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その痛みは 誇り〜展示会を終えて〜
12月9日 10日と
計画していた 展示会を無事に終えた
次は 語り手さんへの絵の郵送が待っている
たくさんの人が 訪れたわけではないが
普段は会えない人たちに 再会した
自己受容のきっかけをくれた 恩師
絵を描く過程を 褒めてくれた
遠くから来てくれた 母親
多くの作品を見て その道のりを受け取ってくれた
複数年伴走してくれた コーチ
情熱を持って取り組むことの価値を 伝えてくれた
価値観で繋がった 友人
作品の良さやその伸び代を 言葉にしてくれた
そして ふらりと足を運んでくれた方
見ず知らずの方の心にも 届くことを教えてくれた
場を 開いたからこそ
この 出会いがあった
場を 開いたからこそ
交わされた 言葉があった
場があること 意味
それを 改めて感じた日だった
*
その 展示会の最中に
繰り返し聞かれたことが ある
願いを描くことに
僕自身の願いがあるんだね と
そして その度に
何かが 心に残った
ふりかえれば 描くやり方は
自分で 構築したのだけれど
願い というテーマは たまたまだった
確かに そこに想いがない
わけではない
でないと 数年も続けて
描くことはできない
けれど なんなのだろう
この仄かな 違和感は
*
閃きは 突然訪れた
音楽を 聴いている時だ
いい歌詞だなと
心に残った歌詞があって
その理由を ずっと探してた
そして 自分にとって
大切なテーマが 歌われていることに
気がついた
大丈夫だ この痛みは
忘れたって 消えやしない
痛み
そうだ 思えば僕が 惹かれるのは
キラキラした 願いよりも
胸を 切り裂くような 痛みだった
心の奥底が 熱くなり
理由のわからない 涙が出るのも
願いではなく 痛みだった
そうだ
痛みの方が 僕の真ん中にあるのだ
*
今 僕は 痛みを 描きたい
痛みを 無かったことにせず
痛みを 忘れることをせず
痛みを 痛みとしたまま 立つ
その姿を 描きたい
その エネルギーは
物理的な ものではなく
精神的な ものでもなく
なんていうか
もっと 根源的なもののように 思うのだ
その人が その人である証
その人が その人として生きる意味
そう まるで その痛みは 誇り
その人の 誇りなんだ
僕は その誇りを描きたい
*
痛みは 願い というテーマよりも
もっと ずっと ハードルは 上がるだろう
語り手さんも どのくらいいるか
見当もつかない
けれど
痛みは 自分が触れるべきテーマだと
直感が 告げている
描こう と招く声が聞こえる
まずは 自分の痛みからだ
それを 明らかにしてみよう
*
描き 始めてから
もう少しで 3年が経つ
年を重ね 数を重ねるたびに
見たことのないところへ 連れていってくれる
次は どこに連れて行ってくれるのだろう
旅はまだ はじまったばかりだ
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