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テイヨクヘリホミイ

こじょうゆうやが、宝船のような今この瞬間を表現する感性むき出しマガジンです。少なくとも月2回は更新しますが、農閑期の冬場に限っては更新頻度が増えることもあります。
この地球に存在する重厚なレイヤーをみなさんと一緒にとことん堪能していけたら幸いです。
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#物語

2024年10月の星の行方

ゴールデンカオス 「遠くの景色が見たい。できる限り、遠くまで」 ロス・パラジオは毎日、そ…

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2024年9月の星の行方

天川星誌「日月星辰」九月号より抜粋 『浄土見学』 ある朝、眠気覚ましに両腕を上げて、背筋…

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2024年8月の星の行方

にゃんにゃん にゃあ。にゃあにゃあん。にゃ。にゃあ。 ほわお。にょあお。むおわ。ふわおん…

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2024年7月の星の行方

隣のクラスのナミと文通を始めたのは夏休みを迎える直前だった。期末テストが終わった日の放課…

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2024年5月の星の行方

麒麟児の舞 人がぎゅうぎゅうに押し込められた電車内で、一瞬だけ窓の外の空を泳ぐものを目に…

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2024年4月の星の行方

開花師 ある時期になると、開花師と呼ばれる集団が一斉に外へ出始める。寒々しい風が吹く中、…

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2024年の星の行方

『ハトヒト』 ハトの羽には人間との絆、その歴史が克明に記されている。しかし、そのことを知っているのはハトだけだ。 「もし地球上の人々が、ハトの羽に脈々と受け継がれた膨大な記憶に気づいたら世界がひっくり返るような大発見につながるかもしれない」 世界中のハトたちは人間との交流をさらに深めようと、この半世紀の間は特に躍起になっているが、人間はハトから遠ざかるばかりだ。 「糞が汚い」 「首を振って歩く様子がこわい」 ハトと人間との関係は、いったいいつから様変わりしてしまった

2023年8月の星の行方

彫星師が夜空のあちこちに星を彫りはじめた頃のおはなし 宇宙に存在する星はすべて星づくりと…

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2023年の星の行方

黎明に風が鳴く 天の川のほとりで遊ぶ星くずたちの元に、ソンブレロ教授がやって来ました。教…

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2022年12月の星の行方

『ラストダンス』 彼らを追う 残されたわずかな時間。太陽の軌道が日を追うごとに低くなって…

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2022年10月の星の行方

上の巻 『融解』 てっきりパンダだと思っていたそれが、まさか岩だったとは今でも信じられな…

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2022年9月の星の行方

『未来の船』 大人にならないと乗れない船がある。その船に七人の子どもが招かれた。ポコスが…

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こうちゃんの種まき(2016)

土に触れる仕事ができたら。 そんな気持ちで勤めることになったのは、障がい者と呼ばれる人た…

夜という名の街 (2011)

ランプ 夜という名の街に暮らすアニは読書が大好きで、いろいろな本を読んでは、収まらなくなった本棚のとなりにたくさんの本をつみ上げていて、ときにはその本を使って机やイスなどを作っていた。カラフルな装丁の本はどれもマニマニと呼ばれる大木の皮を使っていて、汚れや傷につよくてとても丈夫なものだ。 ある日、アニがいつものように本を読んでいると、突然部屋のランプの光が消えてしまった。夜という名の街はいつも真っ暗で、彫星師《ちょうせいし》と呼ばれる職人の手で空に刻み込まれた星々が、定点