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あの人は 役割を果たしたい と語った それは 自分の全てを活かし尽くし できることを やることだ かつての あの人は 仕事に 苦しんでいた 平日週5日 定時は7.5時間 正社員の働き方は 窒息しそうだった 自分を 活かせていない このままでは 何かを 失ってしまう 後先を考えずに 職場を飛び出した ベッドに 転がって 時間の 使い方を考える 起きている時間のうち 半分以上の時間を 仕事に使う その時間が 自分の自由にならない 電撃が 走る それって 自分の
あの人は 願いを一言で まとめた 信号無視のない 社会を作りたい もちろん 比喩だ その示すところは ゆとり だ 信号無視というは わずかな時間すら 待つことができない ゆとりの無さを指す 穏やかな気持ちでいられる社会を 祈った ストレスを 貯めるタイプでは無かった しかし 子どもが 生まれ 育児の 友人が増えてから 知った ゆとりのない人が なんと 多いことか 仕事 や 友人 は 距離を置く事が できる しかし 家族は そうはいかない 自分が はたらくことで
あの人は 人の役に立ちたい と そう 思った そして それは かつての あの人を救うことでもあった あの人は 全てを引き受けてきた 何かあっても いいよ と言い 自分が悪いと 我慢してきた きっかけに なったのは 母との 出来事 荷造りを 手伝った時 役に立ちたい あの人は 場所を 聞いた しかし やり取りは うまくいかず 楽にしてあげたい という想いとは 裏腹に すごい剣幕で 怒られる結果になった どうして と 質問は できなかった その代わりに 自分が悪いと
あの人は 穏やかな 自然の中で 暮らしたい そう 語り出した それは かつて夢見た 憧れの 環境に 身を置くことを 今日まで 仕事に邁進した 社会人になっても 学ぶことを選んだ 仕事 に 学業 両立しながらも 周りの眼は 気になっていた 成果を 出さなければ 変化を 起こさなければ そして 大きく 落ち込んだ 仕事を休み 何をしたいのかを 真正面に 考えた時 確信した 自然の中で 暮らし 雪に囲まれて 生きたい コロナで 社会も変わり リモートでの 仕事も
あの人は 人生を 生き方を 選択し直したいと 思っていた 背負いきれない 両親からの期待 その全てに 応えるために 我慢を 繰り返してきた そうして 我慢をすることが 生きることだ と すり替わってきた 今 我慢すれば あとが楽だから 何気ない 一言が 思考 と 行動 を 縛る 楽 と言う 曖昧な言葉は あの人の 想像 を 妄想 に変えた 願うたびに 我慢をした 膨れ上がった妄想が 叶うことを夢見て そして 裏切られ続けてきた もう やめよう 我慢という 名の
あの人は 生きづらさを 抱えていた 幼い頃から 理由もなく やらされることが とにかく 嫌いだった 何のために 生きているのだろう 不満が 表面化したのは 中学のこと なぜ勉強をしなければ ならないのか 理由が納得できない あの人は 学校に行くのをやめ 家を出たりした 大工のバイトを 自分できめ 真っ先に 働いた 誰かに決められたことは 嫌だが 自分で 決めたことであれば やり通すことが できた それでも 生きる意味は わからなかった 導かれるように 留学に
あの人は ふたつの 大きな役割を 背負った ひとつは 仕事 恩義を感じている 人から 大役を 託された 今までは 背中を追ってきた しかし 自分が追い越して 前に出ることが 必要になった どうすれば 私は 代わりを担えるのか 足りないものを 補えるのか 今後の 組織を 大きく育む 会社の母を目指した ふたつめは 家庭 ここでも 母になることが決まった もともと 一人で生きていける タイプでは なかった ようやく見つけた 機会に 家族の穏やかな幸せを 祈った
あの人は 人生の転機を迎えていた 巡り合った パートナーとの旅 幼い頃から 神様と対話をしていた この感覚が あの人そのものだった しかし 社会に適応するため そして 大人になるため 神様の存在を 封印した あの人は 奮闘した 努力を重ね 時間を重ね 目に見える結果を 出し続けた 24時を超えて オフィスで働く 成果のために 睡眠時間を削る ただ 結果は出るが 安心がない 自分を 認めることができない 苦しんで 苦しんで 苦しんで 抜け出すために 瞑想を始
あの人は 起点になりたいと 語った 何もないところから 幸せを生み出す ありがとうの 起点に 仕事のしていた 父の 肩揉みを していた 正直 面倒だった けれど ありがとうさえあれば 気持ちは 喜びに変わった そして これは 人と人とが 暮らす 日常の 根幹だと 気づいた あの人は ありがとうを生み出すために できることを 次々と手を出していった 無尽蔵にも 見えるその力は 家族から 注がれている ついつい 自己犠牲に走りがちな あの人 ほんとうは 家族
あの人の人生は 取引だった 幼い頃から 病気がちだった 自分がいると 家族に迷惑をかける そう 思い込んでいたあの人にとって 人生は 取引だった 自分が居心地良く 過ごすためには 何かしらの価値を 提供しなければならない あの人は 能力を高め 自身が提供できる価値を 高めつづけた 所属した会社においても そうだ あの人は 価値を高めつづけた 自分が いても迷惑をかけないように それだけに 集中し たくさんの行動を 起こしてきた 戦って 戦って 戦い続けて そして
あの人は 言葉を紡いだ 生きることは 思い通りに いかないことだらけ 苦しくて 息が詰まり 怒りに 肩を振るわせ 悲しみに 頬を濡らすこともある でも それでも 生きることは すばらしい そう 信じたい 日は登り 月は照らす 花は咲き 空は青く 草木は繁る 心臓は鼓動し 魂は響く 毎日は ささやかな奇跡に 溢れている そこに気付き 受け取りさえすれば いまここにある時間に 感謝し 一日を 終えることができる 生きることは 一日の繰り返し ならば 生きるこ
魂に 一致して生きたい あの人は そう言った 正解があるものは 得意だった 勉強 や スポーツ 努力が そのまま 結果につながった 積み上げれば できるという 効力感が あった しかし 社会人になってから その生き方に 行き詰りを感じる 仕事 人間関係 答えを 自分で作らなければ ならないものは 何もかも うまくいかなかった 身体を壊すほど 残業をしても 成果は ついてこなかった 転機 となったのは 結婚の話が 上手くいかなくなった時 小手先の話 ではなく
あの人は 自らの仕事に 誇りを 感じていた 生命を ご本人から預かる 看護という 仕事を 看護 と言っても あの人の職場は 集中治療室 生命維持 限界の人たちが 運ばれてくる 最後の砦 あの人の 身体が あの人の 技術が あの人の 信念が 一人では 維持できない生命を 回復するまで 支える 一日一日に 細心の注意を払い 預かった 生命を 本人へと お返しできたその時に思う ああ なんて 尊い仕事なのだろう しかし 目の前の仲間達は その素晴らしさを
あの人は 個が尊重される社会を 求めていた 言いたいことが 言えない環境なんて おかしいと 思うんだよね あの人は 柔和な性格からは想像しにくい 怒りにも似た感情で 言葉を発した そうだ 我々は 生き生きとした毎日を 過ごさなければ いけないのだ あの人は 生命の使い方に 課題意識を 抱いていた あの人が そこに意識を向け出したのは 大学生の頃に 遡る ワーキングホリデーに 申し込んだ際の 健康診断で見つかった 難病 奇跡的に初期に 見つかり 結果は 寛解に至