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HeartMath®︎のテクニックを用いた自律神経調節

今回は、Starkeepersでもセラピーに用いている、HeartMath®︎が提唱している、呼吸による自律神経調節についてお話しします。
これを行う目的は、現代人の交感神経に傾きがちな自律神経をよりニュートラルに近づけ、落ち着いて、なおかつ集中した状態に持っていくことです。

リラックスはしていますが、ぼーっとして眠くなったりする状態ではありません。仕事や日常の動作を、穏やかにしなやかに行なっていくことができ、パフォーマンスや心理的な面で大変有利な状態です。

私たちは主に、HeartMath®の研究成果に沿ってセラピーを行なっていますが、呼吸と血圧や心拍などの生理学的指標との関連については、一般に広く研究が行われています。

簡単にいうと、吸気の時は副交感神経優位になったり、胸腔内圧が下がることにより、一般的に心拍数が上昇するのですが、規則的でゆっくりとした呼吸を続けることにより、心拍数や血圧が安定していきます。

ただし、安定していると言っても、実は私たちの心拍数は一定な訳ではなく、常に変動しているのです。例えば、心拍数が平均70回/分の人がいたとして、一拍ごとにこの人の1分あたりの心拍数は変動しており、この変動は心拍変動:Heart rate variability (HRV)と呼ばれています。


心拍変動 Heart Rate Variability: HeartMath®資料より改変


人によって最適なリズムは異なるのですが、大体、5秒前後で吸って、5秒前後で吐くような、緩やかな深い呼吸を続けていくと、自律神経の調節により、このHRVが安定し綺麗なサインカーブ状に近づいていきます。この状態では、心拍、血圧、脈拍が共鳴するように安定し、Resonance Frequency (RF)とも呼ばれています。

5秒ずつで吸ったり吐いたりすると、1分間に6回呼吸をすることになり、0.1Hzとなりますが、哺乳類のRFはこの辺りが多いそうです。HeartMath®は、この状態をコヒーレンスと呼んでいます。

HRVの変化:HeartMath®資料より改変


まとめると、5秒前後で吸ったり吐いたりする、ゆっくりとリラックスした呼吸により、自律神経を調節し、生理学的な指標も変化させることができるということです。

これだけでも落ち着いて集中した状態を作り出すことはできますが、もう一つ工夫することにより、より効果を得ることができます。
それは次回、お話ししていきましょう。



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