編集後記(森山裕之) 寺尾紗穂『彗星の孤独』
寺尾紗穂さんのことは、ファーストミニアルバム『愛し、日々』(2006年)を聴いて初めて知った。
私は当時、雑誌『クイック・ジャパン』(『QJ』)の編集をしており、ライターの北沢夏音さんと特集記事をよく一緒に作っていた。北沢さんとは企画の話をする中でいつも音楽の話はしていたが、その時は、仕事というニュアンスではなく、とても個人的な感じの強い口調で、多分わざわざ電話をいただいて言われた。
「森山くん、今すぐ寺尾紗穂さんの『愛し、日々』を聴いてみて」
北沢さんがそこま