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記事一覧

誰も「成功譚」を語らない「ラヴィット!」スタッフの皆さんの素晴らしさ

誰も「成功譚」を語らない「ラヴィット!」スタッフの皆さんの素晴らしさ

「ラヴィット!」が凄く良いなと思うのは、朝の時間帯に大きな革命を起こした、日本の長いテレビ史の中でも重要な位置づけになるバラエティであるにも関わらず、その中心となって作っている方々が誰も「成功者」としてメディアやSNSなどで前に出たりはしないところで、番組が脚光を浴び始めた頃にディレクターが受けていたインタビューでも自分の手柄ではなく、あくまでも出演者のおかげだということを強調していたわけで。

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Netflixドラマの「国民的大ヒット」という印象が生まれる構造について

Netflixドラマの「国民的大ヒット」という印象が生まれる構造について

Netflixで配信されているドラマを観てない人も世の中にはたくさんいる、たぶん視聴者の数からすると今でも地上波ドラマの方が目にした人口は多いはず、それなのになぜ「国民的作品」になったかのような印象が広がっているかというと、芸能界の30〜50代の方々が盛んにテレビやラジオやYouTubeで感想を語ったりネタにし続けたからで、では彼らがなぜNetflixばかり観ているかというと、売れっ子の仕事のサイ

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女性がメインの2.5次元舞台になぜテニミュのような作品が生まれないのか、その背景にあるキャスティングの違いについて

女性がメインの2.5次元舞台になぜテニミュのような作品が生まれないのか、その背景にあるキャスティングの違いについて

女性がメインの2.5次元舞台にテニミュや刀ミュやあんステのような「熱いファンに長年愛される作品」が生まれにくいのは、キャストを1つのアイドルグループに丸ごと任せるケースが多いからで、それによって客席は作品よりもそのアイドルのファンの方が圧倒的に多くなり、語られる時は舞台側の文脈ではなくワンマンライブやミーグリなどの様々なイベントの1つとして捉えられる、なので歴史が繋がらないんですよね。
集客のため

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「あの人の復帰を待ち望む人達」の心を理解するために必要なこと

「あの人の復帰を待ち望む人達」の心を理解するために必要なこと

80年代から若い世代のカリスマとして芸能界だけじゃなく社会全体に影響を与えていたビートたけしさんがバイク事故を起こし、大きな軸を失ったことで世の中に不安が広がる中で、その発生直後という狙ったわけではないタイミングで、まさに運命的に発売されたのが松本人志さんの「遺書」で、そこに書かれた上の世代に対しても何も臆することのない主張、旧態依然としたテレビ界への批判、「笑われるのではなく笑わせている」という

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2024年秋以降、聴いているラジオ

2024年秋以降、聴いているラジオ

キン肉マン 超人ラジオ
=LOVEのイコラフ
吉川ひよりの超まっ茶りタイム!
RADIO X-over
かまいたちのヘイ!タクシー!
i☆Ris芹澤優のせりざわーるど with you
相沢梨紗のラジオ活動
be master of radio
空気階段の踊り場
伊集院光・深夜の馬鹿力
アンジェリーナ1/3のA世代!ラジオ
内田真礼とおはなししません?
PassCodeのこわくないよ!
伊達さゆり

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2024年ならではの学生企画、新しいカギの「ハイスクール大喜利」の視点の素晴らしさ

2024年ならではの学生企画、新しいカギの「ハイスクール大喜利」の視点の素晴らしさ

新しいカギの新企画「ハイスクール大喜利」、どの時代の学校にも存在する「クラスの中でテンション高く笑いを取る人達を横目で見つつ、そこに加わる勇気はないけど本当は面白いことを密かに考えている」というタイプの生徒に光を与える内容で笑いと共に感動しました。
今までのテレビにおける学生企画は当たり前のように彼らが前面に立って自ら表現する物ばかりだった、その方が画的にはわかりやすいのは確かですけど、でも高校生

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ラジオに必要な物は「間口を広くする」じゃないのでは、と思ったこと

ラジオに必要な物は「間口を広くする」じゃないのでは、と思ったこと

声優の上田麗奈さんのラジオ番組「上田麗奈のひみつばこ」を毎週聴いているのですが、11日の放送でHulu/日本テレビのバラエティ番組「春日ロケーション」についてオープニングから熱く語っていて、そのことをSNSに書いたら出演者の松田好花さんのファンの皆さんから予想外にたくさんの反応があって、やはりラジオは他の人とは違うオリジナルな視点を持っていた方がファン以外の層に届きやすくなるのでは、と改めて感じま

