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読書感想文:人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント〜KPIってこの3つの概念だけ抑えればいいのでは…?〜
プロジェクトを動かすには共通の指標(KPI)が必要。
KPIの設定の仕方を学びたくて読んだ。
概要
本著にはKPIの定義、他社事例、KPI策定、測定の方法が説明されている。
それぞれが端的に述べられており、シンプルで読み進めやすい。
KPIの定義
・対象となる事業活動において、定めた目標の達成度合いや、目標達成に向けた主要な活動の進捗状態を図るための定量的な指標
KPIマネジメントの定義
・各種分析検討に基づくKPIの設定と、それに必要な取り組みの導出
・KPIの測定と、KPIの実効性についての検証と必要に応じた改善
所感
プロジェクトの目標や指標を立てたことなかったので、まずは言葉の意味から知ろうと思い、本著を手に取った。読んだ直後は「アルファベット三文字とその説明文が続くなぁ…」という、何とも浅はかな感想しか持てなかった。
知識を仕入れた気になって、実際にKPIを書き連ねたものの、どうもうまくワークする気がしない。絵空事感があるというか、どこかで見たことがあるような指標というか…。
改めて本著を開き、書いてある記述を見直してみて再トライ。そのときに初めて人に話したくなるようなKPIが設定できた。
やはりInputし、Outputしてみないと身になっているかわからないものだな、と痛感。今後はそのKPIが予想通りワークするか否かを観測しながらプロジェクトを進行する。
どんな人にオススメ?
自分のように、設定したKPIが正しさを検証したり、また他社事例から改めて学びたい人にはオススメしたい。
詳細&自分用メモ
一番参考になった箇所を紹介する。
KPIの3つのレベル
1. KFI (Key Financial Indicator):重要財務指標
2. KRI(Key Result Indicator):重要結果指標
3. KRI(Key Action Indicator):重要行動指標
自身が書いたKPIをこの三つに分けて検証したときに、プロジェクトの指標をブラッシュアップすることができた。
1. KFI (Key Financial Indicator):重要財務指標
事業活動の大目的である「財務的な成果」を把握するための指標のこと。
個人的にはKPIといえばコレをイメージすることが多い。
例として総売上高、販売金額、営業利益など。
自分はプロジェクトの半年間の売上を設定。
2. KRI(Key Result Indicator):重要結果指標
KFIに最も効果的につながっていく「あるべき状態(Key Result)」がどの程度成立しているかを把握するための中間指標のこと。
例として顧客の推奨率、リピート購入率、見積獲得数など。
初めて聞いた単語ではあったが、続くKAIと地繋ぎで考えると腑に落ちる指標。
自分は会員数やプロダクトに対するユーザーエンゲージメント率を設定。
3. KAI(Key Action Indicator):重要行動指標
KRIを高めていくために、「個人として / 組織として」どれだけ具体的なアクションを取れたか把握するための指標。企業や担当の意思によってコントロールできるアクションに施す。
例として顧客への訪問回数、新規コンタクト件数、店舗による販促実施数など。
ここで初めて個人の努力というか、気合いの見せ所的な指標を入れていく。
自分はプロダクトを紹介するDM、SNSの投稿数などを設定。
ざっくりKPIとして一つの目標を作り、メンバーがそれぞれ解釈して行動を決めてもらうよりも、これくらい粒度を細かく設定したほうが何をすべきか明確にしやすく、またその指標を見た際にメンバーがどこに気合いを入れてバリューを発揮するのか決めやすいと感じた。
また、KAI→KRI→KFIと、実現するタイミングが早いもの→遅いものを時事系列に整理することで、「何のためにこのアクションを頑張るのか」という認識ズレが起こらなそうだ。
KPIは事業戦略そのものである
一ページの最初の文章である。
冒頭にも書いた通りピンと来なかったのだが、読み終えて、手を動かし終え、そして再度読んでみて理解できた。
KPIのために人が動き、また人が動くためにKPIがあるという相互作用するものが必要だと実感した。
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つぶやき
KPI系の本とか記事って英単語多いですよね…
個人的には本当に上の三つの指標と概念だけ覚えておけばいい気もする。