映画『暗殺の森』
この映画を観て数日間、
未だ衝撃が収まらず、感動が醒めやりません。
黒澤明監督の『赤ひげ』で蟷螂娘が出てきた時の驚き
ロマン・ポランスキー監督の『ローズ・マリーの赤ちゃん』が悪魔崇拝者の話かつナチズムの話だったと知った時、そしてチョコレートムースが出てきた時の驚き
キューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』が国家による洗脳、薬物による人間の破壊がテーマだと知った時の驚き
映画『砂の器』が戦後の混乱期の戸籍改竄、
「背のり」「別人のなりすまし」がテーマのひとつであると知った時の驚き
市川崑監督の映画『野火』が戦争の極限的な状況、飢餓を描き、人肉食がテーマになっていることを知った時の驚き
(テーマは別にするとして、
これらの映画は物語として素晴らしく
心に残る美しい名シーンがたくさんありました。
どの映画も、
いくつもな重層的なテーマを、
想像力を芸術の力で揺さぶる映画でした。)
上に挙げた映画から受けた衝撃ははかりしれません。
『暗殺の森』から受けた衝撃の強度は、
これらの映画から受けた衝撃と同じくらい
強いものでした。
また、どの一瞬を切りとっても、
恐ろしい程に美が炸裂しています。
ぞっとする程の映像美でした。
イタリア人の美意識は恐ろしいなと
思いました。
光と影の陰影が、言葉以上に物語を語る…
これが映画というもの持つ魔力なんだな…と
分かりました。
この映画は、内容は調べないで、そのまま先入観なしで観る方がいい映画だと思いました。
わたしは、この映画のタイトルと傑作だという話は学生の頃から朧気に知っていました。
そこからどれ程時が流れたでしょう…
暗殺❄️というタイトルが気になったこともあり、何気なく観てみました。(❄️マークは隠語で暗殺という意味があります。)
映画『ハイドリヒを撃て』や黒澤明監督の映画『わが青春に悔いなし』など抵抗組織の側からの映画を最近観てきたので、
ファシストの側からの作品を観てみようと思ったのがきっかけです。
❄️
こういう作品が映画なんだな…
奥行きが深いな…
今に通じる普遍的な問題を描いているな…
と、感動が沸き起こっています。
❄️
わたしが映画を見始めたのはここ2、3年です。映画の世界を知ることが出来て良かった…と思いました。
映画好きの人からみたら、
数える程しか映画を観ていないと思います。
だからこそ、まだ知らない傑作名画にこれから出逢えるのだと考えています。
『暗殺の森』は今、アマプラで観れます。
いつか映画館で観てみたい映画です。
ベルナルド・ベルトリッチ監督は29歳で
この作品を撮ったそうです✨
人間の感性って、才能って
29 30くらいで一度頂点に
達するのでしょうね。
そう思った作品でした。