ストレッチを深堀りする【DoctorTのスポーツ・エクササイズ医学】
こんにちはDoctorTです。台風が過ぎ去り、一気に秋になりましたね。涼しくなったので、外に出て体を動かしてみてはどうでしょう!
今回はストレッチについてです。運動には4つの要素「柔軟・心肺機能(有酸素運動)・筋トレ・バランス」があり、柔軟性も大切だということを以前書きました。(note:ちゃんと取り入れたい運動の4要素)
先日、知人から「ストレッチをしても効果を実感できない」「昔からあるような、じーっと伸ばすストレッチでいいのか」と質問されました。「ダイナミックストレッチというのがいいんだよ」と言ったものの、あまり自信をもって答えられなかったので、今回調べてみました。
アメリカのスポーツ医学会が推奨しているガイドラインから「stretching training」を参考にしています。
ストレッチとは
柔軟性とは「関節を可動域(かどういき)いっぱいに無理なく動かせること」で、ストレッチはそれを達成するための運動のことを言います。
体の硬さは、関節ごとです。股関節が柔らかいのを見て、その人は体が柔らかいのだと思いがちですが、股関節が柔らかくても肩が硬い人もいます。全身の硬い部位を見つけてストレッチしましょう。
柔軟性が改善するとこんなにいいことがある!
可動域が広がる
筋肉のアンバランスを修正できる*
バランスがよくなる**
姿勢が安定する
毎日の体の動きが楽になる!
*関節が硬いと、ある筋肉は縮んだまま、それに対する筋肉は伸びたままになります。例えば、腸腰筋(お腹の深く、股関節の前側の筋肉)と言う股関節を曲げる筋肉は縮んで固まりがちです。そうすると、大殿筋(お尻の筋肉)といって股関節を伸ばすための大きな筋肉はうまく機能できず最大限の力を発揮できなくなります。
**悪い姿勢でバランスを取るのは難しいですよね。関節が幅広く動ける中で見つけられたベストポジションが一番安定します。
運動する人は、パフォーマンス向上やケガ予防になるのでウォーミングアップ、クールダウンでストレッチを実施しましょう!
ストレッチ直後にも伸び、かつ長期的にも効果あり
みなさんも実感がある通り、自前のストレッチをとりあえずしてみても、前屈でより曲がりが良くなったりしますよね。これが即効効果です。しかしこれは時間が経つと元の硬さに戻っていきます。
少なくとも週2−3回やれば3−4週で効果あり
長期的効果がなかなか実感がわかないのではないでしょうか。少なくとも週2−3日ですが、毎日やったほうがよりいいです。(筋トレは週2−3回以上やっても効果は飽和と言われます)
自分のストレッチを見直そう!
おそらく、効果が実感できないのは継続できていないのが原因ではないかと思います。あとは、やり方が正しくないというのもあるでしょう。ちなみに私の患者さんでも鎖骨下筋をほぐすマッサージをやってもらうと、それより短い期間で効果が出ている印象です。それで効果が出ていない場合、マッサージしている場所がずれていることがあります。
ストレッチにはいくつか種類がある
スタティック:最も馴染みのあるストレッチ。じっとして、じわじわと筋肉を伸ばす。自分の力だけで伸ばすactive(アクティブ)と、人や道具を使うpassive(パッシブ)がある。運動前にあまり長くやると筋肉が伸びすぎてパフォーマンスが落ちることもあるので注意。クールダウンに向いている。
ダイナミック:動きのあるストレッチ。これを見たらストレッチというより運動前のウォーミングアップと思う人が多いでしょう(参考Youtube)。実際スポーツ前のウォーミングアップに効果的。
バリスティック:勢いをつけて伸ばすストレッチ。勢いで本来の可動域を過ぎてしまい、障害の原因にもなり得るので、このストレッチに関しては賛否両論。
まとめ
運動は「柔軟・有酸素・筋トレ・バランス」要素を取り入れるのが良い
柔軟性が高まるとメリットがたくさんある
ストレッチ直後の効果と長期的な効果がある
長期効果を狙うなら定期的に継続すること
場面にあったストレッチを選ぼう!
運動習慣がない人はまずはスタティックタイプのストレッチを毎日続けるのがよさそうです。ダイナミックをやるにはそれなりの筋力とバランス能力も求められ、それがないと、そもそも正しいフォームでできず、けがの原因にもなってしまうかもしれません。
体を動かすのがおっくうな人、時間がなくて運動できない人はストレッチから始めてみてはいかがでしょうか?
柔軟性はすべての運動の要素を鍛えるための基盤となるので、みなさんが思っている以上に重要度は高いです!
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