山地雅子 社会保険労務士

両立支援で生産性を向上させる人事コンサルタント。社会保障を知らず介護離職した経験から正しい知識の普及と啓発をするため社会保険労務士になる。中小企業が「人材確保」と「定着率を向上」させるには、従業員の課題解決がカギを握る。育児や介護、治療と仕事の両立支援をテーマに活動している。

山地雅子 社会保険労務士

両立支援で生産性を向上させる人事コンサルタント。社会保障を知らず介護離職した経験から正しい知識の普及と啓発をするため社会保険労務士になる。中小企業が「人材確保」と「定着率を向上」させるには、従業員の課題解決がカギを握る。育児や介護、治療と仕事の両立支援をテーマに活動している。

最近の記事

「2025年問題に備えて、今から準備を始めませんか?」

社会保険労務士の山地です。 今年も早いものですでに2/3が経過しました。いよいよ2025年問題が目前に迫っています。2025年には団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になり、超高齢化社会が本格化します。労働人口は減り、社会保障費が増大し医療や年金制度の維持が困難になるなど、私たちの生活にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。 特に深刻なのは介護職の人材不足です。訪問介護員(ヘルパー)の2022年度の有効求人倍率は15.53倍。仕事を求める人、1人につきなんと15社から

    • 「今こそ取り入れたい!多様な正社員制度で人材確保と職場の魅力アップを実現」

      社会保険労務士の山地です。 私は社会保険労務士の業務に加え、キャリアコンサルタントとしても活動しています。三重県からの委託を受けて、高齢者の介護、障害者の日常生活のサポートや就労支援、生活に困っている方の自立支援や保育などの「福祉の仕事」を探している、または関心がある方の職業相談を月に一度、ハローワークで行っています。 最近特に増えているのが、「家庭と両立できる働き方がしたい」という相談です。 相談者は女性が圧倒的に多く20~30代で育児中の方や、40代後半以降で介護が

      • 育休取得実績のない会社には就職したくありません ~男性育休の取得促進、避けては通れない経営課題です~

        社会保険労務士の山地です。 少子高齢化が進む中、企業が直面する最大の課題の一つは、労働力人口の減少です。大手企業に限らず、多くの中小企業も採用難に悩まされ、従業員の高齢化が進んでいることでしょう。事業を持続的に発展させるためには、技術の継承や職場の活性化を担う若年層の採用が欠かせません。 では若年層と聞いて、あなたは何歳くらいの人をイメージしますか? 一般的には高校を卒業した18歳から第二新卒とされる25歳くらいまでではないでしょうか。 2024年7月31日に発表された

        • ~中小企業の事業主の皆さんへ~仕事と介護の両立支援の取り組みは「今」が絶好のチャンス!! 助成金活用のススメ

          社会保険労務士の山地です。 仕事をしながら家族の介護をしている、いわゆるビジネスケアラーは2025年に300万人を超えると言われています。家族の介護・看護のために離職する人は年間約10万人。家族の介護に直面する人は管理職や中核人材であることが多く、人材不足で採用困難な中小企業にとってこの人たちが離職すれば経営上、大きな痛手になります。団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になるまで、あと7か月余り。両立支援に待ったなしです。 先週金曜日(5/24)に仕事と育児・介護の両立

          「幸せとは、足るを知ること」 ~災害を通じて気づく幸せ~

          能登半島地震から2か月が経ちました。発災直後から医師、看護師、業務調整員(救急救命士や薬剤師などの医療職および事務職)からなるDMAT(Disaster Medical Assistance Team)災害派遣医療チームが現地で活動しています。たびたび報道されているのでご存じの方も多いと思います。それではDWATはご存じでしょうか。 DWATのWはWelfareで「福祉」を意味します。災害時における、長期避難者の生活機能の低下や要介護度の重度化など二次被害防止のため、一般避

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          「合同企業説明会に出席するのは誰?~人選を間違うと成果につながりません~」

          社会保険労務士の山地です。 今回は合同企業説明会に出展する際に、案外見落としがちな「出席者」についてお話したいと思います。 先月初めに福祉職の合同企業説明会がありました。その直前に事務局に出展予定の事業所から問い合わせの電話がありました。以前から何度か出展されている事業所なのでご不明な点は何だろう?と思ったら、当日の出席者についてでした。 その事業所はいつも人事担当部署の方がおひとりで出席されていました。今回はその担当の方ではなく、施設長がおひとりで出席しようと思うがい

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          その求人票、誤解されるかもしれません!? ~福祉職の新卒求人~

          社会保険労務士の山地です。 今日は採用活動において最も重要な求人票についてお話したいと思います。 今回のケースも合同企業説明会に初めて出展される福祉施設を訪問したときのことです。この施設は会社自体も新しく、障害者のグループホームを新規で立ち上げたばかりです。新たにオープンする施設は求職者には非常に人気があります。 その秘密はズバリ、人間関係においてみんな一緒にスタートできるからでしょう。既存の施設ですと、すでに出来上がっている職場の人間関係に馴染めるのか? 果たして自分

          その求人票、誤解されるかもしれません!? ~福祉職の新卒求人~

          説明資料は“求職者用”になっていますか? ~人材採用に絶対必要な視点は求職者目線~

          社会保険労務士の山地です。 前回に続き、今回も福祉施設さんが合同企業説明会に出展する際に注意したい点についてお話します。 これまで合同企業説明会というものに一度も出展したことがない、ある児童発達支援施設を事前訪問したときのことです。 児童発達支援施設とは、障害のある未就学のお子さんが定期的に通って自立するのに必要な技能や知識などの習得、日常生活に必要な基本動作や集団生活に順応していくためのコミュニケーショントレーニングなどを行う施設です。 特設サイトに掲載する資料や会