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改めて考えたいラジオの聴取率調査システムについて

改めて考えたいラジオの聴取率調査システムについて

ビデオリサーチによるラジオの聴取率がどんなやり方で調査されているかを解説した記事を読みましたけど、
「本当はリアルタイムで聴いていなかったけど」
「この回は聴き逃したけど応援したいから」
「聴いたけど面白くなかったから書かない」
「この放送局を応援したいから全番組聴いていたことにしよう」
「今は聴いてないけど昔はよく聴いていたから」
「番組は聴いたことがないけどこの人が好きだから」
「面倒臭いから

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ネタ番組の観客=女性はいつからどんな理由で始まったのか、その分岐点と影響について

ネタ番組の観客=女性はいつからどんな理由で始まったのか、その分岐点と影響について

BSよしもとで放送されているかつての人気演芸番組「花王名人劇場」(特に初期)を観ると、客席には男女の分け隔てなく、年齢層も高めの人達が集まっているのがわかります。
では、いつから「ネタ番組の観覧客=若い女性」になっていったかと言うと、恐らく80年代に漫才ブームを起こした「THE MANZAI」が分岐点で、それまでは古いイメージのあった漫才を新しい「MANZAI」として届けるには「歓声」が必要だった

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「前時代的」と簡単に言えない「THE W」の存在理由

「前時代的」と簡単に言えない「THE W」の存在理由

長い間、一般的なお笑いライブは「女性人気が高い男性芸人」と「男性人気が高い男性芸人」の二極化していて、前者が不当に低く見られる゙立場にもありましたが、見逃せないのは「女性芸人」が脇に置かれているところで。
これが他の芸能やスポーツの「男性ファンが女性に付きやすい」「女性ファンが男性に付きやすい」という傾向とは違う日本のお笑い界の独特な環境だったわけで、このことで女性芸人の皆さんは立場的に苦戦を強い

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中島知子さんが作っていたかもしれなかった「女性MC」の道筋

中島知子さんが作っていたかもしれなかった「女性MC」の道筋

中島知子さんがあのまま東京のテレビの中心で活躍していたらゴールデンタイムで完全な形の単独MCを務める番組も始まっていたはずですし、賞レースの審査員席に座っても何の違和感もない存在になっていたのでは。
山田邦子さんが「唯一天下を取った」と言われていますが、本当はその位置に来ていたのが中島さんで、更には次の世代の女性MCが生まれる流れもスムーズにできていたのかもしれません。
中島さんの松竹退社による全

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「角元明日香のせまいところが好き!」第50回(10/22生放送)募集コーナー

「角元明日香のせまいところが好き!」第50回(10/22生放送)募集コーナー

・今週のせまい…あなたが思うこの世の中の「せまいところ」を送って下さい。
角元さんがオープニングで叫びます。
(例)
「靴下売り場の大きいサイズのコーナー!せまーい!!」

・教えて!あなたのせまいとこ…あなたの狭い趣味やこだわりを聞かせて下さい。

・せまビアの泉…あなたが知っている「せまい雑学」を送って下さい。
(例)
「第49回までの『おまかせ!せますぎソムリエ』におけるテキーラ提供率は…約

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藤田菜七子騎手の事件の背景にある「男性中心社会」について

藤田菜七子騎手の事件の背景にある「男性中心社会」について

週刊文春が大きく報じたのは藤田菜七子騎手が「人気『女性』騎手」だからであって、同時期に複数の騎手が厳重注意を受けているのに藤田騎手だけがターゲットになって記事が作られているのがその証拠で、それをベースに処分するのは果たして公正な判断と言えるのか。
しかも本人の言い分とは真っ向から食い違う中で、提出された引退届をそのまま受理して幕引きにしようとしている。
デビュー以来、藤田騎手は成績とは関係ない形で

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「ちむどんどん反省会」を「流行語」認定したことの罪深さについて

「ちむどんどん反省会」を「流行語」認定したことの罪深さについて

2022年の新語・流行語大賞のノミネートの中に「ちむどんどん反省会」を入れてしまった選考委員の罪深さは年を追う毎に強くなっていると思います。
あくまでもネット上の一過性の動きとして留めておけばあの作品だけで終わる可能性が高かった、それがノミネートによってああいうネガティブな盛り上がり方に半ばお墨付きを与えてしまった、そのことによって新たな朝ドラが始まる度に、評論とは程遠い「反省会」と言う名の粗探し

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