信用という何か
0.ない袖は振れない
「約束は守られなければならない」あらゆる経済行為の原則ですね。しかし、「無い袖は振れない」時もあります。
ですから改正民法においても契約は重要な項目ですし、各種契約書の作り込みにおいても「解約条項」は常に頭に置いておかなければなりません。
さて、サラ金騒動で影を潜めていた「強引な督促の影」が最近少し香り出してるのが気になります。それも、租税徴収や社会保険回りですら。
あの当時のいわゆるサラ金等がどのように追い込んでいたかを見聞きしていた人間として、お話すると、そこに潜んでいたのは、冷徹な論理
「回収コスト」の最小の前提下では、「回収の最大化行動」は、相手を「廃業、倒産に追い込む」ことである。
であったりして、一方、本当に優秀な督促の人達は
握った手を開かせる(回収額を最大化する)最良の方法は「強引にこじ開ける」のではなく「自分から手を開かせる」ことである
という原則を知っており、素人(自分の成績優先)上司の説得に苦労していたりしていたものでした。
1.国の歳入額
平成30年度歳入内訳では①所得税19.2兆②消費税17.6兆③法人税12.2兆(公債金33.7兆ですけど)こんなもんです。ほんで、バブル期を超えるんだそう。消費税が増税されると、所得税はどうなるか?少し興味があります。
別に回収が進んだから税収が増えたとも、増えたんだから手を緩めろなどと言っている訳ではありませんよ。念のため。
2.手法を知ろう
全ての情理は、相手の気持ちに立つことです。回収する側だって、困っている人から理論値を超える回収をするのは気持ちの良いものでは有りません。ではどのような論理が強引な回収を支えるのでしょうか。
強引な回収の論理;強引に回収しても仕方が無い時は強引に回収する。それが「公平性の原則」という組織や法治国家の論理である
です。より具体的には次の2つです
1.約束を何度も破る
2.支払意思を見せない
3.無理な約束は絶対にしてはいけない(約束を何度も破る)
通常支払いが遅延すると「お話し合いをしましょう」という話になります。
そこでやってしまいがちなのは「出来ない約束をしてしまうを繰り返す」事です。そもそも、支払の遅延は「出来ない約束をした」事から始まったのですから。
特に「税等」は個別の事情を考慮しない「税法」に基づく徴収ですので、初めに「約束」がある訳では有りません。
そこで起る不毛な現実は次のようなものです
支払える限界が「月5万円」だとしましょう。
支払う側は、出来るだけこの場から早く逃げたい、良い回答をしたいというバイアスがかかりつい「月10万円くらいなら」と言ってしまいがち。
実際10万円は一時的には可能かも知れませんが長期的には無理であったりします。
一方督促する側は
「この人は1度約束を破るズルをした人だから、本当はもっと払えるのに少なく申告しているはずだ」というバイアス。それは
「本当ですか?もっと払えるのではないですか?」という言葉になります。
そして気の弱った支払う側は何と「月15万円」という約束を紙に書いてしまったりする訳です。
特に国税徴収法は他の一般債権者より優先した徴収権を担保しますから、担当者は強気になりがちです。でも例えば労働債権はもっと強いのです。生存権を主張する事は恥ずかしい事ではありません。2度と同じ過ちを繰り返さない為にも、5万円しか払えない理由をきちんと説明することが必要なのではないでしょうか。
まあ、15万円払えるのに5万しか払えないという人間が実際にいるから困るのですが、、、
4.連絡下さいと言われたら無視しないで連絡しましょう(支払意思を見せない)
支払い側の多くが、話し合いをしたいという督促通知を無視しがちです。
「話し合いをしたくない」というのが意思表示であるならそれも人権かも知れません。ならば、少なくとも「支払う意思がある」事は示して下さい。
「払いたいけど全ては払えない」グループと「払う意思を示さない」グループは根本的に扱いが違うから
5万円を握りしめて窓口に最初は行きましょう。いやなら最低支払える分を支払い、電話でも、手紙でも良いから支払意思を示しましょう。
でも話し合いは一時的な理由でなければ必ずしましょう。
加えて、契約がないものには基本的に支払い義務が無い事が多いですし、混乱の元です。良く確認しましょう。いわゆる「架空請求業者」等詐欺師達に、心の弱った処を付け入られないようにしましょうね。
こちらは逆に、連絡しないのが鉄則ですから、、、。
5.組織対人間
結局の処、督促する側の論理は「組織の論理・法理」です。そして、支払えない側の論理は個々の事情という「人間の論理・法理」です。これは、結構根の深い対立なのです。
ならば、「個の論理」を主張する側が「税務署さん」「銀行さん」等と組織の呼び名を使うのはいかがなものでしょう。
私が支払う側なら「〇〇〇さん」と担当者個人を名前で呼び、個人に対して話しかけ、個人の情に訴えます。支払う側の個人の論理・法理に入ってもらいたいからです。
まあ、ちゃんと払ってればこんなことにはならないし
最初の約束や見通しが甘かったことは反省しなければなりませんがね。
自分に向けて書きました(しくしく)。
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