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個々人が知っておきたい新型コロナ関連支援策まとめ 【各制度へのリンク付き】

本記事は、5月2日に配信したポッドキャストの文字起こしに、配信後の補足と各問い合わせ先へのリンクを加えたものです。


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支援策をタイプ分けして整理する

今回は、新型コロナウイルス関連の影響を受けている個人の方に対する支援策をまとめたいと思います。

まず、支援策を受ける個人の方は、大きく次の3つの局面に分けられます。

① 生活費(家計)に関する部分
② 個人事業主として事業をやっている場合の事業資金に関する部分
③ 会社員の方で、会社が休みになった場合の給与に関連する部分


また、支援の受け方も大きく3つの方法に分けられるので、先に整理しておくと理解が進みやすいかと思います。

(a)受け取れるもの(返済は不要)
(b)借りられるもの(受け取った後、後々返済する必要がある)
(c)今支払い義務があるものの納期を遅らせられる、納付金額を減額あるいは免除されるもの

ということで、これらを①〜③の順番に見ていきます。


① 生活費(家計)に関する部分

(a)受け取ることができる

✅特別定額給付金

1人10万円がもらえる、という話がニュースでも話題になっていますが、これは特別定額給付金といい、4月27日時点で住民基本台帳に記録されている方に、1人あたり10万円を支給する、という制度です。返済の必要はありません。

注意点として、申請は世帯主が行うことになっており、世帯主がその世帯の人数分まとめて手続きをして、受け取りを行います。一部、DV(家庭内暴力)がある場合などについては、申請・受け取りを世帯内で分けられる措置もあるようなので、該当する方は個別に調べてみることをおすすめします(下記ポータルサイト内に案内があります)

実施主体は総務省ですが、運営主体はそれぞれの市区町村となるため、市区町村ごとに案内の時期や受付の時期がバラバラになります。詳細はお住まいの地域でご確認ください。

申請方法は郵送かWEBとなりますが、WEBから申請する場合は、マイナンバーカードを持っていることが要件となります。

上記サイト内に、日本語、英語、中国語、韓国語、他計12ヶ国語でのパンフレットがあります。


✅子育て世帯に対する臨時特別給付金

子育て世帯に対する臨時特別給付金という支援策もあります。児童手当を受給している世帯に対して、対象児童1人当たり1万円を支給する、という制度です。返済の必要はない、もらえるお金です。こちらは特に申請は不要で、6月に支払われる児童手当に上乗せして支給されることになっています。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/pdf/rinji/gaiyo.pdf

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ここまでが幅広く当てはまりそうなものです。


次に、生活に影響が出ている方に対する支援策についてです。

✅住宅確保給付金

収入が減少し、家賃の支払いが困難で、このままだと家に住み続けることができないという方に対しては、住宅確保給付金という支援策があります。主体は、各市区町村の自立相談支援機関です。

家賃の全額ではありませんが、東京都の場合、一人世帯であれば5万3700円、二人世帯であれば6万4000円を上限に、3か月間給付を受けることができる仕組みになっています。受給期間は、最長9か月まで延長することが可能です。

自立を支援する施策のため、収入要件や資産要件、求職活動(※)をしているかどうかといった各要件を満たしているかの審査があります。まずは、自立相談支援機関へのご相談をおすすめします。

※4月30日時点で、求職活動要件が撤廃され、より使いやすいものへと変わっていました。(案内資料

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自立相談支援機関では、自立相談支援を行っています。生活が困窮した世帯に対して、生活相談や個別支援を提供したり、就職支援などのサポートをしてくれることになっているので、覚えておくとよいかと思います。

それでもなお最低生活費を下回った場合には、生活保護(最低限の生活費に満たない部分は保護費として支給される)といったセーフティネットの仕組みもあります。


(b)借りることができる

✅緊急小口資金・総合支援資金

生活費に関しては、融資制度の支援策もあります。社会福祉協議会という機関が、社会福祉の貸付制度として、無利子・無保証の融資枠を提供するものです。収入の減少によって一時的な資金が必要な場合や、しっかりとした立て直しが必要な場合の貸付プランとなります。

こちらも審査があるため、必ず借りられるというわけではありませんが、一時的な収入の減少に対応する緊急小口資金であれば20万円、総合支援資金であれば、二人暮らし以上の場合、月20万円が3か月分まで(=最大60万円)が無利子・無保証で借り入れ可能です。返済期間も、総合支援資金の場合は10年間まで認められているため、このようにお金を借りられる福祉制度があるということを覚えておかれるとよいかと思います。

また、緊急小口資金と総合支援資金はそれぞれ併用ができるため、最初の月に緊急小口資金を使い、その後総合支援資金を使う、といった組み合わせも可能です。この場合、最大80万円まで融資を受けられる仕組みです。融資にはあくまで審査があるため、まずは社会福祉協議会にご相談ください。

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上記ページ内に、日本語、英語、韓国語、簡体字、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語版のパンフレットがあります。


