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コメダだけじゃない!名古屋人が地元愛でつい買っちゃう理由

都内に住むSprocketの蟹江さんは、数あるドラッグストアでも「スギ薬局」を愛用しています。それはスギ薬局が地元・愛知の会社だからだそうです。

蟹江さんの買い物エピソード「かいものがたり」から、地元愛と購買行動の結びつきについて紐解いていきます。

※この記事は、特定の商品・サービス・店舗を推薦あるいは批判する主旨のものではありません。


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「地元だから」は大きい

蟹江さんのプロフィール
・愛知県名古屋市出身
・転職の機に上京
・夫と二人暮らし

私がSprocketに入社したのは2年前、29歳のときでした。それまでは地元である愛知県の会社に勤めていて、Sprocketへの転職の際に初めて東京に引っ越しすることになりました。

都内の家の近くにはマツキヨにくすりの福太郎、ぱぱす、スギ薬局と4つのドラッグストアがあります。特にどこのポイントを貯めているとかもなく、売っているものもほぼ同じです。

ですが、スギ薬局が地元である愛知県の会社であることを知ってからは、自然とスギ薬局をメインで利用するようになりました。

愛知だとドラッグストアといえばスギ薬局というくらい店舗が多く、地元にいた頃は愛知の会社だと知りませんでした。県外に出て初めて同郷の人に教えてもらってそうだと知りました。

愛知の会社だからって何かあるわけではないのですが、愛着を感じ、スギ薬局を選んでいます。

スーパーで野菜を買うときも、愛知県産があればそれを買うようにしています。地元に貢献したいというほど意識が高いわけではないのですが、やっぱり愛知のものだと安心だと感じます。

愛知といえば、瀬戸焼や美濃焼などの陶器やタイルも有名です。東京に来てからも、お店を見かけるとついつい寄ってしまいます。

蟹江家にある瀬戸焼の食器

顧客体験の改善ポイント:
出身地に限らず、顧客が企業との個人的な共通点に気付けるような情報発信や接点が設けられているか?

体験が愛着を深める

名古屋って町がコンパクトにまとまっていて住みやすいんですよね。めいえき(※名古屋駅のこと。地元の人はそう呼ぶ)か栄に行けばだいたいなんでも揃います。

逆に言うと、行くところ・お店が決まっていて、そこへの愛着が自然と深まっているのかもしれません。

日本の真ん中にある立地的にも、どこに行くのにも便利です。国内のいろんな場所に旅行に出かけ、旅行が趣味になりました。ちなみに、愛知・岐阜・三重の東海3県は仲間って感じがしています。

トヨタに代表されるように工業も栄えていることから、地元での就職率も高いと思います。なので、ずっと愛知県に住み続けている人も多いのでしょう。

ミツカンの本社も愛知県の半田市です。本社の横にはMIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)があって、味ぽんのオリジナルラベルが作れるということで学生の頃に行きました。

MIZKAN MUSEUM

顧客体験の改善ポイント:
商品の機能的価値による差別化が難しい昨今、エンターテインメント要素を強く押し出した体験型コンテンツがブランドへのロイヤルティを高めるきっかけになり得る。

東京のカフェは少なくて高い?

名古屋といえば、喫茶店も有名ですね。東京の喫茶店に入ると、どこも量が少ない割に値段も高くて驚きました。名古屋の喫茶店といえば、モーニングサービスが特徴的です。コーヒー1杯の値段で、トーストなどがついてくることが普通なので。

老舗喫茶店のコンパルのエビフライサンドは絶品です。コンパルは名古屋にしかないので、今でも帰郷するたびに食べています。

名古屋発祥のコメダ珈琲店は東京にも店舗が多いので、こっちで喫茶店に入るなら「コメダなら安心」だと感じています

コンパルのエビフライサンド

顧客体験の改善ポイント:
文化レベルで定着した当事者にとっては当たり前すぎる企業やサービスの特徴を、それになじみのない場所に持ち込むことで強みとして際立たせることができる。

名古屋人はブランド好き?

名古屋人は派手好きでブランド物が好きな人が多いというイメージもあるかもしれません。それはまあ人によるでしょう…。

ただ、私は中・高・大学とずっと女子校だったせいか、周りにはブランド好きが多かった印象です。入学祝いとかで親からブランド物の鞄などをプレゼントしてもらっている子が多いのです。

私自身はすごく好きな特定のブランドはありませんが、幅広くいろんなブランドに興味があります。

東京に来てからは、ブランド物を買ったり、持ち歩いたりすることはかなり減りました。東京はどこへ行くのにも基本は電車で、しかも混んでいます。ブランド物の鞄は重いのが多いですし、汚したくないので、使う機会が減ったというわけです。


第一三共ヘルスケアの『“熱”に関する47都道府県調査』では、全国で最も地元愛が熱い都道府県は沖縄県でした。愛知県は6位という結果です。

地元愛が熱い都道府県(出典:“熱”に関する47都道府県調査|第一三共ヘルスケア

出身地や趣味など自分と共通点を持つ人に親近感を覚えやすい現象を、心理学では「類似性の法則」と言います。人の場合と同様に、企業が対象の場合でも「個人的な共通項」を見つけると自然と好感度が高まると考えられます。

また、その地域では当たり前のサービスが、他の場所では特別なものに見えることも少なくありません。様々な文化・風習に触れ、客観的な視点を取り入れることは大切でしょう。

皆さんの会社も、地域性を生かした強みの発揮の仕方があるかもしれません。

執筆:スプ論編集部


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