自動墨すり機
2歳7ヶ月の娘が
僕の小さい頃にも妻の小さい頃にもそっくりだと気づいた
親子ってすごい
どっちにも似るのか
ある人から「お父さんと歩き方がそっくりですね」と言われた
言われて記憶を手繰ってみる
子供の頃手に鞄を持って出ていく父親を見送っていた
なんか喋り方と同じようにボソボソとした雰囲気で
トボトボと歩いていたような気がする
今の僕はふと自分の歩くスピードが遅いことに気がつく
どんどん後ろから人に抜かれていくからだ
そんなにシャキシャキ朝から早足で歩けない
どうも父親に似ているらしい
きっと性格も似ているのだろう
晩年の父は家で趣味の書道に取り組む姿だけが印象深い
自動墨すり機を持っていて
「これ高かったんだよ」と少し自慢げにされたっけ
書いたものを自慢せず機材を自慢する
そんな少しズレたところは多分そっくりだよ
その自動墨すり機は使われなくなって17年経つけど
まだお母さんは捨てられないでいるよ
お父さん