たまごの旅人/近藤史恵
最初は、なりたてホヤホヤのツアコンである主人公の気苦労耐えない話が続いて、
一緒になって気疲れしてまったけど…
章を重ねるごとに、
主人公の成長がうかがえることができた。
自分が望むような人生がそろそろ諦めなきゃいけない現実と、
他人から見た輝かしい自分とのギャップで藻掻くけど…
人生で得られるものは、
自分が望んだものと形は違っても、
ひょんなことから、
素敵なことが転がり込んでくるかもしれない。
そんな事を主人公とお客さんとのやり取り、
コロナ禍になってしまってからの主人公の生き方を通じて、感じ取ることができた。
近藤史恵さんが書く文章は、
とっても親しみやすくて優しい。
「旅に出るカフェ」シリーズでもそうだったが、食べたことない料理や、行ったことのない街の描写が素晴らしいと思う。
見たり食べたりして味わった気持ちがちゃんと伝わってくる。
苦悩しながらも成長を続ける登場人物たちに感情移入もしやすいし、応援もしたくなる。
わたしも、失敗続きでもいいから、ゆるく頑張ろうと思える。
またご縁があったら、近藤史恵さんの本を読んでみたいな。