ここまでが、受け取れたり、借りられたりするものに関してです。


(c)債務の納期を延長・納付金額を減額または免除してもらえる可能性がある

✅保険料や税金の支払い猶予

支払わなければいけないもの(国民健康保険の保険料や国民年金税金)について、収入が減少して一時的に納付が困難な状況であれば、猶予が認められる場合があります。

減免・猶予に関するそれぞれの申請方法は、各市区町村のHPで確認する必要がありますが、例えば、会社の社会保険料は、ひと月の売上が前年と比べて20%以上下がった場合、1年間は延滞金の発生なしで納付を猶予できます。


今回の新型コロナウイルス関連の影響で収入が減少していて、税金や保険料の納付が一時的に困難な場合、まずは「支払いを遅らせられるのか」を確認することが重要です。通常時よりも要件が緩和されています。

ここまでが、生活費に関連する部分でした。


② 個人事業主として事業をやっている場合の事業資金に関連する部分

(a)受け取ることができる

✅持続化給付金

持続化給付金の受付が5/1からスタートしています。法人の場合は最大200万円、個人の場合は最大100万円を受け取ることができる、という支援策です。返済不要です。

指標として、「前年の同時期と比べて月の売上が半減した」ということが要件であり、「売り上げが半減した月」は事業主が任意で選ぶことができます(4月の売上が要件を満たす場合、4月の売上をもとに申請する)。ただし、上記金額は前年に比べて収入の減少幅が最大額となるため、必ずしも100万円(または200万円)が受け取れるわけではないという点にご注意ください。申請から2週間程度で支給されるとのことですが、詳細はHPをご確認ください。


✅小学校休業等対応支援金

③で後述する小学校休業等対応助成金と同様の場面で、個人事業主は支援金の対象となります。業務委託契約などをもとに働こうとしていた日について、小学校の休校等が要因で働けなくなってしまった場合には、1日4,100円が支給されるというものです。要件や必要なエビデンス等については、下記HPをご確認ください。


(b)借りることができる

✅実質無利子・無担保融資

今回、事業資金に関して特別の融資枠も設けられているようです。実質無利子・無担保で、個人の場合(国民生活事業)は最大6000万円までの特別融資枠が設けられています。借入れには、主体となる日本政策金融公庫への申請が必要です。

この融資枠は、前年度と比べて売上が5%減少した事業者を対象としており、特徴として、返済期間が長いという点が挙げられます(設備資金であれば最大20年間、運転資金であれば最大15年間。据え置き期間が5年間あるため、5年間は毎月の返済が発生しない)。こちらも審査がありますが、検討する余地はあるかと思います。

※利子部分については「利子補給」という制度により、最大3年間は実質的に無利子になるという仕組みです。

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ここまでが、事業に関するところです。


③ 会社員の方で、会社が休みになった場合の給与に関連する部分

(a)受け取ることができる

✅傷病手当金

まず、新型コロナウイルスに感染した場合、欠勤扱いで給与が受け取れなくなってしまうのか?という懸念があるかと思いますが、この場合は健康保険から傷病手当金を受け取れることになっています。これは、療養中で働けず、給与の支払いがないときに、平均給与の約6割を給与の代わりに受け取ることができるというものです。働けなくなって4日以上会社を休んだ場合(3日間休んだ次の4日目から)、健康保険の中でこのような手当を受けることができます。


✅休業手当/雇用調整助成金

次に、自分は健康だけれども、会社都合で休みになってしまった場合。

会社には休業手当の支払い義務があります。会社都合で従業員を休ませる場合、会社には平均賃金の6割を従業員へ支払う義務があるという点を、覚えておいていただけるとよいかと思います。

雇用調整助成金は、個人が直接受け取れるものではなく、会社が申請して会社が受け取るものになります。


✅小学校休業等対応助成金

さらに、小学校が休校になった場合の助成制度に関して。

最大で1日に8,330円といった数字をニュースで耳にするかと思いますが、まず、これも雇用調整助成金と同様、個人が直接受け取れるものではありません。小学校の休校に伴って子どもの世話をしなければいけなくなり、会社を休む必要がある従業員がいた場合、その従業員に対して、もともとの年次有給休暇とは別枠で、有給休暇と同様の対応(休んだ日の賃金は全額支払う)をとった事業者に対して、最大で1日に8,330円まで助成する、といった仕組みです。

そのため、休んだ日の給与が支払われるかどうかについては、会社がその制度を利用するかどうかによって変わってきます。まずは会社へご確認いただけるとよいかと思います。


✅企業主導型ベビーシッター利用者支援事業

最後に、小学校が臨時休校になったものの会社を休めず、ベビーシッターにお願いするケースもあると思います。この場合、全国保育サービス協会から会社に対し、1枚2,200円のベビーシッター利用料の割引券を交付する形での補助もあります。こちらも個人が直接ベビーシッター利用料を受け取れるわけではありませんが、制度について念頭においておくとよいでしょう。


まとめ

支援策は様々あるので、「こういう時にはこういう制度があったな」と覚えておくのがよさそうです。例えば、問合せ先として、各市区町村の「社会福祉協議会」が社会福祉として貸付制度を行っていたり、家賃が支払えなくなった場合には、各市区町村の自立相談支援機関が相談に乗ってくれるというところを覚えておいて、必要に応じて周囲の方々へもご案内いただくことが大切だろうと思います。

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