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書籍『Les Roses バラ図譜』
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ (著)
出版社 河出書房新社
単行本 192 ページ
内容説明
植物画の最高傑作を原寸大で復刻。本書に掲載の169のバラの絵は、多色刷りの銅版画に手彩色で仕上げてあるため大変美しい。実物初版本の色を高品質印刷で色彩豊かに再現した豪華愛蔵版
レビュー
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)は、「花のラファエロ」「バラのレンブラント」と称される植物画家。植物学、芸術の両方面にて、バラを語るに欠かせない人物として知られています。
1759年にベルギーのサンチュベールにて、代々画家の家に生を受け、幼い頃より父親に絵画を習い高度な技術を習得したのち、1782年にパリへと移住。フランス王妃マリー・アントワネットやナポレオン皇妃ジョゼフィーヌの寵愛を受け宮廷画家として、その才能を遺憾なく発揮しました。
『バラ図譜』は、銅版画技法の点刻彫版を用いて繊細且つ豊かな陰影を刻印した上で多色刷り印刷を施し、その上更にルドゥーテ本人による水彩絵の具による手彩色を加えるという途轍もなく贅沢な工程を施すことにより、他に類を見ない生命力を獲得するに至った美しい植物図譜となっております(その他代表作に『美花選(Choix Des Plus Belles Fleurs)』等あり)。
当然ながら本印刷においては、バラの浮き上がるような立体感や存在感、水彩による繊細な透明感、香りや、そよ風による揺れまでをも感じるほどの生命力の再現は望むべくもありません。
しかし、価格と印刷の質、大判で1作品1ページという嬉しい仕様を考慮するなら、納得の1冊としておすすめ出来る仕様となっております。
永遠の魅力を放つルドゥーテのバラを、是非、あなたのお部屋にも。
最後に、
古来より、美しい女性や美男子がバラに例えられた例は枚挙にいとまがありません。
かく言う私も「このバラ、あなたのイメージにピッタリだったから・・・」と、恋人から美しいバラを手渡されたことがあります。
私 :「ありがとう! でも鋭い棘がいっぱい付いてるみたいだけど、もしかしてそれも私のイメージだったりするのかな?」
贈り人 :「むしろそれ故にだよ(ニヤリ)」
私 :「嬉しい。あなたなら私のことわかってくれるって思ってた(ギロリ)」
ルドゥーテの『バラ図譜』を目にするたびに思い出す、素敵な甘い香りに満ちた・・・、否、バラの棘のように刺々しいやり取りの楽しかった日々。
※ちなみに私はあの日を境に、「バラ」よりも「チューリップ」を愛でるようになりました・・・・・・
(察していただけましたら幸いです・・・)
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