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「また今度」はないかもしれない。気になるお店はすぐに行こう

前回(↓)に続き、飲食店に思いを寄せる記事です。
先日、少しショックを受けたので書き残すことにしました。

失われた「また今度」

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近所の洋食屋さんが閉店していた。

娘の予防接種の帰りに通りがかったら、張り紙がされていた。真っ暗な店内では椅子がテーブルに上げられ、空気が止まっている。

このお店に入ったことはない。
ただ、前回ここを通ったとき、お弁当と格安のステーキランチがポスターで宣伝されていた。「おいしそう、今度ここのお弁当を買ってみようかな」と思ったのだ。

それはいつだった?
先月? もっと前のこと? 思い出せない。

実は、右隣のお寿司屋さんも5月末に閉店していた。

この町に引っ越して少し落ち着き、夫とお寿司を食べようとしたある日、そのお店も候補に挙がった。結局別のお店にしたけれど、「機会があったらここにも来てみたいね」と話したのだった。しかし、子どもができて生ものを避けているうちにコロナ禍に突入してしまい、行かずじまいになった。
そして、もう行くことはできなくなってしまった。

「今度」「機会があったら」そんな日は来なかった。

のんきに構えていた自分が恥ずかしい。宙ぶらりんになった「また今度」が、心の中で揺れている。

「としまえん」閉園のショック

これは飲食店に限った話ではない。象徴的なもののひとつが「としまえん」の閉園だったと思う。

引っ越す前は練馬区に住んでいた。としまえんから3km弱という近さで、一時期は夜のジョギングで折り返し地点にしていた。
それなのに、遊びに行ったことは一度もなかった。夜の、真っ暗で誰もいない門扉しか私は知らない。

いつでも行けると思っていたのだ。
引っ越した後でさえ、いつか遊びに来ようと思っていた。
子どもがもう少し大きくなったら「お父さんとお母さんは、昔この近くに住んでいたんだよ」と話しながら園内を回りたい、なんて思っていた。

まさか無くなるなんて思っていなかった。
そんな考えの甘さを、このコロナ禍で次々と突き付けられている。

コロナ禍&商業施設だけではない

調べてみれば、としまえんの入園者はここ何年もピーク時より大幅に減っていたらしい。コロナ禍がなくても、近いうちに閉園していたのだろうか。少なくとも、いつまでも変わらずそこにあると思うこと自体に無理がある。

こうした後悔は、あちらこちらに転がっている。

あるライトノベル作家が、筆を折るという記事を載せていた。作品をアップしても感想が来ない、何の反応も得られない。それが続いたことが大きな理由だったようだ。記事にはたくさんのコメントが付き、「もっと早く感想を送ればよかった」というものもあったけれど、もう遅い。

連絡を取ることが減っていた地元の友人。
実家に残したままになった飼い犬。
機会を逸しているうちに、どちらももう二度と会えなくなってしまった。

「また今度」があると思うのは傲慢なのかもしれない。
もう手が届かなくなって初めて、ああすればよかった、もっとこうすればよかった、なんて後悔する。

それが顕著になるきっかけが、このコロナ禍だったのだと思う。

いろいろなお店があることの意味

飲食業界では依然苦しい状況が続いている。個人経営の店は言わずもがな、大手の外食チェーンでさえ大量閉店が相次いでいる。

この状況に大きなショックを受けつつ、焦りや危機感を抱いている。

産休・育休とコロナ禍が重なり、自分で料理することが多くなった。もともと苦手ではないし、周りからの評判も悪くない。ひとつのメニューでもいくつかレシピを見比べながら、好みに合わせてカスタマイズしていくのが特におもしろい。

それでも、自分で作ったものばかり食べていると、だんだんと飽きてくる。
自分以外の誰かが作った料理は美味しく感じる。
それは、自分と他人が違うからだと私は思う。

他人の作った料理を食べることは、自分と異なる考え方に触れることだ。同じ料理でも入れる具材や切り方、味付けなどが微妙に違う。そのバリエーションは、いろいろな人がいるからこそ生まれるもの。
つまり、いろいろな飲食店で料理のバリエーションと出会うことは、異なる考えに言葉を介さず触れることであり、多様な人々が生み出すこの世界の奥行きの一端に触れることなのだと思う。

だからこそ、自分の好みに合わないお店も含めていろいろなお店が存在することに意味があると思うのだ。
そしてそれを呑み込みつつある波の大きさに、いまさらショックを受けたのだった。

だから気になるお店にはどんどん行こう

閉店した洋食屋さんの張り紙を前にして、心を入れ替えることにした。
「コロナ禍が落ち着いたら」なんて考えをやめて、以前から気になっていたお店を積極的に覗いてみることにしたのだ。
0歳児を抱えているため行動範囲は狭く、店内での飲食も難しいけれど、テイクアウトを始めているお店もある。

洋食屋さんと同じ並びにある、餃子メインの定食屋さんがお弁当販売を始めていた。お手頃価格かつボリューミーで、興味をひかれていたお店だった。夫とあわせて2人分、買って帰ることにした。

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肉!白米!ガツン!!という感じで、とてもおいしかった。また食べよう。

積極的にお店を覗いてテイクアウトを利用したり、好きなお店が通販を始めていないか確認したり。いまの私にできることはその程度だと思う。

それでも「あのときああしていれば少しは違ったかな」という後悔はきっと少しでも減らせる。

それに、きっと私1人だけではない。
ひとりひとりは微々たる力でも、それが集まれば、きっと飲食業界を少しでも支える力に、そして子どもがこれから知っていく世界の奥行きを生み出す力になるのだと思う。

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もうじき育休が開けるので、お昼休みにどこへ食べに行こうかと、今から楽しみにしています。
Go to Eatキャンペーンもよい結果につながってほしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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