映画『特捜部Q 檻の中の女』
2013年/製作国:デンマーク/上映時間:97分
原題 Kvinden i buret 英題 Department Q: The Keeper of Lost Causes
監督 ミケル・ノガール
予告編(日本版)
予告編(海外版)
STORY
デンマーク。コペンハーゲン警察殺人課の刑事カール・マーク( ニコライ・リー・カース)はとある事件の捜査中に失態を演じ、自身は重傷、同僚二人のうち一人は殉職、もう一人は再起不能の重傷を負う。
それにより(日頃の勤務態度も相まって)、未解決事件捜査班(とは名ばかりで、過去20年の未解決事件の書類にミスがないかを適当に調べることを求められるだけ)の「特捜部Q」へと降格・配属(左遷)される。
地下に割り当てられた「特捜部Q」の部署へカールが赴くと、そこは物置同然の酷い有様であり、それを見たカールは踵を返し、その場から去るのであった。
翌日気を取り直して部署へ向かうと、部屋は綺麗に片付けられており、新しい同僚(部下)であるというアラブ系のアサド(ファレス・ファレス)が、カールを待っていた。アサドは2年間流れ仕事をさせられ続けていたとのことで、「特捜部Q」への配属にやる気を漲らせ、既に壁にいくつかの未解決事件の資料を貼っていた。
カールはその中のひとつに気になる女性の写真を認め、その情報を調べてみると、行方不明となっていたのは女性政治家ミレーデ・ルンゴーで、事件当時ミレーデは弟と乗船中に海上にて突然行方不明となったこと、そして事件のファイルには「乗っていたフェリーから投身自殺」という、証拠不十分且つ明らかに推測の域を出ない結果報告が記載されており、更にその捜査を担当したのは「パズルさえまともに出来ない」ほど能力の低いバクという刑事であったことを知る。
残されていた他の情報(事件発生時の「聞き込み調査」等の情報)から、まともな捜査が為されていなかったこと、そしてミレーデが誘拐された可能性があることに気付いたカールは、アサドと共に再調査を開始するが・・・
レビュー
事件の推移もさることながら、本作の最大の見どころは、カールとアサドが互いをパートナーとして認めるに至るまでの、人間関係の推移にあるではないかと感じました。
また主役の2人はハマり役で、作品全体の雰囲気もテンポも良く、上質なエンターテイメントであると思います。
この世は現状の法律では到底裁ききれない事件に溢れており、「事件解決」とは何をもって言うのか・・・、ということを深く考えさせられました。
名作北欧ミステリーの映画化として、大成功した本作。
おすすめです。