北欧、食器と暮らす沼にハマってみた
Sprocketのコンサルタント・守屋綾希さんは「北欧食器」の沼にハマっています。ハマってから15年で買い集めた食器類は200点以上。食器棚に食器が増えても家族は気づきにくく、内緒で増やせるところも沼ってるポイントだそうです。
沼った人の体験と思想から、底なしの購買欲の源流に迫る「沼る末路」。今回は、北欧食器沼の知られざる世界に迫ります。
北欧、暮らしの道具店のブログがハマるきっかけになったが、実際に買ったのは…
結婚するまで食器を気にかけたことなんかありませんでした。産休・育休期間中は家にいる時間が多く、インテリア系のブログを読み漁っていました。その時に北欧食器の情報に多く触れ、ハマるきっかけになりました。
「北欧、暮らしの道具店」のブログや「スコープ(scope)」というショップのメルマガなどをよく見ていた覚えがあります。
北欧、暮らしの道具店の店長の書いた、フィンランドのインテリアデザイン企業・イッタラ(iittala)のティーマ(Teema)というシンプルモダンな食器を使った離乳食の記事を読んで、ティーマにがっつりハマりました。食器好きの姉の影響もありましたね。イッタラのティーマはその界隈の人はみんな持っていておススメしているので、どんどん欲しくなっていっちゃいました。
北欧、暮らしの道具店さんには申し訳ないですが、実際に買ったのは楽天でした。欲しいものが決まっていたので、値段で買うところを選びました。
実際に手にしてみると、モノの良さを実感できましたね。食洗機でもオーブンでも使えて、雑に扱っても壊れにくく普段使いできるのは子育て世代にとって大事なところです。
北欧の歴史にも惹かれて
北欧食器はデザイン性や機能性、耐久性の高さが魅力です。私は料理が苦手なのですが、食器が良いと適当に盛り付けておいしそうに見える魔力があるんですよね。和食・洋食・中華、どんな料理ともマッチします。
イッタラの展示会やイベントで、ティーマのデザイナーのカイ・フランクが「必要な装飾は色だけ」と語っていることを知りました。100%LiFEの記事などでも触れられています。
ティーマは生活にも馴染むし、サイズもある程度規定のものがあるので収納しやすく、ちょっとくらい新しいものが増えても夫や家族が気が付きにくいので増えていってもとやかく言われることはありません。
また、北欧食器に関連する書籍や展示会に触れていくことで、北欧諸国は早くから女性の社会進出が進み、食器のデザインと機能もその中で磨かれてきたことを知りました。
特に、2021年に開催されていた「アアルト展(『アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話』展)で、点在していたデザインやプロダクトの背景に関する知識が一つの線でつながるような衝撃を受けました(アアルト展の詳細はこちらの記事で詳しく書かれています)。
デザイン的に優れているだけでなく、日常的な使いやすさがないと忙しい女性からの支持が得られなかったということです。そういった歴史的背景も、自分の子育てと仕事を両立したライフスタイルとマッチしていてより好きになっていきました。
私の兄は総合電機メーカーでアートディレクターをしています。兄が「社会的課題を解決するデザイン」の重要性や「自分の名を残すデザインではなく、生活に馴染む、自然とみんなが知っている・使っているデザインをしたい」と語っているのをよく耳にしていたことから、影響を受けているかもしれません。
いつでも眺められるように仕事用デスクにも飾っている
気が付いたら食器棚は北欧食器で埋め尽くされ、いつでも眺められるよう仕事用のデスクにもいくつか飾っています。きちんと数えたことはないですが、200点以上はあります。
買うときは数千円ですが、後にそれが廃番になるとフリマアプリでは10倍くらいに跳ね上がることもあります。それもあって、買えるうちに買っておこうと思っちゃいますね。
普段はネットショップかフリマアプリで買うことが多く、ヴィンテージや廃番品は店舗や蚤の市などで一期一会の出会いで買っています。買ったものを手放すことはほとんどありません。
持っている食器は基本的にどれも季節や料理に合わせて使っていますが、すごく貴重なものはここぞというときだけ使うようにして普段は見て愛でるだけにしています。
インスタでショップと一緒に盛り上がる
商品の情報はInstagramから得ることが多いですね。後はショップのブログや姉から話を聞くこともあります。
インスタには自分でも投稿をしていて、同じ趣味の人とつながりが広がっていきました。フォロワーさんと実際に会ったことはありませんが、「〇〇シリーズがあのお店にあったよ」といった情報交換をしています。
冒頭で触れたスコープさんが、復刻アイテムが出るときなどにハッシュタグを使ったイベントを企画されているので参加して一緒に盛り上がっています。
北欧からさらに別の国の沼へ
実は今、別の趣味…韓国ドラマ沼にもハマっておりまして…。そっちの比重が大きくなって、北欧食器沼は落ち着いているところです。使えるお金も時間も限りがありますから。
とはいえ、北欧食器沼から完全に抜け出すことはなさそうです。毎日利用するものですし、買い集めることを含めて生活の一部になっているので。
みんなが持っているから欲しくなるし、他人は持っていないものも欲しくなる
集めやすく、日常的に使うこともできる。何枚あっても困ることはない。北欧食器沼はまさに暮らしに溶け込んだ趣味と言えそうです。
最後に、守屋さんの購買行動に影響する心の動き「インサイト」を読み解き、ポイントを整理しましょう。
Instagramでは、同じく沼っている人々の投稿が数だくさん。下のは、#食洗機に入りきらないシリーズで有名な373tsu_さんの投稿です。
あなたのご自宅にも、食器で彩を添えてみてはいかがでしょうか?
それでは、また別の沼でお会いしましょう。
執筆:スプ論編集部
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