美容業界に欠かせないバーチャルメイクとは?
美しさはいつの時代にも求められているものだ。
そして、美容業界にもすっかり浸透し始めている、バーチャルメイクをご存知だろうか。
テクノロジーの進化により、バーチャルメイクは一般ユーザが使用するだけでなく、ハイブランドのルイ・ヴィトンや大手化粧品メーカーの資生堂にとっても欠かせないものになっている。
ということで、バーチャルメイクとその実態についてまとめてみよう。
今さら聞けないバーチャルメイクってなぁに?
バーチャルメイクとは、その名のとおり、コスメのお試しやアクセサリーの試着体験がバーチャル上でできるというものだ。
AR(拡張現実)やAI(人工知能)という最新技術を使ってサービスを提供する。
その技術の進歩は素晴らしく、まばたきなど微妙な顔の動きにも対応し、化粧品ごとの色味や質感もリアルに表現されるところまできている。
端末に自分の顔を映し、リップやアイメークなど試したい化粧加工を選んでメーク体験ができるというわけだ。
かつての化粧品販売といえば、百貨店の化粧品売り場を思い浮かべるとイメージしやすいだろう。
顧客は美容部員に実際に化粧を施してもらったり、店頭のテスターを自分の肌に乗せてみたりしながら商品を選んでいた。
その流れを変えたのが、新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックだ。
リアル店舗での接客がままならなくなったことがきっかけとなって、少しずつバーチャルメイクが浸透しているという流れだ。
少しでも顧客とのタッチポイントを確保したいブランドにとって、オンライン接客を支えるパーフェクトの技術はまさに救世主となっているというわけだ。
新型コロナウイルス感染症の影響が本格化した2020年、日本のパーフェクトには前年比約10倍の問い合わせがあったという。
台湾発の企業パーフェクト株式会社とは?
そんなバーチャルメイク業界を牽引している、日本にも進出してきた台湾発の企業がある。
それが、パーフェクト株式会社だ。
写真や動画にビューティー加工ができる、YouCamシリーズはパーフェクト株式会社の一般ユーザ向けアプリで、世界で累計10億ダウンロードを突破している。
YouCam メイクでは、写真にバーチャルでメークができ、例えばリップ1つをとっても、色やマット、グロスなどの質感も自在に試すことができる。
また、YouCamシリーズには他にも、YouCam Video やYouCam ネイルなどのラインナップがある。
パーフェクトは、一般ユーザ向けにはアプリを、ブランドや小売店向けには主にブラウザで使用するサービスを提供しているという棲み分けを行っている。
導入したブランドは、色やテクスチャーなどの商品情報をデータベース上に登録することで、接客時にバーチャル上でその商品を顧客に体験してもらうことができるのである。
つまり、リアルでは一度の接客で何十種類も商品を試してもらうことは難しいけれども、バーチャル上ではタップするだけでお試しができるというわけだ。
中でも、ブランド、リテーラー向けに提供されている、AI肌診断ツールは欠かせない技術だ。
AIディープラーニングスキン技術で客の肌の状態や特徴を検出し、最適なスキンケア製品を提案するのに一役買っている。
こうした手軽さがより良い顧客体験を生むとして、ルイ・ヴィトンなどを抱えるフランスのLVMHグループや、国内でも資生堂や花王など、大手化粧品メーカーの多くが同社のサービスを導入している。
テクノロジーの進歩がもたらしたもの
上述したパーフェクト株式会社が台湾で創業したのは、2015年のことだ。
2015年当時、特に日本ではAR上でのメーク体験はどうしても、お遊びと捉えられがちだった。
パーフェクト株式会社の創業以前にも多くのIT大手がブランドと共に事業に乗り出していたが、バーチャルメークは実際のショッピング体験にも活かせるという認識を広める段階で苦労していた。
そんな中でも、パーフェクト株式会社は、AR技術を用いて日常的なショッピングに対応できるツールであることを目指し、一般ユーザ向けとブランド、リテーラー向けの両軸で事業を行ってきた。
実在の商品を試せることでユーザのハートを掴み、ブランド側が使いやすいポータルを提供し、ブランド自身が商品情報を登録できるようにしたことで、商品が常にアップデートされている状態を築いた。
加えて、RMKやマキアージュといった、メジャーかつ若者からの認知もあるブランドと初期の段階から組めたことも大きかった。
こうしたブランドがパーフェクトのサービスを導入したことで徐々に認知が広がり、百貨店などとの取り組みも行えるようになった。
その結果、デパコス系といわれるラグジュアリーブランドにまで波及し、必然的にメインユーザーはF1層(20~34歳の女性)になっていったのである。
さらに、上述した、YouCamシリーズなどの一般向けアプリを入り口とした、F0層(13~19歳の女性)が入ってきているという流れだ。
その流れを掴んだ根幹にあるのが、AR(拡張現実)やAI(人工知能)というテクノロジーの進歩が寄与していることは忘れてはいけない事実だ。
バーチャルとリアルの融合
いくらテクノロジーが進歩しても、それがリアルと融合していくには過渡期がある。
そして、この過渡期がテクノロジーの進歩を潰すことも多々ある。
実際、パーフェクト株式会社はオンラインツールの立ち位置を模索した時期もあったという。
バーチャルメークを体験しても、コスメのレビューサイトを見ても、化粧品はリアル店舗で買う人が多いというジレンマがあった。
さらに日本は欧米と違い、駅ナカや薬局などでもブランドコスメを購入でき、化粧品への物理的アクセスが良いこともあって、売り上げでは絶対的にリアル店舗に勝てないという現状がある。
そこで、正しいデジタルの使い方を次のように定めたという。
そのポジションを徹底したことで、訪問者数が30倍になったサイトもあるという。
店頭でサンプルを試すのに近い体験がオンラインでできることで、サイトの滞留時間が伸びるなど、客とブランドのコミュニケーションの質が格段に上げてきたのである。
過渡期を乗り越えるために必要なこと
バーチャルメイクについてまとめてきたが、EC(電子商取引)やデジタル技術が著しく発展した現代でも、9割以上の人はリアル店舗で化粧品を購入するといわれている。
まだまだ過渡期であることに変わりはないというわけだ。
オンライン接客ツールを導入する事業者に求められるのは、ショッパーテインメントだといわれている。
ショッパーテインメントとは、エンターテインメント性の高いコンテンツを提供し、顧客エンゲージメントを得るための小売戦略を担保しながらもユーザビリティは最重視するというものだ。
つまり、ユーザ目線を常に持つことに尽きる。
少しでも面倒なプロセスが生じると、その都度ユーザのエンゲージメントは下がっていく。
ところが、ブランドの原点やなぜその商品を薦めるのかといったブランドのこだわりが伝わらないと、人はブランドに共感を持てず購入までには至らない。
オンラインならではの利便性と、ブランドの核となる思いの部分を、ちょうど良いバランスで両立して表現することが求められるというわけだ。
まとめ
stakという、機能拡張モジュール型IoTデバイスという商品を世にリリースしてから、様々な苦悩が続いている。
バーチャルメイクについてまとめていると、それがリンクしていて学べることも多くあるように思う。
まだまだ過渡期にあるバーチャルメイクだが、着実にカルチャーとして根付いてきているという事実は私にとって励みになるし、今後が楽しみでしかない。
テクノロジーの進歩は確実に人々の生活を豊かにする。
この事実が変わることはないということを改めて噛みしめて、stak, Inc. のCEOとして、stakが1日でもはやく日の目を見ることを約束しよう。
【Twitterのフォローをお願いします】
株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。