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【考えよ、問いかけよ】留学すべき理由が言語化された書籍
日本は衰退している。
そんな言葉をよく耳にしますが、本当なのでしょうか。
先日ベトナム旅行をしたのですが、とにかく活気があり、アジア圏だけでなくたくさんの欧米人が観光していました。ベトナムは驚異的な速さで経済成長しており、GDPは2000年以降右肩上がりです。
ベトナムのエネルギーを肌で感じた私は、「一人ひとりの行動やそれらによって作られるモノが放つ、目に見えない活気が今の日本にはない」と感じました。
だからなに…
もちろん、楽しい旅行だったので、もしも海外旅行をしたい人が周りにいればベトナムをおすすめしますし、帰国後数週間経った今でも旦那と思い出話をすることはあります。
ただ、大学を卒業して就職し、30歳を前にフリーランスという働き方を選んだ私に、”ベトナムの活気”が何をもたらしてくれるのでしょう。むしろ、そこで得た気づきを仕事に活かすエネルギーもそれほどありません。
私は、大学時代に約半年イギリスに留学したことがあります。短い期間、かつ留学後の勉強を怠ったこともあり、十分な英語力が備わっているとは言い難く、仕事で活かせるようなレベルには達しませんでした。
ただ、留学後は海外留学をいろいろな人に勧めていました。「英語が話せるようになるといよりも、自分で何とかしなくてはいけないという行動力が身に付く」「他人と孤独との戦いを経験できる」など、もっともらしいことを並べていました。
海外留学を経験、または海外旅行の価値を頭の中では理解できているものの、「その価値をうまく伝えられない」「英語をしゃべれるようになったわけでもない私が海外留学を勧めても説得力ないよな…」など、海外留学を終えて約8年経とうとしている今でも考えることがあります。
そこで最近見つけたのが、黒川清さん「考えよ、問いかけよ」。
著者は東京大学医学部卒業、病院勤務を経て渡米。本書では自身の経験をもとに、海外留学の必要性・縦ではなく横とのつながりをもつことも大切さ・大学生活の送り方などの学びについてだけでなく、グローバル化が加速する現代で日本がどれだけ後れを取っているかを述べています。
医療や科学、福島原発事故など知見がない人にとっては少し難しいと感じる用語がいくつか出てきますが、全体のメッセージとして「日本はこのままではマズイ」を一貫して述べているので、読みやすい本といえます。
私が最も印象に残った一文が、こちらです。
「世界に自分が存在する意味を見出すことができるようになり、自分自身のことも深く感じ取れるようになります。つまり、海外に出ればグローバル化した社会における日本の課題と自分の可能性に気づく機会が飛躍的に伸びるのです。」
海外へ行くことの意味を言語化できなかった私の頭は、この一文でスッキリ。
”海外留学=成功を手にする”と思っている方も多いでしょう。実際、私も海外留学するまでそう思っていました。
しかし、海外留学はきっかけに過ぎず、ただそのきっかけ、つまり0→0.1こそ大事なのです。0から何かを生み出すのに、自分の頭だけでは不可能です。むしろ、新しい発見をするのに自分の頭なんて役に立ちません。
たとえ小さくても、他との刺激こそ後の成功(失敗も成功への一歩)に近づくための必須材料なのです。だからこそ、異文化の中に身を置くことで日々刺激を得らえる海外留学が、人の成長に大きく貢献するのです。
ベトナムで感じた活気をうまくビジネスに消化できていない私ですが、「日本よりも活気がある」と感じたのは事実です。
1(ビジネスに活かすなど)、または100(成功を表す)をすぐ手に入れようとするのではなく、0.0001の気づきを得られたことにまずは喜びたいです。
その小さな点をたくさん集めることで、人は自分だけでなく相手を地域を国を刺激できるようになるのかもしれません。その結果、活気を取り戻すことができれば…