社労士の営業方法 開業当初編2
鹿児島で社労士をしています原田です。
社労士の開業セミナーや、売上アップセミナーや、成功体験談を聞いても、ほとんどの講師が口を開かない開業当初の営業についてお話します。
前回も参考にして下さい↓
最初の1を作る心構え
前回が、肝心の話の前に終わったので、その続きです。コネなし、金なし、経験なしで最初の一件目の顧問を得るのは、本当に至難の業です。開業後の未来を夢見た方でも、現実に勝てないで消えたりしています。
顧問の一件目を取るために必要な心構えがあります。
1.基本はスポットのお客様です
既に従業員がいるのに労災の成立すらしていない企業から依頼があると、
「やったー顧問先ゲットだぜ」
と、ぬか喜びしてはいけません。基本的にその場だけのスポット依頼です。入退職の手続きでも、助成金でも、基本的に顧問契約まで至らないことの方が多いです。
顧問でないと助成金は受けないと言う社労士もいますが、それで依頼を受けられなくても、経営上で何も困らないからできることです。
弁理士・不動産鑑定士・司法書士・行政書士は、全件スポット依頼でに成り立っている士業です。社労士でも障害年金専門だと全件スポットです。「顧問契約じゃないから嫌だ」と思う気持ちは完全に捨てましょう。
2.相手のメリットを考えましょう
あなたと顧問契約すると、企業にどんないいことがあるのでしょう?そしてそれは費用に見合っているのでしようか?
「必要ない物を必要だと感じさせて契約するのがコンサルタント」
とか揶揄されたりしますが、本当に必要無いと気付いたら、そこで終わってしまうので、長い取引にする為には、それなりのパフォーマンスが必要です。
・ひたむきな姿勢
・多く可能な訪問回数
・前職の経験
・若い有資格者
何でもメリットになり得ます。
とある社労士は、「勘違いした自己認識」だけで成長した人がいます。
3.先輩方のアドバイスを冷静に分析しましょう
社労士会や社労士の集まりに行くと、様々な助言をもらえる場合があります。多くは良かれと思って言って下さるのですが、それを言葉通りに真に受けてはいけません。
私が開業当初に受けたアドバイスでは、
「助成金はやめた方がいいよ」「安い料金で受けると後で後悔するよ」「営業しなくてもそのうち顧客は増えるよ」と言われました。
私の分析的には、
「助成金はやめた方がいいよ」
多くの先生がやめた方がいいと言うなら、新人はあえて取り組まないと差別化ができない。
「安い料金で受けると後で後悔するよ」
多くの先生がこう言うということは、最初は安くで売上を作っていったという事実があるということ。相手の規模に応じて少しでも売上を積み重ねることから始めるなら、安くでも取らないといけない。
「営業しなくてもそのうち顧客は増えるよ」
言ってるのは「増える」話で、最初の1の話ではない。
と変換して、事業スタイルを作っていきました。
先輩方が言われるように助成金で顧客を失ったり、当初に安く取ったところが料金を上げられなくて困っていたりしているので、嘘では無かったのですが、それで生き残れるのであれば、個人的には間違っていなかったと感じています。
4.辞め時を決めましょう
実は一番大事です。
開業した時代背景や運・不運によって、延々と全く効果が出ない場合はあります。また、事実上開業社労士としての適正が乏しい可能性もあります。
当初の資金はどんどん減っていき、家族から糾弾され、臨時的に取り組んだアルバイトが本業になっていくパターンの方もいます。
そのため「いつ辞めるか」は決めておいた方がいいです。有資格者である事実は変わらないので、勤務社労士でも可能ですし、行政で働くことも可能です。労務知識を持った管理職として転職できる場合もあります。
ちなみに私の場合は、当初準備した資金が無くなったら辞めるという約束をしてから始めました。一時期残高2万円まで減りましたが現在も社労士が継続できているのは、そこまで不運では無かったのかもしれません。
5.事業主である自覚を持ちましょう
開業したら個人事業主です。事業主は全て自分の責任で行動し、その責務は自分で負います。売上が上がらないのも自分の問題だし、受託した仕事をこなす為に、夜中まで仕事するのも自分の責任です。
時々売上が上がらないことを、他の社労士が悪いとか、企業を紹介しない社労士会が悪いとか責任転嫁する人もいます。ほぼ全ての事業主から見たら、鼻で笑われる程度に蔑むぐらいの恥ずかしいことです。
そしてそういう事業主と交渉して、契約を結ぶという事実を理解しなければいけません。
ということで、次は実際に最初の1を作る手法の話をします。