「戦略的撤退」
嫌な職場を退職する
苦手なことから逃げる
嫌いな人を避ける
この言葉の並びを見て、あなたはどう感じますか?
心配性わくわくは以前まで、
【逃げること=負け犬】というような、悪いイメージしかありませんでした。
しかしこの考え方にとらわれていたため、苦労した経験があります。
すぐに嫌なことから逃げてしまう自分は、なんて情けない存在なんだ…
「格好悪い」「弱い」「我慢が足りない」
周囲からそう思われているんじゃないか…と己のことを責め続けてしまい、結果的には自分に自信が持てなくなりました。
しかしそんな「逃げる」という選択肢も、「自分が考え抜いて起こした行動」であれば、それは立派な【戦略的撤退】となるのです。
いつの時代も「逃げること」は大切な「選択肢」の1つ
九州の島津義久という戦国大名が考案・実践したと言われている戦法の1つに、
釣り野伏せり(又は釣り野伏)というものがあります。
この作戦をざっくり説明すると…
1 戦場において全軍を「3つ」に分ける
2 そのうち2隊をあらかじめ左右に待ち伏せさせる
3 中央の部隊のみが敵に正面から当たり、敗走を装いながら後退する←「釣り」
4 敵が追うために前進すると、左右両側の待ち伏せ部隊に襲わせる←「野伏せ」
5 このとき敗走するフリをしていた中央の部隊も反転し、3方向から包囲する
このように作戦内容自体はとてもシンプルな戦法です。
しかしこの作戦はとても効果的で、この時代の島津義久の軍は、【九州最強の戦国大名】の称号を手にしていました。
もちろんこの作戦はシンプルながらも、実際は相手に気づかれないようにする演技、さらに裏をかくための作戦も用意するというような、
【戦いで勝つための戦略】がしっかりと練られていたことを忘れてはいけません。
この過去の戦法から学ぶことは、たとえ「逃げている」と周囲に見られていても、自分自身にしっかりとした考えや見通しがあれば、それは立派な【戦略】になるという心構えです。
「言葉」や「考え方」というのは本人が思っているよりも、「受け取り方」や「とらえ方」次第で「自身に与える影響」が大きく変化します。
なので「逃げること」を後ろ向きな考え方ととらえず、
【自分の選択肢の1つ】として前向きに考えて、有効活用していきましょう!
逃げ続けた先に見えてきた「未来」
「進化論」で有名なイギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンは、こんな名言を残しています。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは【変化できる者】である
いくら知能が高いと言われていても、人間も「自然の一部」です。
そう考えたら、生き残るためには【変化するための行動】を起こす必要があります。
自分の「考え」「行動」が伴っているのなら、周りに何と思われようとも、
それはあなた自身がワクワクする人生を過ごすために必要な【戦略】です。
ただしそんな「逃げる」ということに対して、1つだけ注意しておきたいことがあります。
これは心配性わくわくの経験ですが、最初は「戦略的」に逃げていたつもりでも、気がつくと「逃げるのが癖になってしまう」ということがあるのです。
「逃げること」はあくまで「目的」のための行動であり、「逃げること」を「目的」にしてしまってはいけません。
最初は何かしらの「あなたが決めた目的」があってこその「撤退」だったのが、あるとき気がつくと、
めんどくさい…
やりたくない…
あとでやろう…
というような怠け癖、行き当たりばったりの「逃げ」になってしまうことがあります。
逃げること、そして休むことはもちろん大切です。
しかしそれ以上に、人間の心の内に潜む「怠惰」という強力な欲望に、くれぐれも飲み込まれないように気をつけてください。
人間は「水」と同じで、高いところから低いところへと流れていき、溜まると腐っていくものです。
「目的を忘れてしまった撤退は、腐敗する環境へと一気に落ちる」
このことを常に忘れてはいけませんよね。