいました。
1.あらすじ
2.闘い続けている人たちへ
3.余談
1.あらすじ
中学に通えなくなった7人があるとき自室の鏡の光に引き込まれ、鏡の中の城の世界に入り込む。
そこで出会った“オオカミさま”から、
「願いの鍵と願いの部屋を3月30日までに探せ。見つけられた人は願いが叶う」
というお題が出される。
7人は城の生活を楽しみつつも鍵を探し、並行して現実世界にも生き続ける物語。
2.闘い続けている人たちへ
多くの人がいじめの環境に立ち会ったことはあると思います。私の中学・高校にも不登校や保健室登校の子たちがいました。
「どうして学校にこれなくなっちゃうんだろう」
と単純な疑問を時々感じるだけで、
教室にいない子たちが昼間に学校に行けず、自分の部屋にいること、
お昼の番組を見ていること、それをどんな気持ちで過ごしているかなんて考えてもいなかった自分に気づきました。
自分だって何かのタイミングが違っていれば、そうなっていたかもしれないのに。
誰にだって「来てほしくない明日」や「行きたくない環境」に対峙したことがあるかと思います。
どんなコミュニティにも自分に合わない人たちがいます。
そんな人たちとはわざわざ立ち向かい続けなくてもいいし、そんな人たちのために
自分を犠牲にしなくてもいい。
喜多嶋先生のような人に会えますように
喜多嶋先生のような人になれますように
3.余談
中高女子校出身者としては、女子世界には真田美織のような子と対立したり、
ああいうグループからのいじめは想像つきますが男子版真田美織ってどんな人なんでしょうか?
男子校のいじめも残酷だと聞いたことがありますが、
この本を読んで男性はどんな感想を持つのか、とても気になりました。
いい感じのひとと会えたらどこかのタイミングでこの本を読んでもらって
感想を聞かせてもらおうかな。