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          求職者の心をつかむ! 人材獲得競争をリードする画像の活用

          社会保険労務士の山地です。 新型コロナウィルスが5類に位置付けられ、最近は観光地も街中も以前の賑わいを取り戻しつつあります。 そうなるとまた激しい人材獲得競争が繰り広げられることになります。私は自分の事務所の仕事以外に県の委託事業にも従事している関係で、福祉施設さんの採用・定着の支援をかれこれ7年しています。これまでの経験から採用活動を効果的に行う方法について、ご紹介したいと思います。 先日開催された合同企業説明会に初めて出展する事業所に対し、この春から2か月余りにわた

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          病院受診や介護保険の利用で親に無理強いしていませんか?

          社会保険労務士の山地です。 先日、知り合いの女性からこんな話を聞きました。 近所に住んでいる実母を訪ねるたびに身体の不調を訴えられます。正確にはわかりませんが、関節リウマチのようです。医療機関を受診して医師から薬を処方され、様子を見てそれで良くならなければきちんと治療しましょうと言われても積極的に治療を受けようとしないそうです。 この痛みさえなければと、ある意味自分を“だましだまし”過ごしていらっしゃるようで痛みを自分に訴えられてもどうすることもできません。彼女にしてみ

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          法改正への期待が高まる、仕事と介護の両立支援

          社会保険労務士の山地です。 総務省が発表している「就業構造基本調査」によると、介護・看護を理由に仕事を辞める人は年間約10万人で推移しており、高止まり傾向にあります。介護をする必要に迫られる人は40代後半以降の人で、社内では管理職や中核人材であることが多いです。同省が発表した昨年10月1日時点での日本の高齢化率は29.0%。高齢化率が高くなるにつれ、介護をする人が増えていくことは想像に難くありません。 経済産業省の試算によれば、介護離職による経済損失は年間約6,500億円

          法改正への期待が高まる、仕事と介護の両立支援

          介護休業だけじゃない ほかにもあります両立支援制度

          社会保険労務士の山地です。 前回は仕事と介護を両立するための制度のなかで利用したことはなくても、名前くらいは聞いたことがあるというものの代表格である「介護休業」についてお伝えしました。 育児介護休業法に基づく両立支援制度は介護休業だけではありません。今回は他の制度についてご紹介します。 「介護休暇」 これも言われてみれば、ありそうだなと思う方もいらっしゃるでしょう。介護休暇は対象家族を介護するための休暇となっていますが、介護休業同様に実態として介護するためのものかといえ

          介護休業だけじゃない ほかにもあります両立支援制度

          介護休業は介護をするための休業ではありません ~育児介護休業法に基づく両立支援制度、あなたはご存じですか?~

          社会保険労務士の山地です。 前回は急速に少子高齢化が進む日本において、75歳以上になると要介護になる人が増えること、家族の介護に直面する人は40代後半から50代の人に多く、その日はある日突然やってくること、介護に直面したからといって安易な退職はハイリスクであることなどをご説明しました。 退職せずに仕事と介護を両立しながら働き続けるために必要なものは「両立支援制度」と「介護保険」の知識です。 両立支援制度のなかで実際に利用したことはなくても、聞いたことはあるというものの代

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          団塊ジュニアの皆さん、準備はできていますか? ~11月11日は「介護の日」~

          「介護の日」は介護について理解を深め、介護業務に従事する人や介護サービスの利用者とその家族を支援し地域社会での支えあいや交流を促進する観点から、国民への啓発を重点的に実施する日として、平成20年に制定されました。(厚生労働省ホームページより一部抜粋) 介護の日が制定された年に社労士試験に合格し、すでに母の介護(看護)を経験している私は個人的に親しみを感じる日です。(*^_^*) 少子高齢化が急速に進む日本 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合を示す高齢化率は2022年9

          団塊ジュニアの皆さん、準備はできていますか? ~11月11日は「介護の日」~

          求人票、古いままになっていませんか? ~職業安定法が改正されました~

          社会保険労務士の山地です。 今日はマイナーであまり注目されていない(^_^;) 10月1日に施行された改正職業安定法について、求人・採用の観点からどのような点に留意すべきかについて、お話したいと思います。 法改正の目的は次の2点です。 1.求職者が安心して求職活動できる環境の整備 2.マッチング機能の質の向上 そして、改正のポイントは3点あります。 1.求人等に関する情報の的確な表示の義務付け 2.個人情報の取扱いに関するルールの刷新 3.求人メディア等について届出制の

          求人票、古いままになっていませんか? ~職業安定法が改正されました~

          ~中小企業の人事ご担当の皆さんへ~ 10月1日出生時育児休業制度がスタート。対応準備はお済みですか?

          お久しぶりです。社会保険労務士の山地です。2か月ぶりの投稿です。 今日は施行が目前に迫った育児介護休業法の「出生時育児休業制度」について、労務管理の観点からお話します。 少子高齢化が加速する日本。令和3年人口動態統計の概要によると、出生数は81万1622人で、前年の84万835人より2万9213人減少し、調査開始以来最少になりました。 仕事と家庭の両立をめぐる現状として、約5割の女性が出産・育児を機に退職しておりその理由のトップは仕事と育児の両立の難しさと回答しています。

          ~中小企業の人事ご担当の皆さんへ~ 10月1日出生時育児休業制度がスタート。対応準備はお済みですか?